
御朱印のように、書店を訪れた証として集めることができる「御書印」をご存知ですか?その「御書印」プロジェクトに加盟している全国の書店を一気に知ることができるフェアが、銀座 蔦屋書店で開催されています。
この記事では、日本各地の書店に訪れたくなる「御書印」フェアの魅力をたっぷりと紹介!実際のPOPコメントの一部も特別にお見せします。
特集

過去の記事はこちらから
本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。
昨年の約2倍もの書店による本がずらり!御書印フェアとは
普段行くことのない書店を新たに訪れるきっかけになれば、との思いで始まった御書印プロジェクト。御書印とは、お寺や神社で受け取れる「御朱印」のように、その本屋を訪れた証としていただくことができるオリジナルの印のことです。全国約400店もの書店が参加しています(2023年1月時点)。
銀座 蔦屋書店では、昨年に引き続きこの御書印プロジェクトに参加する書店と協力し、「御書印」フェアを開催。今年は昨年のおよそ2倍、107店もの御書印店の参加が叶いました。
「人と書店を結ぶ印」 #御書印 のフェアが2/1より銀座 蔦屋書店で始まりました!🎉
今年で2回目となるフェアにはなんと全国から107店もの書店様がご参加下さいました。本当にありがとうございます。😊
2つのフェア台で107店の御書印とご選定頂いた本をご紹介致します。📚 @goshoinclub #御書印フェア pic.twitter.com/Nj7v64gaXu
— 銀座 蔦屋書店 日本文化 (@GT_jpculture)
February 2, 2023
from Twitter
GINZA SIXのエスカレーターで6階まで上がり、銀座 蔦屋書店の入り口へ向かえば出迎えてくれるように展開されている「御書印」フェア。絵本や小説などジャンルも様々に並んだ書籍は、それぞれの参加書店によって選定された特別な1冊。書店にゆかりのある本や御書印の由来となった本など、1冊1冊に想いが込められています。
なんといっても、本当は日本各地を訪れていただかなくては手に入らない、個性豊かな「御書印」を銀座にいながら一覧できるのもこのフェアの魅力です。POPに綴られた各書店からの一言を読むと、その書店が歩んできた背景を感じることもできるでしょう。
フェアではこのようにご参加下さった書店さまの「店名・所在地・お店の御書印・お店の一冊」がPOPと共に並んでいます。ご選定頂いた本はお店にゆかりのもの、御書印にまつわるもの、オススメの本等いろいろ☺️
全国107店の書店員が選書した一冊、
ぜひPOPのコメントもご覧頂きたいです。 #御書印フェア pic.twitter.com/bcbnmFLV8p
— 銀座 蔦屋書店 日本文化 (@GT_jpculture)
February 2, 2023
from Twitter
ここからは、フェアに協力する書店の中から今年新たに参加となった書店を一気に紹介していきます。実際のPOPコメントも特別に公開。各都道府県を訪れた際に立ち寄って、お土産として御書印をいただいてみてはいかがでしょうか。
御書印店:絵本カフェ Mébaé (めばえ) のおすすめ本 『最初の質問』
推薦書店:絵本カフェ Mébaé (めばえ)(京都)
京町屋にて絵本専門士が常駐する絵本カフェです。お気に入りの絵本が見つかれば販売します。推薦本は、絵本専門士が学ぶ1冊目の絵本です。最高の2人が奏でる絵本を感じてください。
最初の質問2013/7/26長田 弘 (著), いせ ひでこ (著)講談社

御書印店:(有)若林書店 のおすすめ本 『京都寺町三条のホームズ』
推薦書店:(有)若林書店(京都府)
京都を舞台にしたミステリー小説です。「京都寺町二条の本屋」こと若林書店も一緒に覚えてください。
京都寺町三条のホームズ2015/4/16望月 麻衣 (著)双葉社

御書印店:法藏館書店 のおすすめ本 『宗教の行方 現代のための宗教十二講』
推薦書店:法藏館書店(京都府)
創業400年を超える、京都・東本願寺前の仏教書出版社・書店です。昨年宗教のあり方が問われる中で弊社から刊行されたのが本作。仏教にも詳しい神学者が、宗教的真実をいかに現代に通じる言葉で語るべきかを説きます。
宗教の行方 現代のための宗教十二講2022/8/26八木 誠一 (著)法蔵館

御書印店:小さな絵本屋 HeyHo のおすすめ本 『ブルーノ』
推薦書店:小さな絵本屋 HeyHo(大阪府)
セカオワFukase作のこの本は、両側から読めるつくりになっていて、一つの出来事が立場が違うと別の話のようになってしまう様子が描かれています。当店の「HeyHo」もセカオワの曲名から名付けたので、思い入れの深い本です。
ブルーノ2021/10/15Fukase (著)福音館書店

