庄村聡泰(ex-[Alexandros])、SixTONES『CITY』全曲聴いて“くそう。好きだ。”

庄村聡泰(ex-[Alexandros])、SixTONES『CITY』全曲聴いて“くそう。好きだ。”

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2022/05/13
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おっさんは今、歯ぎしりが止まらない。

口惜しい思いに焦がれる身体は激しく、そして小刻みにがたがたがたと震えている。がちがちがちと噛み続けた爪はすっかりと擦り減ってしまい、このままだとうっかり指ごと食いちぎってしまいそうだ。いや、ふふふ、もうこの際いっその事だ。食いちぎってしまおう。

最早特段必要もないだろう。先週末に行われたSixTONES全国ツアー「Feel da CITY」広島グリーンアリーナ2デイ公演に行きたかったけど行けなかったけど行きたかったから行けなかったからもう、逝ってやるうううな衝動を必死に抑えながら『CITY』の原稿を書く為に動かさなければならないこんな指などもう、要らない。

あ、でも指ねえとマスカラ(もうこの曲はタラランタラランピーンなイントロが優勝過ぎる)塗る時大変だよな。

いや、でもマスカラ塗る時なんかねえか。

だっておっさんなんだもの。

と、かつてない程に失意の中での執筆となるこちらの原稿は前回の記事の続きである。

SixTONESのセカンドアルバム『CITY』。もしこの街をアド街ック天国で取り扱ってしまった日には、きっと他の街の出番が永久に訪れなくなるであろうと思うくらいに掘り甲斐のある街であった為、正直な所を申し上げるになかなか手を付けられず、そして纏め切れずにあったのだった。

要するに収録されているインタールード込全19曲の密度情報量バリエーション流れその全てがまあ物の見事に濃ゆいわ深いわ手強いわで一向に街から出られねえどうしような思いと、

収録されているインタールード込の全19曲の密(中略)で一向に街から出たくねえまあいいかな思いと、

ついでにこんなアルバムのツアーとかそりゃあもうさぞかし良いに決まってらあでも行けなかったな歯痒いな口惜しいなの思いで、

揺れて揺れて今心が何も信じられないまま咲いていたのはmy rosy heartな状態にあったのだ(そもそもLUNA SEAの大ファン所謂”SLAVE”である筆者にとってSixTONESに「Rosy」のタイトルを冠する曲があると言う事自体が前記事の切っ掛けでもあった事をここに告白しておく)。

仕様によって曲順が変わると言う試みがなされている当作、おっさんが耳にしたのは通常盤であるのでそちらに沿っての記述となるのだが、ジャジーなギターやグラスの音にいきなりハッとさせられるオープニングを経て上述の通りイントロ大優勝な「マスカラ」。ファンキーでスムース、随所に散りばめられたワウ的な音色が捻じ曲がった恋模様を演出する。”いじけてばかりで”と言う歌詞で締め括られるとは何とも挑戦的な実質1曲目である。

心情、荒んどるなあ……の思いを更に「Rosy」の体感5秒の3分間で引っ掻き回されるとスウィングするポップな歌メロやリズムが華やかな「フィギュア」へ続く。”ショーウィンドウに並ぶ僕ら 代替不可であれよフィギュア”との、ボーイズグループである自負と皮肉を織り混ぜたかの様なラストのタイトル回収もまた、挑戦的に聴こえてくる。この聴き手に”踏み込んで”来る感覚が、すこぶる気持ち良い。

再度のインタールードを経て場面転換。激しい恋心をアッパーなダンスチューンに乗せて歌われる「Odds」。ベースフルテンで聴きたいアゲ特化型の「WHIP THAT」はアルバムの時系列も踏まえるとド深夜の狂乱と言った所だろうか。うん、酒飲みてえ(笑)。からのゴスペル調の楽曲をここで持って来るか! な前曲との落差が楽しい「Everlasting」。優しく雄弁に語り掛けられるメッセージソングの趣きであるが、アルバム前半の締めとしての役割も担っているのであろう。メンバーの歌声がより冴え渡る「THE FIRST TAKE」のバージョンも必聴(何だかおっさんはサビにMR.BIGの「To Be With You」みを感じて胸がアツくなったと言う不要な追記もしておきます)。

