グリエーズマンがバルサで輝けないのは、メッシとの不仲が原因ではない【現地発】

グリエーズマンがバルサで輝けないのは、メッシとの不仲が原因ではない【現地発】

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2019/11/21
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ネイマールの後釜として期待されたコウチーニョは、本領を発揮できないまま1年半でレンタルへ。(C)Getty Images

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いまだフィットしきれていないグリエーズマン(左)。メッシとの連携も不十分だ。(C)Getty Images

バルセロナのパスサッカーから、持ち前の流麗さが失われて久しい。

選手たちはボールを受けても、パスコースを見出すことができず、自ずと無駄にボールを運ぶ時間が増加。そうした低調なチームの中で期待の新戦力も悪戦苦闘を続けている、フレンキー・デヨングはアヤックス時代のようなプレゼンスを中盤で発揮することができず、アントワーヌ・グリエーズマンはそもそも周囲とのタイミングが噛み合わっていない。それはまるでバルサへの移籍のタイミングを1年遅らせた決断がいまだにプレーに影響を与えているかのようでもある。

グリエーズマンの1試合当たりの走行距離は、チームでもトップクラスの数値を記録している。精力的にフリーランニングを繰り返しながら、自らの価値を示そうと懸命に努力を続けている。しかしその動きはリオネル・メッシのプレーイメージとシンクロせず、実際、両者の間でパスを交換する回数は限られている。しかも前節のセルタ戦の60分のプレーのように、せっかくエースからパスを受けてチャンスが訪れても、得点に繋げられない場面も少なくない。
グリエーズマンとメッシは友人ではない。しかしピッチ上ではお互いがお互いを活かそうという意識は随所に見られ、巷で言われているような疎遠な関係がプレーに影響しているということはない。問題は2人の間で確固たるコンビネーションがいまだに構築されていないことだ。それはプレーを見れば一目瞭然。メッシがボールを持った場面で、グリエーズマンが見せる動きく場所は、その大半が“10番“が意図していないところなのだ。

結局のところ、グリエーズマンはまだバルサ特有のソルフェージュをマスターしきれていないということだ。メッシがエースとして君臨するバルサにおいて、近年顕著となっているのは、足下でボールを受ける形が増えていることだ。

一方、レアル・ソシエダ、アトレティコ・マドリー時代のグリエーズマンは、スペースに絶妙のタイミングで走り込んでボールを受けることで、違いを作り出すアタッカーだった。もちろんテクニックにも状況判断力にも優れた選手だが、その前提としてデスマルケ(マークを外す動き)の秀逸さがあった。
ただこのバルサスタイルへの適応の難しさは、過去に多くの新戦力が直面したテーマでもある。現にフランス代表の先輩でもあるティエリ・アンリもあるインタビューでこう語っている。

「(バルサに加入した)30歳という年齢でフットボールを学び直す必要があった」

グリエーズマンの低空飛行が続く限り、これからも巷ではその要因として様々な噂が掻き立てられるだろう。たしかにグリエーズマンはファッションセンスもヘアスタイルも独特で、チーム内では「目立ちたがり屋」と呼ぶ者もいる。またつい最近、ジェラール・ピケがネイマールの復帰をサポートするためにベテラン選手の間で話し合って契約の見直しをフロントに提案したことを暴露した。
そのネイマールの抜けた巨大な穴を補填するため、バルサは昨年の夏と冬に、ウスマンヌ・デンベレとフィリッペ・コウチーニョを立て続けに獲得した。しかしイレギュラーなプレーを繰り返す前者も、今夏にバイエルン・ミュンヘンにレンタルで放出された後者も、バルサで確固たる居場所を確保できないままだ。そこで第3の刺客として送り込まれたのがグリエーズマンだった。

メッシという唯一無二の存在がいるチームにいかに適応して、存在感を発揮するか。幼少期に「背が低い」という理由でフランスのクラブへの入団をことごとく断られた末に、祖国を飛び出してレアル・ソシエダの下部組織に加入し、その後も様々な試練を乗り越えて現在のステータスを勝ち取ってきたグリエーズマンにとっても、巨大な挑戦である。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。

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