照ノ富士、1日にも序二段転落から返り咲き場所V!朝乃山に“先輩大関”貫禄1敗死守/7月場所

照ノ富士、1日にも序二段転落から返り咲き場所V!朝乃山に“先輩大関”貫禄1敗死守/7月場所

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  • 更新日:2020/08/01

大相撲7月場所13日目(31日、両国国技館)元大関で幕内最下位(幕尻)となる東前頭17枚目の照ノ富士(28)が、1敗同士の対決で新大関朝乃山(26)を寄り切って単独首位に立った。14日目に照ノ富士が関脇正代(28)に勝ち、ただ一人2敗の朝乃山が照強(25)に敗れると、平成27年夏場所以来となる30場所ぶり2度目の優勝が決まる。幕内から序二段まで転落してから歴史的返り咲きを果たした場所で、いよいよ復活神話が完成する。

新大関の金看板にも、たじろぐことはない。照ノ富士にはかつて大関を14場所務めた男なりの自負がある。朝乃山を力強く寄り切っても、表情を大きく変えることはなかった。

「先に上手が取れてよかった。攻めることができた」

取組後、こう振り返ったが、実際は違う。それほど気が高ぶっていたということか。朝乃山とは互いに正攻法の四つ相撲。しかも右の相四つ。先に左上手を取ったほうが優位に立つ。立ち合い、上手をつかんだのは朝乃山だった。

すぐに圧力をかけ、左からすくったが、照ノ富士はその際に上手を切った。逆に自分が左上手を取って寄り返す。土俵際。下手投げでこらえる新大関を、元大関が上手を引きつけて寄り切った。

「相手も大関なので自分の形にもっていこうと…。やってきたことを信じてやるだけだった」

三段目付け出しデビューの朝乃山が番付を駆け上がる頃、照ノ富士は負傷した両膝の3度手術、糖尿病などの内臓疾患で大関から急降下。立場が逆転しての初顔合わせだった。幕内経験者として史上初めて、序二段まで落ちてから幕内へ返り咲く歴史的復帰を果たした場所で、12勝目。新旧大関による1敗同士のサバイバルを制し、きょうにも優勝が決まる。

両膝に大きなサポーターを巻きながら西序二段48枚目で本場所の土俵へ復帰したのは昨年春場所で、1年前の名古屋場所はまだ幕下だった。復帰から8場所で大関と対戦し、しかも撃破。「できればこういう結果にしたかった」と思い描いた復活ロードだ。

幕内後半戦の審判長を務めた照ノ富士の師匠、伊勢ケ浜審判部長(60)=元横綱旭富士=は「朝乃山に早く上手を取られたが、辛抱して前へ出た。(優勝の)可能性が出てきた」と認める。関脇だった平成27年春場所11日目。9勝1敗と快進撃をしていた照ノ富士は、平幕の魁聖に力なく寄り切られた。支度部屋で便意を催して下腹に力を入れることができなかった、と弁解した。それを聞いた師匠は「出せばいいんだよ。出しても勝つ方がいいだろ。根性がない」と一喝。発憤した翌場所、初優勝を果たして大関昇進を決めた。

土俵では、地位が相撲を取るわけではない。師弟にかよう“勝負哲学”が、復活神話のエピローグを飾る。(奥村展也)

データBOX

◎…照ノ富士は関脇時代の平成27年夏場所で初優勝。今場所で賜杯を抱けば30場所ぶりで、元関脇琴錦の「43場所」に次ぐ史上2番目のブランク記録となる。 ◎…元大関が平幕に落ちて優勝するのは昭和51年秋場所の魁傑(西前頭4枚目)以来、44年ぶり2人目。幕尻力士の優勝は今年初場所の徳勝龍(西前頭17枚目)以来、3人目となる。

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照ノ富士(右)は朝乃山を寄り切り、1敗をキープ。新旧大関対決を制し、復活優勝へ大きく前進した(撮影・佐藤徳昭)

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