大学ラグビー部マネージャー コンビニ&外食が多い選手に悩み、食生活の良い改善策は?

大学ラグビー部マネージャー コンビニ&外食が多い選手に悩み、食生活の良い改善策は?

  • THE ANSWER
  • 更新日:2023/01/25
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食に関心のないラグビー部員たちへどう向き合うべきか、橋本先生が質問に回答(画像はイメージです)

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載 今回は読者から届いた質問に回答

Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は読者から「THE ANSWER」に届いた質問に回答します。

◇ ◇ ◇

「大学1年生でラグビー部のマネージャーをしております。選手たちが食事にあまり関心がなく、コンビニや外食が多いことが気になっています。食生活を改善したいのですが、どんなことから始めるべきでしょうか? 食事の写真を送ってもらい、アドバイスをする取り組みをすることにしましたが、約50人の選手がいるので一人ひとりに向き合うことが難しいと思い悩んでいます」(大学生)

素晴らしい取り組みですね。でも、食事に対する考え方は人それぞれですし、選手たちの足並みを揃えることに難しさを感じられていると思います。何より、たった一人で50人の選手と、個々に向き合うことは、とても大変です。

コンタクトスポーツのラグビーでは、体重、特に除脂肪体重の多い方が、パフォーマンスに有利であると様々なデータからわかってきています。そして、食事は体作りやトレーニング、パフォーマンスにものすごく影響します。でも、それを理解していないと、何を言っても「面倒くさい」となり、続きません。

大切なのは「何のために意識して食事に取り組むのか」を、選手たち自身が腹落ちすること。そして、個人に任せず、チームとしての目標を立てて、実行することです。ですから、選手だけでなく、ぜひ、監督、コーチ、トレーナーといったスタッフにも働きかけてみてください。選手、コーチングスタッフ、マネージャーとチーム全員が課題と目標を共有することで、皆が協力し合い、食事の改革を進めやすくなります。

大学生レベルの選手が身につけておきたい食習慣は4点

具体的な取り組み方ですが、まずは簡単な食習慣のアンケートを行ってみましょう。以下に質問内容の例をいくつか挙げます。

○朝ごはんを食べていますか?
○朝ごはんによく食べているものは何ですか? 主食・主菜・副菜は揃っていますか?
○昼ごはんによく食べるものは何ですか? 主食・主菜・副菜は揃っていますか?
○夕飯によく食べるものは何ですか? 主食・主菜・副菜は揃っていますか?
○1日1回、牛乳・乳製品と果物をそれぞれ摂っていますか?
○トレーニングの前後に補食を摂っていますか? 補食は何を摂りますか?
○試合後に水分と補食を摂っていますか? 補食は何を摂っていますか?

加えて、各自カラダ作りやコンディショニングの目標、課題を記入してもらいます。すると、選手個々の食生活の現状や目標が明確になり、おのずと食生活の課題もみえてきます。書き込むことで「いつも朝食抜きで、お昼はコンビニおにぎり2個とインスタントラーメンだった」と気づき、選手本人やスタッフ陣も「これはまずい」と考えるようにもなります。

続いて、アンケートの結果からチーム全体の食生活の現状を把握。そこから、選手、コーチングスタッフ、マネージャー全員で話し合い、チームとしての目標を立てます。

大学生レベルの選手が身につけておきたい食習慣は、以下の4点です。

1)1日3回食事を摂る
2)食事は、主食+主菜+副菜の3つを揃える
3)牛乳・乳製品、果物を毎日摂る
4)1日3回の食事の他に、計画的に補食を摂る

以上のことから、「最初の1か月は、全員が朝食を摂る。2か月目は、主食、主菜、副菜の揃った食事を摂る」などと、優先順位を決めて目標を設定します。例えば、半分以上の選手が朝食を摂っていないのであれば、第一の目標を「毎日、朝食を摂ろう!」にする、という具合です。

SNSの活用でうまくいった例も

実践方法ですが、過去にうまくいった例を挙げると、SNSの活用があります。例えば学年別やポジション別などでグループを作り、皆が食べたものを投稿したり情報交換したりする場を作ります。すると、食事を投稿することで成果を競い合い、ゲーム感覚で参加するように。「自分はこうやっている」「いい定食屋を見つけた」など情報が集まったりもしますし、結果、知らず知らずのうちに選手の食事への意識や知識、情報がブラッシュアップされます。

選手たちは、ただ栄養の話をしても、心に響きません。マネージャーさんも栄養の知識を投稿するのであれば、「筋肉を増やすためには、実はエネルギーも必要。朝ごはんをしっかり摂ろう」「たんぱく質は腹持ちがいいらしい。集中力を切らさないよう、朝からしっかり食べることが大事!」など、トレーニングや練習と紐づけた食の情報をポストしてあげるといいですよ。

これまでジャパンラグビーリーグワンに入団する選手たちを見てきましたが、大学時代に既に自分に合った食べ方を身につけている選手もいれば、プロテインに頼り切っている選手、野菜ばかり食べる選手、逆にまったく食べない選手などもいます。しかし、入団時はバランスの取れた食べ方が身についていなくても、「自分はこうなりたい」という目標をしっかり持っている選手たちは、1~2か月で食生活もガラリと変わり、すぐに個々に合った食べ方をマスターします。

大事なのは、細かい栄養素にとらわれずに、まずはバランスのとれた食べ方を身につけてもらうことです。自分が掲げたシーズン前の目標の体重、体組成になるべく近づけることができ、かつ、1年を通して安定した体重を維持できる。4年生になったとき、そんな食べ方を自分のものにできるといいですね。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

長島 恭子
編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

長島 恭子

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