辻仁成氏「勘違い」から始まった仏・オランピア劇場でのライブ 日本人作家として初

辻仁成氏「勘違い」から始まった仏・オランピア劇場でのライブ 日本人作家として初

  • 東スポWEB
  • 更新日:2023/05/26
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ギターを構える辻氏

フランス在住の作家でミュージシャンの辻仁成氏(63)が29日、パリにある最も有名な劇場「オランピア劇場」でライブを行う。同劇場は世界のトップアーティストがコンサートを行ってきた〝聖地〟だ。直前のインタビューに応じた辻氏は「20年前に渡仏し、道ばたで歌を歌っていたころから『いつかオランピアでやりたい』という漠然とした夢がありました」とその思いを明かした。

オランピア劇場はエディット・ピアフらのフランス国内のトップアーティスト、ビートルズ、マドンナら海外のスターがライブを行ってきた。伝統ある場所でのライブにフランス国内メディアも反応。現地のラジオ局が「辻とは何者だ?」と取材に押し掛ける状況になっているという。

ライブの実現は「勘違い」から始まった。

辻氏は「僕のライブに来てくれた人が『オランピアでライブをやりなよ』と言ってくれて。僕はその方がプロモーターの方だと思って『やるよ!』と返事したんです。違うことに気付いてがっかりしたんですけど、彼が言った『オランピアの道』という言葉が頭にこびりついて。コロナ禍明けから周囲に相談を始めました」と振り返る。

その思いに賛同したフランスに在住する日本人の仲間がスポンサードし、ついには本当の現地プロモーターが手を上げた。

「フランスで小さなライブハウスからコツコツとやってきました。日本でいえば、名の知られていないフランス人が武道館でライブをやるようなものです。ガキのころからあった憧れを63歳で実現するのは、夢のある話じゃないかなと思っています」と辻氏は語る。ライブには友人で、フランスを代表するアーティストの「Deep Forest」がゲスト出演。2人がレコーディングをして話題となった曲「荒城の月」を披露する。
還暦を過ぎた辻氏の行動力の根底にあるのは「熱血」という信念だ。

「僕はあきらめることが下手くそなんですよね。もうあと7年もすれば70歳です。まだ花も咲かせてないし、悔しさもある。メディアに叩かれたり、悪口を言われても、『熱血』という言葉で乗り切ってきた。そういうところのパッションは大事にしていきたいと思っています。こうやって発信していくことで『オヤジでもまだまだやれるんだぞ』と、みんなを元気付けたいというのはありますね」

かつて組んでいたバンド「ECHOES(エコーズ)」での活動も今回の夢実現には欠かせなかった。

「エコーズを聞いてたみんなが協力してくれて、ポスター貼りもやってくれました。フランス人に向けてのPRもしてくれているんです。(エコーズの)メンバーの中には死んじゃったやつもいる。いろいろ考えることもあります」と辻氏は思いを馳せる。

そんな長年の音楽活動の中でも誇らしいのは、大学生の息子が自分の音楽に影響を受けていることだ。

「息子が今回の公演も手伝ってくれているんです。オランピアでやるということに意義を感じてくれているんだと思います」

息子はフランスのヒップホップミュージシャンとしても活動していて「僕よりファンが多い。でも、ミュージシャン一本でやっていく気はないみたい。大学を卒業して、フランスの国家プロジェクトに関する仕事をやりたいと言っている。親父がお金にならないミュージシャンで苦労していることを知っているからでしょうね(苦笑)。でもオランピアのライブを見たら『熱血』の血が騒ぐかもしれませんね」。

最後に辻氏は「まあ、人に叩かれたり、落ち込んだり、仕事がうまくいかなかったり…いろいろあるんだけど、それは結局『関係ねえよ』と。『誰の人生なんだよ、オレの人生だろ』と。それで最後は潔く死のう、という気持ちです。だからオランピアに立つことも怖くない。結果を求める世の中だけど、僕だってここまで来るのに20年。だから自分を信じて、やり続けるしかないんです」と同世代に向けてメッセージを送った。

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