貴景勝は取り直しの末に3敗死守 かど番脱出に王手も「まだ3分の2が終わっただけ」/秋場所

貴景勝は取り直しの末に3敗死守 かど番脱出に王手も「まだ3分の2が終わっただけ」/秋場所

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  • 更新日:2023/09/19
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同体で取り直した貴景勝(手前)と宇良=東京・両国国技館(撮影・戸加里真司)

大相撲秋場所10日目(19日、両国国技館)かど番の2大関は貴景勝(27)が取り直しの末に平幕宇良(31)をはたき込み、7勝目を挙げた。霧島(27)は新小結錦木(33)に寄り切られて4敗に後退。平幕で1敗同士の直接対決は熱海富士(21)が元大関の高安(33)を押し倒し、9勝1敗で単独首位に立った。熱海富士を高安がただ一人の2敗で追い、3敗は貴景勝や平幕北勝富士(31)ら5人。

押し込んだ大関の体が流れて跳んだ。土俵際ではたき込むかたちとなった宇良は宙高く飛んで、土俵から飛び出していく。立行司の式守伊之助は、貴景勝の体が早く土俵にはったとして軍配を宇良に。そこで、物言いがついた。

「あまり覚えていない。負けはないと思った」。貴景勝はこう確信しながら土俵下へ。協議の結果を待った。

土俵下で見守った佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)がマイクを握り「両者体が落ちるのが同時と物言いがつき、協議した結果、同体と見て取り直しといたします」と説明した。協議では貴景勝がはったとき、宇良の体は土俵内に残っていたという意見もあったという。打ち出し後、同審判長は「体のある、なしですね」。勝負を裁定する際に問題となる「生き体」「死に体」のことだ。

死に体は相撲を続ける状態でなくなったときの体勢で、逆転の能力がなくなった瞬間をいう。足の甲が返ってつま先が上を向いてしまうと「死に足」となり、貴景勝が押し込んだ勢いでダイブする体勢となったとき、宇良の足の甲が返っていたようにも見え、〝命拾い〟の取り直しとなった。

取り直しの一番は、貴景勝が頭を下げて立ち合った宇良を押しつぶすようにはたき込み。わずか0秒7。淡泊な決着に、館内から「あ~」「え~」との声ももれた。

自身7度目のかど番。7勝目を挙げ、危機を脱する勝ち越しに王手をかけた貴景勝は「負けたら弱いということ。勝てば…。結果がすべて。まだ3分の2が終わっただけ。結果は分からない」。3大関はすでに3敗以上を喫し、平幕力士が1敗で首位を走る。この現状を招いた責任は重い。(奥村展也)

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