知床観光船事故から7か月 今も不明の乗客、激減した観光客...世界遺産の半島に光を取り戻すために 北海道

知床観光船事故から7か月 今も不明の乗客、激減した観光客...世界遺産の半島に光を取り戻すために 北海道

  • HBCニュース
  • 更新日:2022/12/04
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観光船沈没事故から7か月が経ちました。
「観光バスが消えた」「売り上げは半減」。観光客の知床離れが進む中、関係者の信頼回復に向けた努力が続けられています。

尻がつかえてガードレールをくぐり抜けられないヒグマ。結局、ガードレールを乗り越え、お目当ての川に向かいました。サケのそ上がめっきり減った川で、ごちそうにありつけたのでしょうか。

観光シーズンを終えたオホーツク海側の斜里町ウトロ地区。流氷が接岸するまで静かな時が流れています。
自転車のメンテナンス作業に追われているのは、知床でサイクリングツアーを企画・販売する西原重雄(にしはら・しげお)さんです。
夏の観光シーズンを振り返りました。

知床サイクリングサポート 西原重雄さん
「東日本大震災級かなと思う。うちは従業員がいないので、とりあえず食いつないでますけど、従業員に給料を払うとなると食っていけない」

利用客は例年の7割に満たなかったといいます。

知床サイクリングサポート 西原重雄さん
「流氷ファットバイクアドベンチャーという名前なんですけど、インバウンド対象に外国人だったらこういうところを走りたいだろうと思い作ったツアー」

流氷が接岸した海岸を走ります。3年前に企画した会心のツアーですが…

知床サイクリングサポート 西原重雄さん
「コロナがちょうど始まってしまって、ほとんどインバウンドは来なくなり、今年は更に遊覧船事故でダブルパンチ。(今年は)いまのところ予約がない状況です。早く次のステップに行けるように、地元の人がみんな集まって観光を盛り上げていきたい」

高級魚キンキをさばいているのは、漁船の元船頭で、海産物販売店を営む種田成司(たねだ・せいじ)さんです。
今年、店先で回る魚に足を止める観光客はほとんどいませんでした。

知床朝市大成丸 店主 種田成司さん
「(いくらで売っている?)1200円ぐらいかな。(1200円で買えるんですか?!キンキ!)ちょっと傷モノだけどね」

漁師が命がけでとってきた魚を1匹も無駄にしたくないと始め、今では店の名物になりました。

知床朝市大成丸 店主 種田成司さん
「真空パックする前に、このままで売れていた。売り上げも半分くらいかな。去年のね」

今年の売り上げは、新型コロナの影響で落ち込んだ去年のさらに半分…深刻です。

知床朝市大成丸 店主 種田成司さん
「観光バスが全然来なくなった。大型バスね、見ないもねあんまりね。みんなに食べてほしいよね。いっぱい来てね」

観光客であふれるいつものウトロに戻る日を願いながらキンキをさばきます。

4月23日、観光船「KAZU Ⅰ」は、乗客乗員26人を乗せ、ウトロ漁港を出発したあと、知床半島沖で沈みました。
20人が死亡し、6人の乗客の行方は分かっていません。
行方不明者の捜索と観光の再興。関係者が複雑な思いに苛まれたシーズンでした。

一方で、新しい動きも出てきました。

北こぶし知床 広報担当 村上晴花さん
「これも漂着物だと思います。世界遺産の知床が受け止めてくれている」

新しい知床観光を考える動きも出てきました。地元のホテルに務める村上晴花(むらかみ・はるか)さんの日課は「ごみ拾い」です。

北こぶし知床 広報担当 村上晴花さん
「これはたぶんブイ。浮き玉なんですけれども。それの破片。これ漁網だと思いますけど。漁具はえんえんと流れ着くものなので、やっぱりどこかで回収しないといけない」

村上さんがごみ拾いを始めたのは、おととしの春。ごみをくわえるヒグマのニュースを見たのがきっかけでした。

ウトロ地区周辺の海岸線や国道を中心に、数人の友人と始めたごみ拾いは共感を呼び、地元住民や観光客を巻き込んだ「知床ゴミ拾いプロジェクト」に発展しました。

北こぶし知床 広報担当 村上晴花さん
「人が住んでいるからこそ知床の自然が守られるとか、人が来るからこそ知床の自然が守られる。そういった流れが、ごみ拾い活動を通じて生まれていけばうれしい」

ごみ拾いのツアー化も検討されています。

知床のブランディングを手がける「知床しゃり」 寺山元 事務局長
「知床は海の世界遺産だと思う。流氷から始まる海と陸の命のサイクル。観光船が一手に海を感じてもらうアクティビティを担っていた。それがなかなか難しい厳しい状況になっている」

新たな海のアクティビティとして考案したのが、海岸トレッキングにごみ拾いを盛り込んだサステナブルツアーです。
拾ったごみも資源ととらえ、利用方法などを模索しています。

知床しゃり 寺山元 事務局長
「海岸を歩いてみませんか。ちょっと資源を拾ったらアップサイクルできるのではないか。そういった体験を提案できるようになるかもしれません」

知床を楽しみながら、ごみと向き合うツアーは、来年の商品化を目指しています。

斜里町役場に設けられた献花台に、新しいメッセージが添えられていました。

子どものメッセージ
「はやくみつかってね。みつかったらいっしょにあそぼうね」

知床に、流氷が海を閉ざす冬が迫っています。

11月24日(木)「今日ドキッ!」午後6時台

HBC北海道放送

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