
あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第71回】競馬は「まぎれ」の多い競技だと思います。単純に競走馬(や騎手)の能力や適性通りに決まらないこともあり、そういう時は高配当になりやすく、そこが魅力だと思っています。
この「まぎれ」の起こる要因が分かれば高配当的中に繋がるのではと考え、レース展開や馬の状態、騎手心理がそれかと想像はしてみるものの、これといった結論を見つけられておりません。
じゃいさんはレースの「まぎれ」を生む主な要因は何だと考えていますか。また、それらの要素を予想にどう反映しているか教えてください。(クリフ・男性・43歳・会社員)
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「まぎれ」というのは能力が高いと思われていた馬が凡走することで、競馬に限らずどんなことにも起こります。
麻雀やポーカーで言う「上振れ」「下振れ」なんかは「まぎれ」だし、「人生は何が起こるかわからない!」というのも所謂「まぎれ」の一種でしょう。計算通りいかない、確率通りにいかない、思うようにいかない、それはそこに「まぎれ」があるからです。
では競馬でいう「まぎれ」の原因は何なのか?
ほとんどのレースは人気通りの決着にはなりません。3.2.1番人気や、2.4.1番人気で決まるレースは「まぎれ」は少ないと言えます。これが、12.6.5番人気の決着になると「まぎれ」が大きいレースになります。

この原因は、一言で片付けられることではないのです。
まず、馬は生き物です。人間と同じように病気や怪我、体調不良、疲労、ストレスなどがあります。細かいところで言えば、暑いのが好き、寒いのが苦手、その逆も然り、気分が良い、イライラしているなんてことだってあります。
生まれ持っての気性の良し悪し、勝負根性的な闘争心の有無、途中で走る気力が無くなったりする馬もいるし、早熟、晩成もあります。そもそも年齢によってのピークは馬によって違うでしょう。
そんな生き物が走るのですから当然そこに「まぎれ」は生じます。
そして、馬場。競馬が行なわれる芝やダートも競馬場や開催日数、天気によって変わります。野芝と洋芝によっても性質は異なるし、海外などは芝の深さも異なります。ダートも砂の性質や量によって走りが変わります。芝は痛んだりしますから、それによって伸びる場所というのも変化していきます。
競馬場自体も右回り、左回り、内回り、外回り、直線の長さ、坂の有無それぞれ違うし、レースによって距離も変わります。
例えば陸上の100メートル走の選手は同じような路面のトラックで走ります。400メートル走もトラック1周と決まっています。基本左回りと決まっており、坂もないので、毎回ほぼ同じような条件でのレースになりますが、競馬は違います。当然これも「まぎれ」の要因の一つです。

今週のギャンブル格言【「まぎれ」が人生を面白くしてくれる】
枠順もまぎれの大きな要因の一つですね。陸上の短距離走のようにレーンがあるわけでもなく、スタートしたら好きな場所を走ります。フルゲートになれば18頭の馬が走るわけですから、進路を探すのは容易ではないでしょう。
そこには接触や不利、前が詰まったり、進路妨害もあります。今は規定が変わり少なくなりましたが、審議の結果降着になることも昔は頻繁にありました。
さらに競走馬には騎手が乗ります。騎手の手綱捌きによって馬をコントロールします。
逃げるのか? 追い込むのか? 内を通るのか? 外を回すのか?
その一瞬一瞬の判断が結果に大きく関わってきます。つまり騎手の乗り方一つで結果も変わり、「まぎれ」も起こります。
他にも色々あるとは思いますが、これほど競馬には「まぎれ」が多いのです。当然こんな「まぎれ」だらけの競馬を毎回予想を当てるのは不可能です。
ただ、その「まぎれ」に左右されない実力差というのもあります。チーターと亀が競争したら、亀が勝つ可能性はほぼ皆無ですよね。なので、実力差があればあるほど堅いレースが生まれます。
これを書いているのは日曜日の夜なので、今回の月曜開催のセントライト記念はまだ終わっていません。1番人気がソールオリエンスで2番人気がレーベンスティールです。個人的にも、ほぼほぼこの2頭の決着になると思っています。
さて、「まぎれ」はあるでしょうか?
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。
構成・撮影/キンマサタカ
構成・撮影/キンマサタカ