御書印店:堀廣旭堂 のおすすめ本 『古都』
推薦書店:堀廣旭堂(大阪府)
若き日の川端康成が、足繫く通いツケで本を買っていました。「古都」は、京都の名所や四季折々の行事を背景に、幼き頃に生き別れた双子の姉妹の人生を描いた作品です。まるで東山魁夷の絵画を観ているような美しさです。ノーベル文学賞の対象作。京都ガイド本としても楽しめます。
古都2022/4/25川端 康成 (著)新潮社

御書印店:本の栞 のおすすめ本 『中島らもエッセイ・コレクション』
推薦書店:本の栞(兵庫県)
神戸・元町の本屋です。新刊と古本の販売、珈琲やお酒も飲んでいただけます。時々ライブやイベントも。当店の一筆「その日の天使」は現在手に入る書籍には収録されていないので、同じ著者のこちらをチョイスしました。
中島らもエッセイ・コレクション2015/7/8中島 らも (著), 小堀 純 (編集)筑摩書房

御書印店:リトル書房@甲子園 のおすすめ本 『勇者たちへの伝言 いつの日か来た道』
推薦書店:リトル書房@甲子園(兵庫県)
お店は兵庫県西宮市の甲子園球場近くにあります。一筆は「未来は今日の掌の中に」。今はなき西宮球場を舞台にした小説「勇者たちへの伝言」からいただきました。勇気をもって人生を生きる大切さを教えてくれます。
勇者たちへの伝言 いつの日か来た道2015/11/14増山実 (著)角川春樹事務所

御書印店:カニジルブックストア のおすすめ本 『エンド・オブ・ライフ』
推薦書店:カニジルブックストア(鳥取県)
病院内という変わった場所にあるためか、命について考えさせられる本がよく売れます。この『エンド・オブ・ライフ』もそのうちの1冊。自分や大切な人の死を、どう迎えるか。心揺さぶられるノンフィクションです。
エンド・オブ・ライフ2020/2/5佐々 涼子 (著)集英社インターナショナル

御書印店:本の森セルバBRANCH岡山店 のおすすめ本 『奉還町ラプソディ』
推薦書店:本の森セルバBRANCH岡山店(岡山県)
お店は岡山駅より1駅、北長瀬駅前「BRANCH」の中。休日は家族連れの方でにぎわう明るく開放的なお店です。本書は岡山駅西口にある奉還町商店街で繰り広げられるちょっとふしぎで心温まるお話で、商店街に思わず足を運びたくなる魅力にあふれています。岡山にお越しの際には当店にもぜひ!
奉還町ラプソディ2022/11/11村中 李衣 (著), 石川 えりこ (イラスト)ビーエル出版

御書印店:木のおもちゃと絵本の店 ウーフ のおすすめ本 『新装版くまの子ウーフの童話集(全3巻) 』
推薦書店:木のおもちゃと絵本の店 ウーフ(香川県)
お店の名前は「くまの子ウーフ」から。好奇心たっぷり愛嬌たっぷりのウーフはいっぱい遊んで一生懸命考えます。ウーフのような子どもたちに手渡したい絵本やおもちゃを集めたお店です。
新装版くまの子ウーフの童話集(全3巻)2020/11/18神沢 利子 (著), 井上 洋介 (イラスト)ポプラ社

御書印店:書肆海風堂 のおすすめ本 『二十四の瞳(角川文庫)』
推薦書店:書肆海風堂(香川県)
映画やドラマ、なんども映像化している不朽の名作「二十四の瞳」は、おなご先生と十二人の生徒のふれあいを描いた心温まるお話、という中身だけではありません。揺れ動く今の時代だからこそ、読んでいただきたい作品です!
二十四の瞳(角川文庫)2007/6/23壺井 栄 (著)角川書店

御書印店:金高堂 野市店 のおすすめ本 『自分の中に毒を持て 新装版 (青春文庫)』
推薦書店:金高堂 野市店(高知県)
世知辛い世の中を生き抜くための、メソッドがここにある! 当店は、看護書・教育書・保育書など専門書も扱う店舗です。絵本のプレゼント需要も多いです。
自分の中に毒を持て 新装版 (青春文庫)2017/12/9岡本 太郎 (著)青春出版社

御書印店:金高堂 土佐山田店 のおすすめ本 『ポッケの旅支度』
推薦書店:金高堂 土佐山田店(高知県)
単なる「泣かせる漫画」ではありません。イシデ電先生のポッケに対する「愛」が詰まっています。当店は、「なぜこの漫画家のサインがあるの?」と不思議に思うような書店です。
ポッケの旅支度2022/9/12イシデ電 (著)KADOKAWA

御書印店:絵本屋 たねぽけっと のおすすめ本 『あさになったのでまどをあけますよ』
推薦書店:絵本屋 たねぽけっと(福岡県)
この絵本はどんな年齢層の方にもお勧めできます。気持ちが安らかにもポジティブにもなりますよ。小さな絵本屋たねぽけっとは,福岡市東区にあります。不便な場所ですが,九州においでの節はどうぞお立ち寄り下さい。
あさになったのでまどをあけますよ2011/12/2荒井 良二 (著, イラスト)偕成社

