
ソフトバンク・上林
WBC戦士の居ぬ間となる期間は残りわずかだ。ソフトバンクが19日のDeNA戦(ペイペイ)に4―2で逆転勝ち。低調だった打線が8回につながった。
0―2で迎えた8回、同点に追いつき、なおも満塁の場面で上林誠知外野手が右前へ2点適時打を放った。「オープン戦でしたけど、ミーティングでも喝(かつ)が入りましたし、何とか打ちたい気持ちが強かった。本番でもああいう場面で打てればと思う」。打撃好調の背番号51が首脳陣に猛アピールを続けている。
キューバ代表のモイネロも含めてWBC組5選手が不在のオープン戦とはいえ、ここまで首脳陣の期待とは異なる戦いとなっていた。特に零封負けを喫した12日の西武戦(ベルーナ)からでいえば、試合前の時点で1勝5敗。打線が6試合で8得点で、この日も7回終了時点で無得点だった。6回の攻撃前には円陣も組まれた。
昨季はコロナ禍で主力が大量離脱した際は若手が猛アピールするなど、選手層の手厚さを見せつけた。今回のWBC期間も競争の対象にある選手にとっては、格好のアピール合戦の機会。しかし、特に若手選手が突き抜けてこないことには、藤本監督も頭を悩ませていた。
そんな中でレギュラー奪取を狙う立場の選手としては、右足のアキレス腱断裂からの復活を目指す上林が目立ちまくっている。試合前に「チャンスでこそ、がっついてもらいたい。チャンスでなかなかヒットが出ていない」と注文をつけていた指揮官も「走者がいるところで初球から行ってくれた。このまま調子を継続して開幕を迎えてほしい」とニッコリだった。
この日でリチャードが二軍降格となり、代わってファームで結果が出たアストゥディーヨが21日の日本ハム戦(エスコン)から一軍に再合流する。開幕は迫ってきている。
東スポWEB