海賊版論文サイト「Sci-Hub」のTwitterアカウントが停止された件についてSci-Hub創業者がTwitterを批判

海賊版論文サイト「Sci-Hub」のTwitterアカウントが停止された件についてSci-Hub創業者がTwitterを批判

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/01/13
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byEsther Vargas

本来は有料の科学論文を無料で閲覧できる海賊版論文サイト「Sci-Hub」は、多額の購読料やインターネットの検閲を回避できるため多くの研究者から支持されている一方で、学術機関などが支払う購読料によって成り立っている学術誌の出版社からは敵視されています。2021年1月8日、Sci-Hubの公式Twitterアカウントがいきなり停止されてしまい、Sci-Hubの創業者であるアレクサンドラ・エルバキアン氏がTwitterを批判しました。

Sci-Hub Founder Criticises Sudden Twitter Ban Over Over "Counterfeit" Content * TorrentFreak

https://torrentfreak.com/sci-hub-founder-criticises-sudden-twitter-ban-over-over-counterfeit-content-210108/

Twitter suspends Sci-Hub account amid Indian court case - The Verge

https://www.theverge.com/2021/1/8/22220738/twitter-sci-hub-suspended-indian-court-case

Sci-Hubはカザフスタンの大学院生だったエルバキアン氏が2011年に立ち上げた学術論文の海賊版公開サイトであり、学術機関のプロキシを通して本来は有料購読が必要な論文へのアクセスを提供しています。Sci-Hubを支持する科学者は世界中に存在しており、Sci-Hubはユーザーからの寄付によって運営されているとのこと。Sci-Hubが作られた経緯や運営については、以下の記事を読むとよくわかります。

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論文海賊サイト「Sci-Hub」は誰がどのようにして生み出したのか - GIGAZINE

科学者らがSci-Hubを支持する背景には「学術誌の購読料が高すぎる」という問題があります。近年では大学図書館などの大口顧客がエルゼビアとの契約を打ち切るケースが続出しており、2019年2月28日にはカリフォルニア大学がエルゼビアとの契約を完全に打ち切ったと発表しました。

高額な購読料に悩む科学者らにとって、Sci-Hubはペイウォールの壁を取り払ってくれる有用なツールですが、多数の科学誌を発行するエルゼビアなどの学術出版社は「Sci-Hubは出版社の著作権を侵害している」として訴訟を起こしています。Sci-Hubは損害賠償の支払いが命じられたりドメインが停止されたりしていますが、記事作成時点でも運営が続けられています。

2020年12月、エルゼビアなどの学術出版社はインドのデリー高等裁判所に訴訟を起こし、インドのインターネットサービスプロバイダ(ISP)にSci-Hubおよび同様の海賊版論文サイト「Libgen」をブロックするように要求。裁判所は2021年1月、この訴訟が「公的に重要な問題である」と宣言し、専門家や科学者らがこの問題について証言するように周知しました。

インド国内でSci-Hubへのアクセスが停止される可能性が浮上したことを受け、インドに住む多くの研究者や学者がSci-Hubのツイートに対する返信で、Sci-Hubへの支持を表明していたとのこと。ところが2021年1月8日、およそ9年間にわたって運営されてきたSci-Hubの公式Twitterアカウントがいきなり停止されてしまいました。

Twitter suspends the account of Sci-Hub pic.twitter.com/XQfNYmR1Ra
— Catalin Cimpanu (@campuscodi)
January 8, 2021
from Twitter

エルバキアン氏は「アカウントの凍結は、公式アカウントがSci-Hubがブロックされる危険性についてTwitterに投稿し、何千人ものインドの科学者らがエルゼビアや他の学術出版社に反抗した直後に起こりました。Twitterは彼ら全員に『黙れ!』と言いました」とコメント。アカウントの停止はインドでの訴訟に関連していると主張しています。
今回のアカウント停止はTwitterの「偽造品に関するポリシー」に関するものだそうで、Sci-Hubはこの決定について抗議できないと通知されているとのこと。エルバキアン氏はこういった事態に備えてSci-Hubを支持するインドの研究者らの発言をアーカイブしており、法廷でもSci-Hubを支持する発言が証拠として扱われるそうです。
「私はこれらの回答を収集し、インドの弁護士であるNilesh Jain氏に転送しました。Sci-Hubがブロックされるべきではないことを証明するために、法廷でこれらを声に出して読むことを計画していました」と、エルバキアン氏は述べています。なお、海外メディアのThe Vergeの問い合わせに対し、Twitterは返答しませんでした。

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