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感染が続く東京五輪、水際対策は大丈夫なのか。手際の悪さにウンザリの声も

感染が続く東京五輪、水際対策は大丈夫なのか。手際の悪さにウンザリの声も

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/07/22

◆五輪直前にタイから帰国した日本人に話を聞いてみた

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写真はイメージです

東京五輪でやって来た海外からの代表選手やスタッフの新型コロナの感染が次々と発覚し、日本の水際対策に不満を感じる日々が続いている。報道やネットで言われている通り、日本政府のコロナ水際対策は本当にザルなのだろうか。五輪直前、政府の水際対策はどのような現状なのか、7月上旬にタイ・バンコクから帰国した坂井雄一さん(仮名・40代)に話を聞いた。

「タイでは2020年3月に非常事態宣言が発令して以来、今回で12回目の延長措置となりました。たび重なる延長で県外への移動を制限されるロックダウンが続いています。

海外に住む日本人に給付金などは一切なく、勤めていた会社も今年3月で契約終了になりました。バンコクに住んでいた日本人の知り合いもほとんど帰国してしまい、今、タイにいる意味があるのかなと思い帰国することにしたんです」

◆福岡に行くために中国経由で!?

坂井さんが帰国を決意したのは今年の5月。ひとまず、実家の九州に帰ろうと福岡空港行きのフライトを予約しようとしたという。

「6月前半に航空券を調べたときは福岡行きの便は飛んでいたんです。でも、それから2週間ほど経った頃に予約しようとしたら欠便になっていました。外務省に電話して福岡に行くためにはどうすればいいのかと尋ねると『中国経由なら行けるんじゃないですか』との返答が。

でも、そのときに中国の水際対策がどうなっているか予測できないし最悪、乗り継ぎできなくなるかもしれないじゃないですか。それを伝えると『まぁ、そうですね』となんとも曖昧な返事をされました」

さらに、坂井さんは帰国時に厚生労働省が指定するホテルで3日間の隔離後、11日間の自己隔離が必要となる。乗り継ぎはリスクを背負うと感じた坂井さんは、関西空港へ飛び大阪で2週間の隔離の後に実家に帰ることを考えた。

「しかし、大阪行きも欠便になってしまい羽田行きの便しか選択肢がなかったんです。LCCとか他の航空会社では予約できるのかもしれませんが、私が帰りたい日に飛んでいたは羽田行きのみ。仕方なく羽田行きのフライトを予約したときは、すでに6月中旬。帰国まで2週間しかなかったので慌ててパッキングしました」

◆出国はスムーズだったのだが……

海外から日本への入国者は、国籍を問わず全ての人が出発から72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提出が必要となる。検査方法は厚生労働省が指定する所定のフォーマットに沿ったものだったという。

「検査と証明書の発行は4500バーツ(約1万5000円)と、かなり痛い出費でした。結果は無事に陰性でいよいよ帰国へ。出国はチェックイン時に陰性証明書を提示するだけで割とスムーズに搭乗でき、日本へのフライトも快適で無事に羽田空港に到着できました。

しかし、問題は入国時。唾液によるPCR検査を受けて陰性の人のみ入国できるのですが、誓約書にサインしたり厚生省が指定するアプリをスマホに入れさせられました。そのときに、いろいろと手際の悪さが目立ちましたね」

◆到着してから空港を出るまで5時間

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誓約書の主な内容は14日間の隔離中は公共交通機関を使用しない、他者との接触を行わない、日本入国後に自宅や宿泊場所で14日間待機することなど。これらのチェックをすべて厚労省の職員が行うのだが……。

「書類を書いて厚生省の職員に渡したら、それで完了だと思うじゃないですか。でも、その人は記入漏れがないかの確認だけをして、そこから別のブースに移動させられてまた別の職員が確認するなど、とにかく手際悪く感じました。一連の手続きを終えると帰国者は数名のグループに別れて移動させられるのですが、他のグループとは1~2mほどの距離を取らされるのにグループ内の人間はかなり密でした。

もしその後、感染が発覚したら空港以外ではありえないと思ってしまうほど。他にも、ひたすら『次はこちらに来てください』と案内するだけの職員もいて、わからないことがあったので質問しても『さぁ、わかりません』の一点張り。

それでまた別の職員を呼び出して質問して……と無駄なやりとりが続き、空港を出たのは飛行機が着陸してから5時間後でした」

到着から5時間。ようやく空港を出たときには、坂井さんだけでなく帰国者のほとんどはグッタリしていたという。

◆厚労省からの緊急電話。その内容は……

その後、厚生労働省が用意したバスで隔離施設のビジネスホテルに到着した坂井さん。ホテルでもまた一悶着あったという。

「ホテルの部屋に電話が来て、フロントから厚生労働省に電話するように言われたんです。部屋の電話から掛けようとしたのですが、外線に繋げることはできないと言われました。携帯電話はタイで契約したものしか持ってきていなかったので、厚労省の職員にスマホを貸してくれないかと頼んだんです。

スマホが部屋に届いたのは、それから1時間後。スマホ1つ貸すのにも消毒しないといけないのは分かるのですが……。厚生省に電話してみると、空港で書類に記入したはずの僕の生年月日が間違っていないかの確認だったんです。そんなことでいちいち電話させるなよ……と思いましたね」

◆日本のお役所らしい面倒くささばかりが目立つ

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隔離中に配給される食事がこちら。帰国者から不満が続出しているとか

その後、3日間後の再検査で陰性となった坂井さんは自己隔離に入ることに。公共交通機関は一切使えないため自費で2万円を支払い、帰国者送迎ハイヤーを利用して羽田空港からほど近い宿に移動した。隔離先の宿には海外帰国者との了承を得ており、現在は食材の買い物などある程度の外出はできるようになったというが……。

「自己隔離になっても毎日体温を測り、健康状態をアプリで厚生省に報告しなければいけないんです。さらに入国時にスマホにインストールした位置情報アプリで1日に何度も位置情報を報告しなければなりません。

アプリは入国時に3つインストールさせられて、他にはビデオ通話で1日1回通知が来て現在位置を報告するものがあります。この隔離が終われば九州に帰ることができるのですが、3回もPCR検査を受けさせるのであれば入国時にワクチン接種をしてくれたほうがよほど効果的だと思います。

先日、知り合いがアメリカ出張したときに入国時に空港ですぐにワクチン接種できたと言っていました。今回の帰国で日本の水際対策に対してザルとまでは言いませんが、日本の役所らしい面倒臭さを感じましたね」

「厚生省の水際対策は日毎に変わるので、一概には言い切れない」と坂井さんは話す。無観客開催になったとはいえ、多くの外国人関係者が訪日する。坂井さんの言う通り、海外からの入国者はワクチン接種を義務づける対策を行うほうが、よほど安全なのではないのだろうか。

取材・文/日刊SPA!編集部

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