北九州市で開かれた「二十歳の記念式典」に出席する女性の振り袖に、黒い液体をかけたとして逮捕された男が25日送検されました。警察は関係先から押収した墨汁の成分を分析し、相次いだ同様の事件への関与を調べています。
「午後1時半です。平井容疑者を乗せた車が小倉北警察署から出てきました」
警察によりますと若松区の会社員・平井英康容疑者(33)は8日、小倉北区のコンビニで二十歳の女性が着ていた振り袖や帯などに墨汁の様な黒い液体をかけ、汚損した疑いがもたれています。
コンビニは「二十歳の記念式典」が開かれたメディアドーム近くにあり、店内の防犯カメラの映像などから平井容疑者が浮上したということです。
警察の調べに、会場付近に行き、振り袖を着た女性を見たことは認めたものの「振り袖などに液体はかけていません」と容疑を否認しています。
しかし、平井容疑者の関係先からは墨汁が入った専用容器が見つかり、押収されたということです。
毎年、派手な衣装で知られる北九州市の成人の集い。
今年、同様の被害が他に10件確認されています。
成人の日などでレンタルも行うこちらの呉服店は、今回被害はなかったものの、生涯に1度しかない晴の日を狙った悪質な行為に憤りを隠しません。
呉服のうめね・梅根裕幸店長「我々も一生に一回のことなので、みなさんが満足できるような形でなんとか一生懸命努力して。墨っていうのを限定してもしかしたら使っているとすれば、かなり悪質じゃないかなと思いますね」
墨汁など落ちにくいシミは、上から柄を描き足して修復する方法もあるそうですが、それは、オリジナルとは違った作品になってしまうそうです。
梅根裕幸店長「メインになっている柄だったりとか、添えられている柄にも意味があったりするので。思いみたいなものもね。今回の事件で非常に残念だなと思いますね」
警察は関係先から押収した墨汁の成分を詳しく分析し、当日起きた同様の事件への関与を調べています。
KBC九州朝日放送