モトグッツィ「V7スペシャル」は新型になっても濃厚な旧車感は健在!! シリーズ最高の運動性能

モトグッツィ「V7スペシャル」は新型になっても濃厚な旧車感は健在!! シリーズ最高の運動性能

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  • 更新日:2022/05/14

原点は、1977年に登場した「V50」と「V35」

排気量が744ccから853ccに拡大されたのに、どうして車名は「V7(ブイ・セブン)」のまま? 2021年にデビューした第4世代のV7に対して、そんな印象を抱いている人は少なくないかもしれません。その答えはおそらく、モトグッツィがV7という車名に強いこだわりを持っているからでしょう。

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モトグッツィ「V7 Special」(2021年型)に試乗する筆者(中村友彦) ※取材車両はリアラックやウインドスクリーンなどのアクセサリーが装着された状態

【画像】モトグッツィ「V7 Special」の詳細を見る(19枚)

そもそもの話をするなら、同社初の縦置き90度Vツイン車は1967年型のV7で、1970年代中盤までは数多くのモデルが、「V7 ●●●」という車名を使っていたのですから。

もっとも、現在のモトグッツィが販売している「V7」シリーズ、「V85 TT」、「V9ボバー」は、初代V7直系のモデルではありません。ルーツを遡って行くと、最終的に辿り着くのは1977年に登場した「V50」と「V35」で、その発展型として登場した650/750ccシリーズは、かつては「スモールツイン」、「スモールブロック」などと呼ばれていました。

現行V7の最大の特徴は、前述した853ccのエンジンです。既存のV85 TT用をベースに数多くの部品を専用設計した現行V7のパワーユニットは、先代に当たる「V7 III(ブイ・セブン・スリー)」に対して、最高出力が52psから65psに、最大トルクが60Nmから73Nmに向上し、3000rpmで最大トルクの80%を発揮します。そして心臓部の改革と歩調を合わせる形で、伝統のスチール製ダブルクレードルフレームは細部の見直しが図られ、スイングアームや前後ショックなどは新作になりました。

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モトグッツィ「V7 Special」(2021年型) ※アクセサリー装着車両

ちなみに、ひと目でわかる先代V7 IIIとの相違点は、前傾角が増したリアショックと、幅が130mmから150mmに拡大されたリアタイヤです。

現行V7には、キャストホイールを採用するベーシックモデルの「ストーン」と、ワイヤースポークホイールでクラシックテイストを強調した「スペシャル」の2種が存在します。ただし今後は、先代以前に存在した「レーサー」や「ラフ」が登場する可能性がありますし、数年前に純正カスタムとして設定された、「スクランブラー」の復活もあるかもしれません。

独特の鼓動感や挙動は、相変わらず

試乗を開始して5分ほどが経過した段階で、思わずニヤリ。最新のV7スペシャルを始めて体験した私(筆者:中村友彦)は、モトグッツィ製縦置きVツインならではのフィーリングが依然として健在という事実を認識して、何だか嬉しくなってしまいました。

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最新型となっても、モトグッツィ独特のフィーリングは健在

低中回転域の濃厚な鼓動感や、回転上昇に伴って徐々に収束する振動、スロットルを開けると車体が右に傾こうとする挙動は相変わらずですし、固定式ファイナルケース+シャフトドライブのクセと言われているテールの上下動、スロットルオンでテールが上がり、オフで下がるという特性にも変化はありません。

ただし当原稿を書くにあたって、ネットに掲載された同業者のインプレを読んでみたら、力強さと速さは誰もが高く評価しているのですが、先代V7 IIIとの比較では、洗練やスムーズという言葉が目立ち、味わいが薄まったという記述もありました。

私としてはむしろ、排出ガス規制への対応で徐々に失われた野性味を、排気量の拡大によって取り戻した……という気がしたのですが、乗り手によって見解が大きく異なるのも、モトグッツィの面白いところかもしれません。

さておき、高速域では抜群の直進安定性、ワインディングロードでは見た目を裏切る軽快さを満喫できるハンドリングも、既存のV7シリーズと同様です。ただし、リアサスペンションの改善によって乗り心地は明らかに良好になっていますし、車重が10kg増加した影響で、安定性と軽快感の比率は「5:5」から「6:4」くらいに変化しているように感じました。現状の比率は個人的には好みですが、スポーツ性を重視するライダーの場合は、スペシャルより装備車重が5kg軽い、218kgのストーンを選んだほうが良いでしょう。

素性が、本当にクラシック!

近年では世界中の多くのメーカーが、1960年から1970年前後の雰囲気を意識したネオクラシックモデルを販売してします。そんな中でV7シリーズの特徴は、前述したように1977年型V50とV35がルーツで、エンジンとフレームの基本構成が大きく変わっていないことです。逆に言うなら他メーカーのネオクラシックは、ジャンルが異なるモデルを旧車風に仕立てたり、ネオクラシックとして新規開発したりというケースが一般的ですが、V7シリーズの場合は、素性が“本当に”クラシックなのです。

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モトグッツィ「V7 Special」(2021年型) ※アクセサリー装着車両

と言っても、このシリーズがネオクラシック路線に舵を切ったのは2008年からで、それ以前に発売されていた「ブレヴァ」や「ネバダ」、「V75」などは、昔ながらの雰囲気を感じるモデルではありませんでした。

そしてエンジンに関しては、2018年型V85 TT、2021年型V7で大改革が行なわれています。つまり基本構成が大きく変わっていなくても、堅実な進化は実現しているのですが、ひとつの系統で45年もの長きに渡って熟成が続いて来たという事実は、個人的には非常に価値があることだと思います。

さて、今回は変わらないことを強調してしまいましたが、この原稿をもしモトグッツィの開発陣が読んだら、気分を悪くするかもしれません。何と言っても現行V7は、スモールブロック系のベーシックモデルでは、史上最高の運動性と快適性を獲得しているのですから。

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モトグッツィ「V7スペシャル」(2021年型)の価格(消費税10%込み)は132万円です。 ※取材車両に装着されたアクセサリー除く

中村友彦

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