菅義偉政権で“強権政治”から“恐怖政治”へ...富裕層は優遇され貧しい者はさらに貧しくなる!

菅義偉政権で“強権政治”から“恐怖政治”へ...富裕層は優遇され貧しい者はさらに貧しくなる!

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2020/09/15
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今週の注目記事・第1位「菅義偉『美談の裏側』集団就職はフェイクだった」(『週刊文春』9/17日号)「『菅総理』その金脈と人脈」(『週刊新潮』9/17日号)

同・第2位「『与野党伯仲』」のシナリオ-中村喜四郎『無敗の男』が新党合流で描く」(『AERA』9/21日号)

同・第3位「高松 2人娘をBMWに15時間“放置死”社長夫人・PTA役員の母(26)『ウソ人生』」(『週刊文春』9/17日号)

同・第4位「コロナ禍でも日本の『死者総数』は減っている!」(『週刊新潮』9/17日号)

同・第5位「『8割おじさん』西浦教授に直撃110分」(『週刊文春』9/17日号)

同・第6位「伊勢谷友介『奇行の現場』-華やかな女性遍歴を誇る人気俳優の素顔」(『フライデー』9/25日号)

同・第7位「『失策』トランプの勝算、『優勢』バイデンの誤算」(『ニューズウイーク日本版』9/15日号)

同・第8位「『安倍親衛隊』のセカンドキャリアは」(『週刊ポスト』9/18・25日号)

同・第9位「『半沢直樹』を10倍楽しむ7つの秘密」(『週刊文春』9/17日号)

同・第10位「<親日狩り>で死者に鞭打つ韓国『墓暴き』反日法制」(『週刊新潮』9/17日号)

さて、菅義偉が自民党総裁に選ばれ、総理になる。実に目出度い。

「強権政治」から「陰険・恐怖政治」の幕開けである。これについては後で触れる。

今週の最大の話題は大坂なおみである。日曜日には5時前に起きてWOWOWを見た。

1セット目は完敗した。だがそこからの逆転劇は感動的であった。

完調ではなかったのだろう。それに、1試合ごとに、理不尽に警察によって殺された黒人たちの名が書かれたマスクをして、黒人差別に抗議をするという“勇気”あるパフォーマンスで、心理的なプレッシャーもあったはずだ。

心無い人間からの嫌がらせもあったに違いない。そのすべてを乗り越え、全米オープンテニス2度目の優勝を勝ち取った。

決勝戦のマスクに書かれていたのはタミル・ライス。「2014年11月、オハイオ州の公園でおもちゃの銃で遊んでいたところ通報された、当時12歳の黒人少年。警官は、現場に到着後すぐに発砲。ライスさんは翌日に死亡が確認され、警官は不起訴になった」(朝日新聞DIGITAL 9月13日 7時00分より)

優勝インタビューで大坂は、「黒人差別についてみんなが考え、語り合うきかっけになるように」と答えたが、饒舌ではなかった。

本業以外に、こうした差別問題で発言するのを嫌がるバカな広告主がいるからではないか。

だが大坂よ、あなたはアスリートとしても超一流だが、人間としても一流の域に達した。

「〈アスリートと社会問題の歴史に詳しいグランドバレー州立大のルイス・ムーア准教授の話〉大坂選手が過去の犠牲者の名前に言及することで、人びとは彼らの事件について考えざるをえなくなる。マスクの着用は、テニスコートを社会的正義を守るグローバルなプラットフォームに変える。いまの大坂選手には、人びとの注目を引きつけるテニスの才能がある。それを生かし、人種差別に関する世界的な意識を高めているのは素晴らしい」(同)

