知られざるホンダの歴史 ~1950年代から1980年代~

知られざるホンダの歴史 ~1950年代から1980年代~

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  • 更新日:2023/01/25

無線機用の発電エンジンの改造から始まったホンダ

日本の4大バイクメーカーといえばホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキです。そのなかでもホンダは国内最大のシェアを誇り、世界でも市場を牽引しています。それだけでなく、ホンダには「技術屋」というイメージがある人も多いでしょう。ホンダの高い技術力の原点は、いったいどこにあるのでしょうか。

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ホンダのルーツを探るためにも、創設者である本田宗一郎と、歴史を振り返ってみましょう。

1946年9月、友人宅を尋ねていた本田宗一郎は、友人が預かっていた旧日本陸軍の放出品である無線機用の発電エンジンと出会い、その発電エンジンを自転車の補助動力にできないかと改造を試みます。つまり、補助エンジン付き自転車(モペット)を作ろうとしたわけです。

補助エンジン付き自転車とは、現在でいうところの電動アシスト付き自転車にあたります。第二次世界大戦以前より、補助エンジン付き自転車は少量が日本にも輸入されていましたが、当時の日本には全く普及していなかったそうです。

自転車用の補助エンジンへの改造は成功を収めたため、本田宗一郎はすぐに約500基の発電用エンジンを集めて、全て自転車用補助エンジンに改造して販売しました。これも、注文が殺到して1年後には在庫がなくなります。

この経験から本田宗一郎は、自社製エンジンの開発を開始。翌1947年、最初の製品として最高出力1馬力、排気量50ccのHonda A型自転車用補助エンジンが完成しました。

そして1948年、本田宗一郎は資本金100万円と従業員34人で、本田技研工業株式会社を創立しました。そして、静岡県浜松市の小さな町工場で、自転車用補助エンジンの製造を本格的に開始したというわけです。

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排気量100ccの2サイクルエンジンを搭載した「ドリーム号D型(1949)」

翌年には、排気量100ccの2サイクルエンジンを搭載した「ドリーム号D型」の生産を開始しました。また、創業から4年後の1952年には汎用事業に参入し、耕うん機の分野にも進出します。翌年にカブ号F型エンジンを改良した、初の汎用エンジンH型エンジンの開発に成功しました。

そして1959年には、今でも抜群の知名度を誇るスーパーカブの初代モデル「スーパーカブC100」を発売して大ヒットを記録します。同年、マン島TTレースの125ccクラスに初出場し、バイクレースに参入しました。

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1960年11月にはCBシリーズの初代モデル「ドリーム CB72スーパースポーツ」の発売

続く1960年、株式会社本田技術研究所を本田技研工業とは独立して設立します。研究開発に専念できるように体制を整えるためでした。同年11月に、CBシリーズの初代モデル「ドリーム CB72スーパースポーツ」の発売が開始。ちなみに、現在でもCBの名前を冠したCB250Rがラインナップされているなど、CBシリーズの根強い人気の高さがうかがえます。

さらに、1961年マン島TTレースで初優勝を果たしただけでなく、125ccと250ccクラスで1位~5位までをホンダのバイクが独占しました。

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長円ピストンエンジンを搭載し、WGPに参戦したNR500

そして時は流れ1978年、世界のトップライダーが集まる最高峰の世界GPに復帰するため、新しくトラックオーバル(長円)ピストンエンジンを開発したNR500で1979年8月のイギリスGPに出場。結果は振るわなかったものの、円形が当たり前のピストンに、斬新な長円形のピストンエンジンを開発した実績を残しました。

なお、同年8月に、排気量50ccの「ゴリラ Z50J-III」を発表し、コンパクトレジャーバイクとしてライダーの間で広く知られていきます。

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1986年に登場した大型スクーター「フュージョン」

1986年には、スクーターを大型にしたビッグスクーター「フュージョン」を発売します。小型で窮屈な車体が当たり前だったスクーターで、2人乗りを快適にした「ビッグスクーター」という新しいジャンルを切り拓いていきました。

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2020年に新型電気自動車「Honda e」を発売

このように、創立から技術の躍進に挑んできたホンダですが、最近では、2020年に新型電気自動車「Honda e」を発売しました。翌年には世界初の自動運転レベル3対応の「レジェンド」を発売しています。

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交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack」を使用したビジネス用電動三輪スクーター「ジャイロ e:(ジャイロ イー)」

今後はバイクやクルマのEV化、水素エンジン化が進み、自動運転機構がより普及していくでしょう。その過程でホンダがEV化、水素エンジン化したモデルを開発する際に、新しい「スーパーカブ」や「シビック」という名を冠した名車が生まれるかもしれません。

※ ※ ※

もし本田宗一郎が友人宅で無線機用の発電エンジンとの出会いがなければ、ホンダは存在しなかったといえるでしょう。今やホンダはバイク、クルマ、汎用エンジンだけでなく、ジェットエンジンの製造も手掛けるメーカーとなっています。

現在はバイクやクルマのメーカーというイメージがあるホンダですが、いずれは思いもよらない分野のメーカーになっているかもしれません。

Peacock Blue K.K.

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