
自分や知人が未確認航空現象「UAP」を目撃したというアメリカの学者は19%もいるそうだ。約5人に1人の割合となり結構多い。
これはアメリカの学者1460人が回答したもので、学術誌『Humanities and Social Science Communications』(2023年5月23日付)で報告された調査からわかったことだ。
この調査では、UAPを目撃した学者が想像以上に多いだけでなく、彼らが実際にそれを研究することが重要であると考えているらしいことが明らかになっている。
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学者はUAPについてどう考えているのか?/h3> 未確認航空現象「UAP」とは、航空機とも自然現象とも断定できない空で目撃される何か、俗に言うUFOもこの中に含まれる。
今回のルイビル大学とバージニア大学の研究チームによる調査は、そのUAPについて学者がどう考えているのか知るためのものだ。
対象となった学者は、アメリカの144大学に所属する教授・准教授・助教3万9984名(ただし回答率は4%)。彼らが専門とする学問分野は政治学、物理学、心理学、工学など14領域におよんだ。
この調査では、回答者の19%が「自分・知人がUAPを目撃した」、9%が「自分・知人がUAPを目撃した可能性がある」と回答した。
また回答者全体の39%が「あり得そうなUAPの説明を思いつかない」、21%が「自然現象」と回答。その一方で、「未知の知的存在の装置」との回答も13%あった。

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学者はUAP研究を重視している
この調査では、実際にUAPを研究する学者は少ないものの、多くがその重要性を認識しているらしいことも明らかになっている。
実際に「UAPについて学術的な研究を行った」ことがある回答者はわずか4%である一方、多少なりとも「興味がある」という回答は36%にのぼる。
また自分がUAPを研究する可能性については、43%は「自分の専門分野で信頼できる学者が研究していれば」、55%は「資金を確保できれば」実際にやってみるかもしれないと答えている。
さらにUAPを研究する重要性について、37%は「非常に重要」「絶対に必要」とし、64%はこの研究に学界が関与することが「非常に重要」「絶対に必要」と答えた。

こうした結果から、分野にかかわらず米国の多くの学者がUAP研究を重要視しており、とりわけその人の専門分野で信頼できる学者がやっているなら自身もそれに携わる可能性があることがうかがえる。
研究チームによるなら、UAPについて学者がもっとオープンに議論を交わせば、そこに加わる学者も増えるだろうとのことだ。
なお、こうした結果を裏付けるように、アメリカではUAP研究に追い風が吹いているようで、この謎現象を担当する政府機関まで発足している。
2022年をUAP研究のターニングポイントと評する声もあり、この分野の研究はますます加速しそうな雰囲気だ。
References:Unidentified aerial phenomena observations reported by almost one fifth of academic survey respondents/ written by hiroching / edited by /parumo
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