御書印店:テントセンブックス のおすすめ本 『点と線 (新潮文庫)』
推薦書店:テントセンブックス(福岡県)
清張の「点と線」の舞台、香椎にある本屋です、推薦するのはもちろん、これ! 今では博多に着く四駅手前、特急も停まる駅になっていますが、文庫片手に聖地巡礼を楽しみませんか? お待ちしています。
点と線 (新潮文庫)1971/5/25松本 清張 (著)新潮社

御書印店:本のあるところajiro のおすすめ本 『ひとさらい 笹井宏之第一歌集』
推薦書店:本のあるところajiro(福岡県)
出版社・書肆侃侃房が運営する本屋「本のあるところ ajiro」です。海外文学と詩歌を中心に書籍を揃えています。彗星のように現代短歌を駆け抜けた笹井宏之さんの第一歌集で、御書印の一筆はこの歌集から引用しています。
ひとさらい 笹井宏之第一歌集2011/1/24笹井 宏之 (著), 加藤 治郎 (読み手)書肆侃侃房

御書印店:BOOKSあんとく みづま店 のおすすめ本 『百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)』
推薦書店:BOOKSあんとく みづま店(福岡県)
著者の地元福岡県久留米市を舞台にした切ない恋物語。当店はその久留米市にあり、九州内書店初!の自習室発祥のお店です!私たちはお客様の現在(きょう)と未来(あした)を応援しています!
百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)2010/8/31中田 永一 (著)祥伝社

御書印店:長崎次郎書店 のおすすめ本 『阿部一族・舞姫 (新潮文庫)』
推薦書店:長崎次郎書店(熊本県)
鴎外が熊本に滞在したことがきっかけで書かれた本書は、江戸時代の事件に材を取った小説です。作者・森鴎外も立ち寄ったという当店は、明治7年創業です。規模はささやかなれど、地域の方々に必要とされる本屋を目指して奮闘中です。
阿部一族・舞姫 (新潮文庫)2006/4/1森 鴎外 (著)新潮社

御書印店:古本と新刊scene のおすすめ本 『本は読めないものだから心配するな (ちくま文庫)』
推薦書店:古本と新刊scene(熊本県)
本が好きな人ほど、不思議と合点がいく書名だと思います。読めないからこそ、読みたくなる。読書の魅力を言い当てた書名でもあるのではないでしょうか。
本は読めないものだから心配するな (ちくま文庫)2021/9/13管 啓次郎 (著)筑摩書房

御書印店:BOOKSあんとく やまが店 『Deep3』1巻
推薦書店:BOOKSあんとく やまが店(熊本県)
当店の推薦本は、当店所在地、熊本県山鹿市出身の漫画家、飛松良輔先生が描く、転落から這い上がる不屈のバスケドラマです。
Deep3 (1)2021/7/30水野 光博 (原著), 飛松 良輔 (イラスト)小学館

御書印店:310Books のおすすめ本 『作家の珈琲』
推薦書店:310Books(熊本県)
タイトルに惹かれ表紙を見ると、文豪っぽい人の満面の笑みとコーヒーカップ。どうやら松本清張のようです。当店は小さな村で小さな本屋カフェを営んでいます。この本の作家と珈琲はどれも憧れ。何度も眺めてはニヤニヤします。
作家の珈琲2015/6/24コロナブックス編集部 (編集)平凡社

東日本の店舗については、こちらの記事で紹介します。

関連記事:「人と書店を結ぶ印」銀座 蔦屋書店の御書印フェア/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第4回その1】東日本編
訪れるたびに違う楽しみがある。銀座 蔦屋書店の紹介
最後に、フェアを開催している銀座 蔦屋書店のご紹介です。
本を介して「アートがある生活」を提案する書店として、アートブックを中心に専門性の高い書籍を集約した書店です。書籍ゾーンのほか、イベントスペースやギャラリーも併設されており、書籍だけでなくアーティストの作品も販売にも力を入れています。
2023年3月末まで、開業5周年を記念した企画「GINZA 5th ART SELECTION」を展開中。展覧会企画メンバーが総勢60名を超えるアーティストをご紹介しオンラインで作品を販売するイベントを開催しています。
「御書印」フェアの開催期間は2023年4月12日(水)までの予定。ご来店の際はぜひ銀座 蔦屋書店の公式サイトや、公式Twitterで詳細をご覧ください。
昨年のフェアについては、こちらの記事で紹介しています。

関連記事:銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その1】北海道・東北編

関連記事:銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その2】関東編

関連記事:銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その3】中部・東海編

関連記事:銀座 蔦屋書店の御書印フェア/書店のフェアに会いに行こう【第1回その4】西日本編
ホンシェルジュ編集部