iPhoneのバッテリー寿命を最小限の手間で延ばす設定と使い方

iPhoneのバッテリー寿命を最小限の手間で延ばす設定と使い方

  • マイナビニュース
  • 更新日:2023/03/19
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Apple Watchのバッテリーの保ちをよくする10の設定

日本は世界的に見てiPhoneユーザーが多い。iPhoneはスマートフォンの中では高級なモデルだ。このところ、その販売価格は高値のまま推移しており、1~2年で買い替えるような価格ではなくなっている。新しいモデルを購入したらできるだけ長く使いたいと考えるユーザーも多いだろう。

そこで本稿では、そうしたユーザーに向けて、iPhoneのバッテリーをなるべく長く使うための設定と使い方のポイントを紹介しよう。
日本はiPhoneが大人気

以下の表はiPhone 14シリーズで最も容量が小さいモデルの価格をまとめたものだ。最も安いモデルでもモバイルタイプのノートPCの価格帯だ。容量を増やせば価格はさらに高くなる。

この価格帯になってくると、1~2年で買い替えは難しくなってくる。大体、バッテリーの持ちが悪くなる3年目、iOSの最新版のサポートが終了する5年目に買い替えるか、さらに粘りに粘って古いiOSのサポートが終了するか壊れるまで使うといった感じにもなってくる。

にもかかわらず、日本はiPhoneのシェアがとても高い。

2023年2月の世界のモバイルベンダーにおけるAppleのシェアは27%ほどだ(StatCounter調査)。このシェアをベンダー別に見ると、Samsungと並んで1位だ。つまり、iPhoneは世界で最も使われているスマートフォンである。しかし、日本はAppleのシェアが7割近くある。これは主要国の中でもとりわけ高い。
バッテリーは消耗品、絶対にへたる

iPhoneに限らずノートパソコンや家電製品など、現在の製品のバッテリーの多くにリチウムイオンバッテリーが使われている。このバッテリーはいつ充電してもよいので扱いやすい。リチウムイオンバッテリーが登場する前のバッテリーよりも便利だ。

しかしながら、リチウムイオンバッテリーは充電回数に上限がある。これは物理的な特性なので今のところ回避できない。0%から100%までの充電を1回とカウントし、これを何回繰り返すことができるかが概ねわかっている。

充電を行うごとに劣化が進み、蓄電容量が減っていく。iPhoneを使い出すとバッテリーの減りが早くなったと感じると思うが、これは蓄電容量が減っているのが一つの理由だ。

加えて、iPhoneは給電による明示的な稼働をサポートしていない。給電は充電となるので、電源をつないで使っていても充電しているのと変わらない(一部自動で充電を停めるタイミングがあるが、ユーザーは明示的に制御できない)。

要するに、iPhoneのバッテリー寿命を延ばす抜本的な方法は、バッテリーの消費を抑える以外には方法がない。
バッテリーの消費を抑える方法はコレ

iPhoneは高価なモデルでもあるため、さまざまなメディアで、丁寧に使いたいと考えるユーザー向けにバッテリーの消費を抑える方法が初回されている。よって、そのための設定や使い方はバラエティに富んでいる。

しかし、複数の方法は結局覚えられず、面倒な操作はいずれ行わなくなる。本稿では効果が高く、かつ、必要最小限の設定と方法に絞って3つだけ取り上げる。

3つの方法とは、以下となる。

「低電力モード」を『常にオン』にする設定を行う
バッテリーを残量20%~80%の間で使う
ダークモードを使う

日常の操作で気にするのは(2)だけでよい。(1)と(3)は一度設定すれば、あとは設定したとおりに動く。最小限の手間でそこそこ効果が期待できる方法だ。

以降、それらを設定する理由と、具体的な設定手順を説明していこう。


(1) 「低電力モード」を常にオンにする設定

節電方法はいろいろあるが、iPhoneが備えている「低電力モード」を使う方法が包括的で面倒が少ない。低電力モードを有効にして使ってみて不便を感じないなら、このモードを常に有効にしておくことで一定の効果が期待できる。

問題は、低電力モードはバッテリー残量が80%「を超えると自動的に解除されてしまうことだ。毎回手動で「低電力モード」を設定するのは現実的ではない。いずれ設定しなくなる。そこで、ショートカットアプリを使って、常に低電力モードが有効になるように設定を行う。

まず、ショートカットアプリを起動して「オートメーション」を表示し、個人用オートメーションを作成する。

オートメーションとして「低電力モード」を選択し、「オフ時」に「低電力モードを設定」するように選択を行う。

ここまで設定すると、「実行の前に尋ねる」という項目が有効になっている。これをオフに変更する。充電して低電力モードがオフになった際に低電力モードを有効にするというオートメーションが発動するとき、毎回実行を確認されると面倒なので、このチェックはオフにしておく。

「実行の前に尋ねる」をオフにすると「実行時に通知」という項目が表示されるので、今度はこれをオンに変更する。これは運用上便利なので有効にする。この機能の詳細は次の節で説明する。

これでオートメーションの作成は完了だ。低電力モードがオフになると、自動的に低電力モードがオンになる。つまり、常に低電力モードがオンになった状態をキープできる。

そして低電力モードがずっとオンになるように、最初だけ低電力モードを次のように手動で有効にする。

充電して低電力モードがオフになったら、即座に低電力モードがオンになる。これで低電力モードが常に有効な状態をキープできる。


(2)バッテリー残量20%~80%の間で使う

リチウムイオンバッテリーはその物理的な特性上、残量が0%または100%といった状態をキープすることは望ましくない。50%程度の状態にキープしておく方が劣化が少ないと言われている。このため、iPhoneも100%まで充電しないで、80%くらいで停めておくというのがベターな使い方となる。

理想的には50%程度をキープしておきたいが、これでは使い続けると0%になってしまう可能性がある。そのため、現実解が80%%程度というわけだ。

そして、先ほどのオートメーションで「実行時に通知」を有効にした。これを有効にしておくと、充電を行って80%になると自動的に通知されるようになる。通知が行われたら充電を止めるといった使い方をすると上限80%を維持しやすくなる。

Apple Watchやスマートウォッチで通知を有効にしておくと、充電が80%に達したときにすぐにわかので、そのタイミングで充電ケーブルを抜けばよい。
(3) ダークモードを使う

あとはダメ押しで、デザイン上問題がなければ「ダークモード」を有効にする。このモードを有効にすると、何かと黒を基調としたテーマが使われるようになるので、ディスプレイが消費する電力量が減ると言われている。バッテリーの寿命を優先するなら念のために設定しておきたい機能だ。

デザインの観点から「ダークモードを受け付けない」「見にくくなる」といった場合は、デフォルトのライトモードのままでよいと思う。
元気なバッテリーでiPhoneライフを楽しむ

電力消費を抑えるための設定や使い方は、ほかにもあるが、必要最小限という意味では、今回取り上げた設定と運用方法でよいと思う。iPhoneは2年も使っているとバッテリーの減りが気になるようになり、3年経つとはっきりとバッテリーが持たなくなったと感じるようになる。

使っているiPhoneを便利により長う使うなら、2~3年ごとにバッテリーを交換する方がよい。しかしながら、バッテリー交換もそれほど安くはないので、バッテリーの消費を抑えるような使い方をするのは悪くない使い方だ。ぜひ一度こうした設定を試してもらえればと思う。

後藤大地

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