JR大沼駅の脱線事故から10年 データ改ざん失った信頼... JR北海道「安全に終わりはない」

JR大沼駅の脱線事故から10年 データ改ざん失った信頼... JR北海道「安全に終わりはない」

  • HTB北海道ニュース
  • 更新日:2023/09/19

JR大沼駅で貨物列車の脱線事故が起きてから10年。事故の後にはレール幅の改ざんも発覚しました。いまなお、JR北海道の安全対策の道は険しいままです。

JR北海道 綿貫泰之社長)

「鉄道の運営は安全保線なくして成り立ちません。これからも一丸となって安全な線路、そして安全な鉄道輸送を守っていきましょう」

19日、七飯町大沼地区で行われた勉強会。JR北海道の保線担当の社員らおよそ660人が参加しました。

JR北海道は毎年9月19日を「保線安全の日」とし、安全への意識を高めています。10年前の、あの事故を教訓に。

古川匡記者)

「貨物列車は発車直後に脱線しました。車両は右側に傾いています」

2013年9月19日、函館線の大沼駅で起きた貨物列車の脱線事故。この事故をきっかけに、レール幅の検査データの改ざんが発覚。鉄道の「安全」は根幹から揺るがされ、JRは道民からの「信頼」を失いました。

坂詰怜記者)

「こちらの大沼保線管理室でもデータの改ざんが行われました。事故から10年、JRは安全対策に力を入れてきました」

事故の後、レールの幅や歪みの数値を自動で記録する新たな機械を導入し、社員教育にも力を入れてきたというJR北海道。ただ、利便性は下がりました。

札幌・函館間の特急列車は10年前まで最高時速130キロで運転していましたが、現在は安全のため120キロに減速しています。これにより、所要時間の平均は3時間21分から3時間49分になりました。

特急北斗の利用者)

「移動時間がすごい長いなと思って。疲れました。安全のためなら仕方ないかなと思います」

また、安全を守る人材の確保も喫緊の課題です。

JR北海道では自己都合による退職者が年々増え、昨年度はじめて200人を超えました。設備保守などを行う部門が94人と4割を占めています。

JR保線社員)

「人手不足です。検査する項目が増えたり巡回の回数が増えたりそういうのがあって負担が増えています」

現場の負担が増えても安全重視の姿勢を崩すことはできません。

JR北海道 綿貫泰之社長)

「安全に終わりはありません。何の努力もせずに安全が保たれているわけではありません。努力して知恵を絞り作り上げていくということであります」

10年前の事故を教訓に安全と利便性をどう確保していくのか。

今も、JRには重い課題が立ちはだかっています。

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(c)HTB

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