大坂は日本国籍だ。こんな誇らしいことはない。

さて、まずはあまり誇らしくない隣国の話。

新潮の韓国嫌いは筋金入りだが、今週号で報じているような理不尽なことが行われるとすれば、新潮ならずとも、「韓国は何やっているんだ」と思わざるを得ない。

韓国では、破防法ならぬ「破墓法」を成立させようとしているというのだ。これは韓国ウオッチャーによると、

「戦前に『親日的』だった人物が国立墓地に眠ったままでは、『親日残滓の清算』が終わったことにはならないし、他の霊も安らかに眠れないという理屈なのですが……」

この法律の正式名称は「顕忠院親日派破墓法」という。その対象には韓国初代大統領の李承晩も入るというのである。

新潮によれば、文在寅大統領がこれの成立に熱心だというのだが、にわかには信じられない。

菅政権の喫緊の課題は、日米関係よりも日韓との関係修復であると思う。氾濫する嫌韓情報に惑わされず、早急に動くべきである。

お化けドラマ「半沢直樹」を10倍楽しむための秘密を開陳しているのは文春。

堺雅人は筆まめだという。恩師にもよく便りを出すらしい。

また堺は、西田幾多郎の『善の研究』を読んでいるそうだ。

「西田の一元論を芝居にも活かそうと心掛けているそうです。堺君は『上手くなることは危ない』という考えの持ち主。小手先で“上手く”演じるのではなく、その役の真理背景を徹底的に理解して演じる」(堺の恩師で若山牧水記念文学館の伊藤一彦館長)

こりゃ、ドラマを見るには哲学の勉強がいるようだ。

このドラマ、丸々通しで撮影されるため、役者たちの緊張感は大変なようだ。だがその中で、自在にアドリブを入れる香川照之は別格。

話題になった「後ずさり土下座」も、とっさのアドリブだったという。

柄本明演じる進政党幹事長のモデルは、JAL再建当時の小沢一郎だそうだ。

などなど、まだまだ「半沢直樹」、話題は尽きないようだ。

文春が、安倍政権時代に“権勢”を誇っていたNHKの岩田明子が干されていると報じている。

先週は現代の、NHKの岩田明子が以前ほど出番がないという話を紹介したが、文春によれば、8月28日に「安倍辞任」をスクープしたのも岩田だというが、その彼女がテレビから消えたというのである。

安倍の在職日数記録達成について報じた『ニュース7』『ニュースウオッチ9』でも岩田は不在だったし、首相辞任を特集した『NHKスペシャル』にもタッチしていなかったそうだ。

それは、今年1月に会長に就任した前田晃伸の“天の声”だといわれているという。前田会長が政治部出身の副会長に「強すぎる現場は困るんだ!」といって、岩田外しを示唆したというのである。

強すぎる現場という意味がよくわからないが、安倍も替わったんだから、人心一新ということか。

だが、ポストは、そうではない、アベと共に去りぬとはならないと報じている。

「第2次安倍政権の“親衛隊”とされたメディア人が、NHK政治部記者兼解説委員を務める岩田明子氏、産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏、テレビコメンテーターの田崎史郎氏の3人だ。

8月28日の辞任表明に関しては、岩田氏がNHKで他メディアに先駆けていち早くすっぱ抜くと、田崎氏は、首相会見前に辞任の可能性について『五分五分』とコメントしていたことについて、後日『7割8割以上の確信がないと5割って言えない』と得意気に解説してみせた。

一方、産経新聞の阿比留氏は、首相の辞任表明後、〈一つの幸福な時代が、終わりを告げた喪失感は否めない〉(29日付産経新聞)と複雑な心情を吐露している」(ポスト)

政治ジャーナリストの藤本順一は、3人は安泰だというのである。

「岩田さんは大学時代、行政機構研究会で勉強してきたため、行政を深く理解していて、政策にも明るい。だからこそ岩田さんは、安倍さん最大のブレーンとなったのです。政府の『日本の美』総合プロジェクト懇談会は彼女の発案で始まり、人選もしたと聞く。組閣に口を出していたという話もあります。

安倍さんとの関係のみが注目されがちですが、政治記者として圧倒的に優秀ですし、安倍路線を謳っている菅さんも好き嫌いはともかく彼女を重用し、官邸発のスクープを連発するでしょう」

阿比留については、

「右派論客のなかで“安倍擁護”の立場を確立してくれた阿比留さんの存在は、安倍さんにとっては心の安らぎになっている。もし今後産経を退職すれば、安倍さんが面倒を見るのでは。自民党の派閥トップと番記者は昔からそういう関係。退職したら政府系の公益法人やシンクタンクに“天下り”する道も考えられる」