“SixTONESとグレートな1日を過ごそうぜ!”とのインタールードからファルセットが耳をくすぐる「8am」は正にタイトル通りの内容であるのだが、ここで遡って「WHIP THAT」から聴いてみるとその、些か分裂気味とも言えるバリエーションの豊富さには舌を巻く思いと言うか「俺同じグループのアルバム聴いてんだよね……?」と不安すら覚える思いだ。何なんだお前等は。何でも出来るのか。くそう。好きだ。

そんな気持ち悪い告白を経てこれはもう思いっ切りツボな「僕が僕じゃないみたいだ」。疾走感溢れるバンドサウンドを更に後押しするホーンとストリングスは90年代に慣れ親しんだおっさんの大好物であり、それはたまらんの一言である。しかしここでもまた「マスカラ」へと遡ってみるとその些か分裂気味とも言える(中略)くそう。好きだ。

と思ってたらあれ、そん次もツボだぞこれ「Ordinary Hero」。これはもう超大好きなm-floを思い出しながら聴いてしまった。だって1サビ後のラップの歌い出しが何つったって”How you like me now”なんだもの。”How you like me now”っつったらあの名曲なんだよくそう超好きなんだよなあ未だに聴くんだよなあそう考えりゃサンプリングに生楽器多めな点なんかも共通項あっかもなあ。ついでに随所に鳴るハモりギターからは、これまた超大好きなodd foot worksなんかも香ってきやがる。これはもう、くそう。好きだ。ならぬ、クソ好きだ。である。

(m-floのハウユーライクミーナウ)

(odd foot worksでちと思い出した浪漫飛行機って曲)

思わず口汚くなってしまった文体をキレイさっぱり洗い流してくれる「Your Best Day」。うん、まるでこうなる事を予見されていたかの様な流れにおっさんは平身低頭の思いだ。すまん。俺が悪かった。

さあ、ここまで大ボリュームの12曲を経て『CITY』はまだまだ続くのである。が、このインタールードは何だろう。サイレン音が鳴っている。何すかこれひょっとしてゴッサムシティか何かなんですか?

イントロからしてシリアスなモードの「Fast Lane」。”Race”や”V16″などの歌詞から前インタールードのエンジン音との繋がりを示唆させるが、続く「Good Times」ではまた、趣きが変わり再びのゴスペル調の楽曲を聴かせる。歌詞を読み込むとここの2曲では”仲間”に焦点が当てられており、どうやらこの街はゴッサムシティでは無かったらしい。荒んでなかった。良かった。

未だ忘れられず、そして冷めやらぬ恋心を美しいアルペジオの響きに乗せて歌われる「Cassette Tape」。世界中で連綿と歌われ続けられて来た心情ではあるが、そのキーアイテムとしてまさかレトロなカセットテープを持って来るとは。光りまくっている演出を更に倍増させる情感たっぷりの歌声。こいつぁ効くぜ……ぐすん。

壮大なリズムと荘厳なコーラスで聴き手を圧倒させる「Dawn」。サビ裏に切り込んでくる高音フェイクがたまらなくカッコいい。個人的にはこっちがスパイダーマンでも良かったんじゃないか(映画のラストバトル終わりは”Dawn”即ち夜明けであった)と思うくらいの1曲であり、実質のラストはここであろう。

しかし、これではちと重過ぎるのだ。勿論このまま、圧倒されたまんまでも良い。良いのだ。だが、このままでは本当に先に記した通り、何なんだお前等は。何でも出来るのか。くそう。好きだ。の続きとして、でも、何だか余りに凄過ぎて、おっさんの入る隙が一切ないではないか。くそう。それでも好きだ。になってしまうのだ。おっさんは出来ればこう、もっと素直に”好きだ”と言いたいのだ。素直に推したいのだ。だからそう、最後にこう、華やかな、大団円的な、ついでにおっさんにもフレンドリーなポップでシャレとるヤツを1発……

と、続くのが「Strawberry Breakfast -CITY ver.-」である。

思いっ切り華やかで大団円でポップでシャレとる曲であり、ある意味本作の中で1番”らしい”曲でもあり、MVでフられまくるSixTONES(リンク:https://youtu.be/-YP_I9C7i4o)の姿はおっさんの目にもとてもフレンドリーに映り、更にはそんなおっさんに主演女優賞までくれると言う贅沢この上ない締め方であった。

そして、

主演女優賞を頂いたと言う事は、

とても丹念に、

マスカラを塗らなければならない。

SixTONESの『CITY』を聴き込む事により、かくしてこのおっさんにはマスカラを塗る理由と、その為に必要な指を大切にしなければならない確たる理由が出来たのであった。

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