どこでも寝起きの自衛隊OB直伝 快適「車中泊」術 命を守る断熱&絶対に常備したいグッズ

どこでも寝起きの自衛隊OB直伝 快適「車中泊」術 命を守る断熱&絶対に常備したいグッズ

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2022/08/06

安眠するためのコツ

昨今はクルマに寝泊まりする、いわゆる「車中泊」が人気です。夏休みなど含め、連休ともなると道の駅やオートキャンプ場などではよく見かけます。宿がとれない、近くに宿がないなどで致し方なく車中泊をする人、自ら好んで車中泊する人など、様々な理由があるようです。

ただ、慣れていないと意外と苦痛を伴うのも車中泊ではよくあるハナシ。そこで「車中泊体験豊富な」元自衛官である筆者(武若雅哉:軍事フォトライター)が、自衛隊時代の知恵と合わせて車中泊を快適に過ごすポイントをお伝えしようと思います。

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筆者が所有する三菱デリカD:5の車内(武若雅哉撮影)。

筆者は自衛官時代、様々な場所で寝起きしました。トラックの運転席に始まり、荷台や車両の周辺でも寝ました。災害派遣では体育館などの広い場所に簡易ベッドを並べて寝起きしたほか、雪山での訓練では雪洞という雪のブロックを積み上げた空間で一晩を明かしたこともあります。

こうした通常とは異なる場所でいかに快適に眠るかのコツといえば、まずは、地面からの熱を遮ることです。土の地面に直接寝てしまうと案外苦痛で、冬場は思いのほか体が冷えてしまいます。特に雪洞内では断熱シートを使わないと大変なことになってしまいます。実際に、右腕が断熱シートから外れた状態で寝てしまった時には、朝起きた段階で右腕全体が麻痺してしまい、半日ほど動かすことができなかったくらいです。

大型トラックの荷台にある木製のベンチで寝る時も注意が必要で、ベンチの隙間から外気が侵入して寝苦しい思いをします。そのため「雑毛布」と呼ばれる自衛隊特有の緑色毛布を敷いておかなければ快適に仮眠を取ることはできないでしょう。

お金じゃ解決できない車内の広さ

さて、一般の人がイメージする車中泊が可能なクルマといえば、トラックを改造したキャンピングカーや、大きなワンボックスカーなどにベッドキットを備えたものなどでしょう。これらをレンタルするのもいいですが、一泊する程度の車中泊であればそこまでする必要はない、と思うかもしれません。

実際、車内空間を有効活用すれば、コンパクトカーでも十分な車中泊スペースを作り出すことができますが、それでも快適さでいえば、車内の広いワンボックスタイプのミニバンの方が絶対に良いでしょう。車内空間を広げることはどんな便利グッズでもできないことなので、ココは妥協しない方が良いかと考えます。

ちなみに、筆者がオススメするのは、三菱「デリカD:5」。このクルマは車内の広さもさることながら、自衛隊の演習場などの悪路でも問題なく走行することができます。

車中泊グッズこれだけは! 目隠しと照明

では、肝心な車中泊に必要な物は何なのでしょうか。意外と気にしない、もしくは後回しにしちゃう、でも必要な物が「目隠し」と「照明」です。これらについて解説していきましょう。

「目隠し」とは、まさに読んで字の如く「車外からの視線を回避する」ために使用します。自衛官時代は不測事態に対処するため、常に周囲の目に触れる場所での寝泊まりでした。ある意味ではプライベートがない状態ですが、誰がどこで寝ているのかをすぐに確認することができるのは、集団行動をする自衛隊では普通のことだったのです。

しかし、一般社会ではそうも言ってられません。どこで車中泊をするかを問わず、外が暗い状態のなか、車内で明かりを付けているとプライバシーガラス(スモークガラス)を装備していても中の様子が丸見えです。車内を暗くした場合、車外の様子が良く見えてしまうため、周囲に人がいると見えていないにも関わらず視線が気になります。

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車内灯を点けた様子。スモークガラスであっても近づくと中が丸見え(武若雅哉撮影)。

なお、人は偶然か故意かにかかわらず、明かりが漏れる場所をのぞき込む習性を持っているため、車中泊の際は「覗かれる」と常に認識しておいた方が良いでしょう。事実、筆者は明け方の道の駅などで、車中泊している車内を見て回る不審者の姿を目撃したことがあります。

気になったので車から降りて「おはようございます!」と挨拶したところ、その不審者は一目散にその場を離れました。なにがしたかったのかは未だに謎のままです。

目隠しに使う物は、専用のカーテンなどを用意しても良いのですが、最も手軽なのは新聞紙とテープです。新聞を購読していない人でもコンビニに行けば100円+αで買うことができます。予備を含めて2部も買っておけば十分でしょう。

スマホよりもコスパ良いLEDランタン

次に照明です。目隠しをした車内は暗くなります。恐らく何も見えないくらいになるでしょう。寝るときはその方が良いですが、スマートフォンやイヤホンなどの小物がどこにいったのか、はたまた歯ブラシはどこに置いたのか、着替えはどこの袋に入れたのか、ちょっとしたことをするときに明かりが必要になるのは間違いありません。こういった時に役に立つのが小さなLEDランタンです。

スマートフォンなどのライトや画面の光を明かりにすれば、それ自体のバッテリー残量を減らしてしまいます。クルマのエンジンを切っているとポータブル電源などを積んでいない限り充電は難しいので、なるべく温存したいところ。そこで、乾電池で明かりを採れるLEDランタンは、安価かつクルマに常備したい良コスパなアイテムになります。

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車内灯を付けた状態でスマホをいじるイメージ。エンジンを止めた状態だと最悪バッテリー上がりを誘発するため、LEDタイプの電灯は用意しておいた方が良いだろう(武若雅哉撮影)。

ちなみに、自衛官時代の照明といえば、小さなLEDライトを更にテープで光を絞り、必要最小限の明かりだけを頼りに行動することが多かったです。なぜならば、不必要な照明は自己位置を暴露することになり、なおかつ夜間の暗さに慣れた目の「暗順応」を狂わすことになるからです。仮にしっかりと暗順応していれば、視界の周囲で物を見る「周辺視」を使うことで、ある程度であれば照明がなくても行動することは可能です。

車中泊も、この「暗順応」「周辺視」が効く光量であれば問題ないため、明るすぎる必要はありません。家の照明でいえば豆電球くらいの光で十分です。

ガソリン価格の高騰とアイドリングストップが奨励されている現代で、いつまでもエンジンを回しておくことは得策とはいえません。そのため、バッテリー上がりを防ぐためにも、エンジンを切っている時は室内灯ではなく、手持ちのランタンなどがあると非常に便利です。

武若雅哉(軍事フォトライター)

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