では、テレビ界の“安倍応援団”田崎の行く末は。

「田崎さんはテレビでキャラを確立したから、安倍さんが辞めてもタレントとしての価値は残る。安倍さんと寿司に行ったことで『田崎スシロー』と呼ばれたように、テレビ的にはいじられキャラでウケればいい。官邸とのパイプが細っても、これからも〝政府の代弁者キャラ〟としての役割を担うするのではないか」

私は、岩田、阿比留はそうかもしれないが、これから安倍に対する批判、その後継の菅への批判が高まれば、一心同体だった田崎も、視聴者は目障りになるはずだ。

いい年をして「電波芸者」はみっともない。おやめなさい。

さて、11月の大統領選について。バイデン優勢、トランプ敗色濃厚という日本の見方は、どうやら違うようだ。

ニューズウイーク日本版で、ビル・パウエルは、新型コロナウイルス蔓延によって、唯一のウリだった好調な経済が打撃を受け、バイデンの支持率はトランプを圧倒していた。

警察官による黒人残虐死をきっかけに、警察の友人とみなされたトランプは、ますます支持が落ち込むかと思われた。

だが差別反対の運動が全国に広がると、抗議行動が略奪や警察署への放火を含む暴力的な騒乱となり、市民の間に不安が広がっていった。

トランプと彼寄りのメディアFOXニュースなどは、「法と秩序」を盾に激しい民主党批判を繰り出した。

また、この問題について語ろうとしないバイデンは、暴力を容認しているように見え始めたという。その結果、トランプとバイデンの差は、「統計的な誤差の範囲内」(パウエル)にまで縮まってきているそうだ。

パウエルではないが、コロナのために、投票の多くが郵送になる可能性もあるが、不正な投票や、投票に行けなくする方策など、トランプ陣営は様々な手を考えており、トランプ再選の可能性が高まってきているようだ。この大統領選、韓流ドラマよりも面白いかもしれない。

俳優であり実業家でもあった伊勢谷友介(44)が、大麻取締法違反容疑で逮捕された。

伊勢谷の自宅マンションから、乾燥大麻7.8gが発見された。それ以外に全部で20.3gもあり、本人以外にも誰かが吸っていたのではないかと見られているそうだ。

フライデーによると、取り調べには、「弁護士が来てからお話しする」と落ち着いていたという。伊勢谷の部屋には女性モノの生活用品があり、同棲していた形跡があったという。

また、全国紙社会部記者は、家宅捜索開始から逮捕まで1時間半しかかかっていないから、恋人など伊勢谷に近い人物の協力があったからではないかと見ている。

独身である伊勢谷の女性関係は派手だったようだ。フライデーによると、広末涼子、吉川ひなの、長澤まさみなどと浮名を流していたという。

女性の中には、彼は超ドSだという者もいて、伊勢谷の表と裏の顔が、これから明るみに出てきそうだ。

伊勢谷は東京藝大、それも現役合格。だが、当時からあまりカッコ良すぎて、こんなこともあったと、文春オンライン(9月12日)が報じている。

「女の子のあいだで、もちろん伊勢谷さんは人気でした。それで、ある時伊勢谷さんの一つ下の学年の女の子が勇気を振り絞って、伊勢谷さんに告白したんですよ。『付き合ってください』って。すると、伊勢谷さんは一瞬ぽかんとしたあと、ものすごく高飛車に、『バカかお前? なんで俺がお前と』って言われて断られてしまったんです。なにもそこまで言う必要ないじゃないって、仲間内では非難囂々。彼女はすごく傷ついたみたいでした。仲間内では仲良さそうによく大騒ぎしていましたけど、外から見ると、すごく傲慢で近づきにくい人だったのをよく覚えています」(一学年下のA子さん)

また、別のある同級生は『当時から、一部のグループが大麻をやっているのではないかという噂はあった。伊勢谷くんがやっていたかどうかは知らないけど、とにかく彼は良も悪くも話題の中心にいる人物でしたね』と語った。

あまりカッコ良すぎても、人間性に問題があり、大麻では、これからが大変だ。

さて、新型コロナウイルスもようやく峠を越えたのではないかと思わせる日々が続いているが、安心してはいけないと檄を飛ばすのは、お馴染み「8割おじさん」こと西浦博京大教授だ。

