米税制改革、大きな恩恵受ける日本企業は?

米税制改革、大きな恩恵受ける日本企業は?

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/12/06
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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米議会で議論されている大々的な税制改革の恩恵は世界各地に及ぶ可能性がある。太平洋を越え、窮地に立たされている日本の保険各社にとってもカンフル剤となりそうだ。

東京海上ホールディングスを例にとってみよう。同社は近年140億ドル(約1兆6000億円)余りを米国での買収に費やしており、損害保険会社の収入保険料ランキングでトップ10入りしている。今年はアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のメディカル・ストップロス保険事業の買収を発表した。

ドイツ銀行によると、米税制改革の柱となる35%から20%への法人税率引き下げが実現すれば、東京海上の2018年3月期の納税負担がおよそ300億円軽くなり得る。その結果、米国事業の利益が25%近く増える見通しだ。同社全体の利益は前年比7.5%増加し、4000億円を上回る可能性がある。

この増益効果は東京海上にとって、米国とカリブ海諸国を今年襲ったハリケーンやメキシコでの地震に関連して見込まれる約640億円の損失穴埋めに役立つ。そして同社は米国、インド、マレーシアといった成長市場で買収攻勢に乗り出している半面、本国の既存事業での利益拡大はますます難しくなっている。日本の損保事業は自然災害で痛手を被る一方、生命保険商品でのリターンは国債利回りの低迷で圧迫されている。9月末までの1年間の株主資本利益率(ROE)は5.6%にとどまり、3月末までの1年間の7.8%を下回った。

東京海上や国内での成長が難しくなっている日本の金融機関は、米税制改革を追い風に米国への投資を一段と拡大できる。ドイツ銀行によると、日本企業が海外子会社に留保する利益の約9割がドル建てだ。米国への資本流入でドル相場が上昇すれば、保険各社は円安の恩恵を受けることもできそうだ。

投資家の間では、税制改革が米国の企業にもたらすプラス効果が注目されている。だが東京海上のような勝ち組が他にもいる可能性を踏まえ、海外にも目を向けるべきだ。

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