「いまは野球で例えるならば、二回表の新型コロナウイルスの攻撃が終わり、二回裏に入ったところです」

と、先はまだまだ遠いと宣うのだ。特に秋以降、インフルエンザが流行すると大変だそうだ。

「コロナとインフルエンザは発熱や咳、呼吸が苦しいなど初期症状が似ている。そのため、二つが同時に流行したら、どちらの初期症状かわからず、コロナ感染者を追跡することが困難になり、流行を制御するのに大きな影響が出ます」

仰ることはごもっともだが、そこを何とかするのが専門家ではないのか。

コロナの恐怖煽り派の筆頭は、西浦教授と、『モーニングショー』(テレ朝系)だとすれば、彼らを批判し、「冷静になれ」といい続けているのが新潮である。

小池都知事の強権的ないい方に異を唱え、『モーニングショー』のコメンテーターたちの恐怖を煽って視聴率を稼ぐやり方を批判してきた。

私も同感するところが多いが、今号では、コロナ禍でも、日本の「死者総数」は減っている、心配することはないと報じている。

たしかに、8月25日に発表された厚生労働省の「人口動態統計」によれば、今年の6月の死者数は、速報値で昨年同月より1931人減って10万423人である。

さらに緊急事態宣言が出されていた5月も、3878人減って10万8380人なのだ。

京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸教授は、

「多くの人が命を落とすような病気ではないと、この数字からも明確にわかります。(中略)総合的にみれば、新型コロナウイルスはインフルエンザより怖くないと思います」

肺炎球菌で亡くなる人が年間約2万人。入浴中に亡くなる人も約2万人いる。

それに比べれば、圧倒的に少ないのだから生活を元通りに戻せという新潮の主張は、性急だと思うが、こうした数字を含めて、政府や地方の首長たちが、行きあたりばったりではなく、国民に説得力のあるコロナ対策を今一度、検討、説明すべきだと思う。

ところで、ニュースを聞いていて、これほど腹が立ったことはなかった。飛んで行って母親をぶん殴ってやろうと思ったぐらいだ。

9月3日の午後12時半過ぎ、香川県高松市内の路上に停めてあった白色のBMWの車内から、6歳と3歳の姉妹が死亡しているのが発見された。

その日高松市内は観測史上最高となる37・6度を記録した。それなのに母親の竹内麻理亜(26)は、2人を車に置き去りにして、15時間もの間飲み歩いていたというのだ。

それも文春によると、3軒目では不倫相手と合流し、男の自宅へ行っていたというのだから、母親失格の前に人間失格である。

この母親、高校中退して、とび職をやっていた現在の夫と知り合い結婚。14年には土木建築会社を立ち上げ、業績を伸ばしていたそうだ。

着るものが派手になり、白のBMWを乗り回し、不倫に溺れ、子供2人を車に放置して死なせてしまった。亭主の心中いかばかりであろう。

さて、菅が総裁に選ばれ、16日には総理、さらに組閣である。

麻生太郎がいい回っているように、9月中の解散、10月の投開票もあり得るだろう。

安倍が辞任をしてから、安倍政権の支持率が大きく上がったと騒いでいるが、これは「辞めてよかった」という気持ちと、わずかな同情票があっただけだ。

安倍の丸写しの政権ができたことで、人心は離れる。

野党はだらしない、今更小沢一郎ではという声も聞く。

だが、今回はすごい助っ人がいるのをご存じないか。

中村喜四郎(71)である。

かつて自民党で建設相を務め将来の総理候補と期待されていた。だが、1994年にゼネコン汚職で逮捕されてしまう。

その後、自民党を離党して無所属で出馬し、連続14回当選。「無敗の男」といわれるくらい選挙に強い、選挙の神様である。

その中村が、枝野幸男(56)を代表とし、149人を要する野党第一党の立憲民主党に参加したのである。

26年ぶりの主要政党への復帰。中村はかつて、自民党総務局長として選挙実務も仕切ったことがある。その男が、今度は野党共闘の裏で汗をかくのだ。

二階幹事長や麻生太郎などとは一味も二味も違う、政界の裏を知り尽くし、選挙で勝つ術を知っている男が、菅自民党に立ちはだかる。

枝野には期待しないが、中村なら。どんな戦いをしてくれるか、今から楽しみだ。

中村がAERAでインタビューに答えている。

まず菅政権をどう見ているか。

「安倍政権の『負の遺産』も背負い込むことになる。今までは、安倍さんを神輿に乗せ、大参謀として指揮をとる凄腕の官房長官だった。

だから派閥も雪崩をうった。しかし、名宰相になるかと言えば、全く別問題。安倍政権では、最大派閥細田派が足もとを支え、二階俊博幹事長、麻生太郎副総理をはじめ各派閥の利害関係がそれなりに均衡を保ってきた。

しかし菅さんは無派閥。均衡が崩れたとき、誰が抑えますかね」

中村は選挙をやれば、票差はわずか9.8%だという。

「3年前は、野党が立憲民主党と希望の党に分かれたが、それでも289の小選挙区のうち59の選挙区で野党(系)候補が当選。

当時の希望と立憲、共産、社民4党の票を単純に合わせると、84の選挙区で、野党が自民・公明の与党を上回った。

今度の総選挙は、維新も与党入りする可能性があるので、3年前の比例票をこの3党で合わせると2892万票。一方で野党4党を合わせると2611万票。

その差はわずか281万票、9.8%の差しかない。共産党も合わせた4党で選挙をやると、全く違う構図が浮上する。

小選挙区で100議席をとり、比例区も合わせて200議席台にのせれば、全465議席の衆院の過半数が見えてくる。

共産党とこれからも共闘していけるのかという問いには、

「政権が射程に入ってきたら、憲法、外交、防衛問題などを突き詰めることになる。責任ある政権ができないとなれば分かれるしかないが、現段階で共産党を排除する理由は全くない」

与野党伯仲とはどういう状態なのかという問いに、

「伯仲になったら公文書の秘匿や偽造なんてできませんよ。河井前法相夫妻の1億5千万円の選挙資金の問題だって封印できない。

特定秘密保護法、共謀罪、集団的自衛権の解釈など、『1強』なら突破できた問題がすべて審議、調査のテーブルに載り、自浄能力が動き出す。

伯仲状態だったら、自民党は間違いなく石破さんを出した。そうでなければ、選挙を乗り切れない。菅さんのままいくというのは、国民の疑惑の目なんて気にすることはないという判断です。

やはり(与野党議席差は) 50ですね。委員長だって野党が4割くらいとりますよ。政権交代の可能性が出てくれば、役人だって『忖度』の必要性はなくなるでしょう」

私は、中村の戦略の中で一番すごいと思うのは、「どぶ板選挙」をやるということである。

「投票率を上げると同時に、野党の人たちが選挙民に飛び込む『どぶ板(選挙運動)』をやろうという狙いがある。選挙のやり方そのものを変える運動です」

「選挙は党がやるものという意識が強い。私たちの世代は、選挙は自分でやるもんだと思っていますが、この差が国民を向かない政治になり、『1強』を許しているんじゃないでしょうか。与野党共に」

中村の最後の賭けに乗ってみようと思っている。

末尾に構成「朝日新聞社 菅沼栄一郎」とある。昔、『ニュースステーション』の売れっ子キャスターになったが、スキャンダルで降板した記者である。懐かしいが、頑張っているようだ。

さあ、菅義偉が総裁に選ばれた。2位が岸田文雄、3位が石破茂だが、岸田と石破の差は、国会議員の数の差だけだ。

今週の第1位は、菅政権誕生の裏側を特集した記事に捧げる。

それほど菅義偉が自民党総裁、総理大臣に就任することがそれほど目出度いか。

プレジデント(10/2号)は「総理大臣『菅義偉』大解剖」という大特集を組んだ。「悩んで悩み抜いた わがリーダー論を明かそう」は、1年ほど前に菅から聞いた話の再録だが、ここは菅の「人生相談」まで連載している親・菅メディアの筆頭格である。

文藝春秋も同様だ。今月発売号で、また、菅の「我が政権構想」をやっている。現代では伊集院静が、連載の中で菅を取り上げ、菅の立候補の会見を見てこう思ったと書いている。「会見を聞いていて、もしこの人が宰相ならば、今、目の前にある諸問題への対処、対応に漏れも、穴もないのだろうと思った。おそらく今後、日々起きる諸問題に対しても、あざやかにこなすだろう」

「安倍の政策を継承する」としかいわなかった会見を見て、こう素直に思えるのは、以前から菅とつながりがあるのではないかと勘繰りたくなる。

ノンフィクション・ライターの森功が2016年に出した『総理の影 菅義偉の正体』(小学館ebooks)に、菅のメディア人脈についてこう書いている。

「新聞やテレビの政治記者はもとより、週刊誌や月刊誌の幹部やフリージャーナリストにいたるまで、菅の信奉者は少なくない」

あの冷酷な顔からは想像できないくらい、菅のメディア支配は広がっているようだ。

だが、なぜか菅の生い立ちや、どういう青年時代を送ったのかについては、圧倒的に情報量が少ない。文春ともあろうものがいまさら、菅の「集団就職」や「夜間大学」はフェイクだなどと、今週号で報じているくらいである。

森の本と、それより早くに出版されたノンフィクション・ライター松田賢弥の『影の権力者 内閣官房長官菅義偉』講談社+α文庫)にも、菅が秋田県の貧しい農家の出で、集団就職で東京に来て、法政大学の夜間を出た苦労人政治家というイメージが独り歩きしているが、それは全く違うと書いてある。

だが、日刊スポーツ(9月3日付)は「法政夜間部を卒業」と報じ、産経新聞(同)も、「出身地の秋田から集団就職で上京し、段ボール工場での勤務などを経て、小此木彦三郎元通産相の秘書や横浜市議を経た苦労人」と書いた。

メディア側の勉強不足ではあるが、菅も意識して、貧しい出の人間が努力して立身出世を遂げてきたという「人物像」をでっち上げてきたのだ。

新潮は、以前の菅のHPでは、「集団就職」としていたが、いつの間にか「家出同然で」と書き換えられていたと報じている。

実際、父親の和三郎とは折り合いが悪かったようではあるが、育ててもらった故郷や実家を貶め、貧しい、苦学生というイメージをつくり上げられては、父親としてはたまったものではなかっただろう。

父・和三郎には商才があったようだ。稲作農業だけでは生活が豊かにならないと、改良を重ねて「ニューワサ」というブランドいちごづくりを始めたという。

他の地域でも同じようにいちごを作り出すと、流通量の少ない時期を狙って出荷して、値段を確保したそうだ。その後、和三郎は、町会議員にもなっている。

村で高校へ行けるのは裕福な家の子どもだけだったから、菅は恵まれていたことは間違いない。

大学時代は、アルバイトをして学費を稼いだそうだが、一説には、親からの仕送りがあったという話もある。

卒業して一旦、企業に勤めるが、「この世の中は政治が動かしている」と思い立ち、法政のOB会へいって政治家を紹介してもらう。

菅が法政大学に入学したのは1979年。70年安保闘争や学生紛争が盛りであり、東大、早稲田と並んで、法政も拠点の一つだった。

空手に打ち込んでいたそうだが、まともな学生なら、世を震撼させている過激派学生たちが立ち向かっているのは「政治権力」であることが分からないはずはない。よほど鈍かったか、政治家秘書を就職先の一つと考えていたのではないか。

中村梅吉元衆院議長、小此木彦三郎衆院議員の秘書になり、市会議員を2期、その後、衆議院選に出馬して当選する。

菅が国会議員になって師と仰いだのは梶山静六である。竹下派七奉行の一人で“武闘派”といわれた。

長兄を戦争で亡くしているため、「再び戦争を繰り返してはいけない」と平和主義を信念としていた。

しかし、梶山を師とする菅は、松田賢弥にこういったそうだ。

「梶山さんと俺の違いはひとつあった。梶山さんは平和主義で『憲法改正』反対だった。そこが、俺とちがう」

私が菅という男を信用ならないと思うのは、梶山の一番大事にしていた信念を自分のものとせず、いとも簡単に捨て去って省みないからである。

文春、新潮も触れていない、菅家の過去がある。

戦中、父親の和三郎は一旗揚げようと、1941年に中国・満州へと渡っているのだ。国策として送り込まれた入植者約27万人、いわゆる「満蒙開拓団」の一人であった。

彼は「満鉄」に勤め、妻になる女性を呼び寄せ、2人の娘を授かる。

だが、敗戦の年の8月、不可侵条約を破って攻め込んできたソ連軍によって、和三郎の所属していた開拓団376人のうち273人が亡くなっている。そのほとんどが集団自決だったという。

命からがら逃げてきた和三郎一家は、故郷へ舞い戻るが、今でもこのあたりでは、その当時の悲劇を語ることはタブーになっているという。

義偉が生まれたのは父親たちが引き揚げて2年経ってからである。松田は本の中で、「雄勝郡開拓団の不幸な歴史については、(インタビューしたが=筆者注)菅は詳しく知らなかった」と書いている。

知らないわけはないと思う。満蒙開拓団の悲劇は、日本が中国を侵略したために起きたのである。両親と2人の姉が味わった地獄を知れば、安倍と組んで押し通した集団的自衛権行使容認など、憲法を蔑ろにして「戦争のできる国」にすることなどできるはずがないと思う。

話を文春、新潮に戻そう。文春によれば、菅の奥さんは真理子というそうだ。小此木事務所にいた時に知り合い、結婚したが、安倍昭恵とは正反対で表に出るのが苦手なタイプのようだ。

新潮で真理子の知人がこういっている。

「彼女は静岡県清水市出身で、実家は食料品の卸問屋を営んでいました」

彼女には離婚歴があり、菅とは再婚だという。

新潮はこれまでも菅のスキャンダルを何度か報じているが、今号では、菅を取り巻く怪人物たちに焦点を当てている。

1人は「スルガコーポレーション」をやっていた岩田一雄だという。岩田は小此木と深い付き合いがあり、そこから菅ともつながりができたようだ。

菅の代表を務める自民党支部が01年~07年にかけて計104万円の献金を受けていたが、その時期、経営が悪化した岩田が、立ち退き交渉が長引きそうな古いビルを激安で買い叩き、複雑な権利関係を解きほぐし、転売して莫大な利益を生むという事業をやっていた。その裏では山口組系の企業が強引に立ち退かせていたそうだ。

そういうヤバイ企業から献金をもらっていることが発覚し、「道義的責任から全額返金しています」と菅の事務所は新潮に対して答えている。

横浜のドンといわれる、「藤木企業」の藤木幸夫会長とも長い付き合いだが、横浜へのカジノ進出に藤木が反対してから、3年ほどすきま風が吹いていた。だが、ここへきて関係を修復したそうである。

パチンコ・パチスロ界のドンで政界のタニマチとしても知られる「セガサミーホールディングス」の里見治会長とも昵懇だという。

東京五輪を誘致する際、菅から、アフリカ人を買収するために4~5億円の工作資金がいると頼まれ、知人とカネを作ってあげたそうだ。

里見は、カジノ誘致に積極的だったので、安倍政権は「カジノ推進法」を成立させたのではないかと、新潮は見ているようだ。

清濁併せ飲むのが政治家ならば、菅は政治家としては王道を歩いているのかもしれない。だが、一歩間違えれば……。

菅政権というのは、日本人にとっては「厄災」になりそうだ。9月10日、テレビ東京の番組に出演して菅は、「消費税は将来的に10%より上げる必要がある」といった。

翌日、まずいと思ったのだろう、会見で、「消費税は今後10年ぐらい上げる必要はない」といい直した。だが、菅の腹は、自分の政権の間に消費税アップを考えていることは間違いあるまい。

菅の持論は「国の基本は『自助、共助、公助』。自分でできることはまずは自分でやってみる」(文藝春秋10月号)である。貧困も格差も自己責任、政府が対応するのは一番最後でいいという考え方である。

国民に負担を負わせることに躊躇はしない。何しろコロナ対策で、10万円給付、「Go To」キャンペーンで大盤振る舞いしたのだからと、取り戻すためには消費税も増税もやってくるに違いない。

スガノミクスは、安倍と同様、大企業、富裕層を優遇し、貧しい者をさらに貧しくするものになる。

私は、「強権政治」から「恐怖政治」への移行だと見ている。(文中敬称略)

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