リボ払いにカードローンの激甘審査。返済能力以上の借金を負わせる制度は異常だ

リボ払いにカードローンの激甘審査。返済能力以上の借金を負わせる制度は異常だ

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  • 更新日:2017/09/17

「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます。

第一回:増える「贅沢していないのに借金をする」人。今や貧困は全世代の課題だ

各ライフステージで積み重なる借金 そのワケとは?

シズカ…「借金問題」について、前回は、「物価は高いままなのに賃金が減ったせいで、借金する人が増えている」ということを、藤田先生に教えてもらったね。

トオル…普通の金銭感覚の人でも、生活のために借金をせざるをえない社会というのは、なかなかハードモードだよね。

藤田…暗い話になってしまいましたが、10代の若年者から高齢者まで「死ぬまで何かしら借金をして穴埋めしないと生活が苦しい」という人が増えているのが現実です。

シズカ…ライフステージ全体を見た時に、学費や住宅費や医療費など、各年代で借金をする理由は違うけど、それらを返済する間もなく、借金というのはどんどん重なっていくものなのかしら。

藤田…そうですね。若い頃に奨学金なり学生ローンなり借金をして、さらに社会人となったあとも、車や住宅ローンなど借金をする。それが膨らんでいく、という構造があります。

トオル…でも、高度経済成長ぐらいから車とかマイホームのローンなんかは当たり前のことでしたよね。僕の両親も祖父母もローンを組んで家を建てているし。

藤田…日本の景気が良かった時代はそれでも大丈夫だったんです。もともと、日本の終身雇用制度では、20代から40代まで給料が低くて当たり前。そのため、車にしてもマイホームにしても、借金をしないと手に入れられなかった。それでも、頑張って同じ会社で働き続ければ、50歳を過ぎたあたりから待遇がぐっと上がって、それなりの退職金も得られた時代がありました。借金をしても返せる見通しがあったんです。1990年に連載が始まった『クレヨンしんちゃん』が、80年代後半から90年代の家庭のいい例でしょう。

シズカ…そういえば、お母さんのみさえは29歳で専業主婦、お父さんのヒロシがサラリーマンで一家の大黒柱で、埼玉の春日部に2階建てのマイホームをローンで建てているし、おまけにマイカーも持っていて、犬まで飼ってるわ!

トオル…お父さんのヒロシは35歳の設定だったけど、かなりのスペックだよね。

藤田…クレヨンしんちゃんを現代版にすると、みさえはパートに出ないといけないし、しんちゃんも今後奨学金で大学に行くことになるでしょう。今は年功序列制が崩壊し、賃金そのものが低くなっていますから、ヒロシは50代になってもローンを返せるとは限りません。

シズカ…昔も借金そのものは珍しいことではなかったけど、順調に返せることが前提だったんですね。今はそのあてがなくて、借金自体がどんどん膨れ上がる家庭が増えている。

トオル…なんだか世知辛いな…。

藤田…日本の社会は、個人に自立を強いる仕組みになっています。生きるのに必要なライフラインもすべて給与や貯蓄で賄うような仕組みになっていて、もしそれができなかったら家族が負担する。しかし、すでに賃金そのものが低くなっているため、以前の家族制度も機能せず、家族それぞれを養いきれなくて苦しんでいる。それにも関わらず、借金しなくても済むように家計を補助する社会保障制度や社会手当は旧来のままです。

シズカ...その歪みが「借金問題」として表面化しているのね。

カードローンの落とし穴は返済能力以上の借金ができること

藤田…加えて、クレジットやカードローンなど、“貸し手側”の仕組みにも、ある意味“問題”があるのです。

トオル...えっ! そうなんですか。具体的にはどんな問題が…?

藤田…ひとつは“利息”の高さですね。カードローンやリボ払い、消費者金融などの利率の上限は18%。もしその条件で100万円借りたら、返済額は最大で1年後に118万円にもなってしまいます。

シズカ…生活が苦しくて借金をする人が多い中で、高い利息はかなりの負担になりそうね。

藤田…そうですね。今借金で首が回らなくなっている人も、最初から高額を借りているわけはありません。冠婚葬祭で出費がかさんだり、高齢者なら医療費の負担が厳しくなったりと、急な出費があった時に数万円足りなくなって、3万~5万ほど借り入れるわけです。しかし、一般的には、借り入れが少額であるほど利率は高くなってしまう。

トオル…ただでさえギリギリの生活を強いられているのに、翌月に数万円も引き落とされるのはつらいなあ。

藤田…ですから、家計のためにまた次の借金をせざるを得ません。そうしてだんだん借入額が膨らんでいき、利息を返すだけで精一杯。元金が減らず、ずっと返済に追われ続けるパターンも珍しくありません。

シズカ…でも、生きている間ずっとクレジットやカードローンで足りない分を補填し続けるわけにはいかないものね。

トオル...返済が終わらず、カードや消費者金融で借金を重ね続けるとどうなるの?

藤田…お金を借りられるうちはまだいいのですが、そのまま負債を積み上げて、限度額一杯になってしまったら、カードが使えなくなってしまいます。私のところに相談にいらっしゃる方でも、カードが限度額に達し、生活が立ち行かなくなって初めて自分の置かれている状況が分かる、という人が後を絶ちません。

トオル…そういえば僕もリボ払いでいろいろ買ったけど、あといくら返せばいいのか分からないかも。

シズカ…だから考えなしにどんどん使っちゃマズいって言ったじゃない!

トオル…厳しいなぁ。考えなしってほどじゃないけど、どんなに借りても返済額は毎月変わらないわけだから、どれだけ借りたのかはなかなか分かりにくいよね。

藤田…利用者がきちんとリテラシーを持つことも大切です。でも、リボ払いのように、利用状況が把握しにくい制度がまかり通っているのも、借金問題を深刻化させているもうひとつの原因でしょう。

シズカ…返済能力を上回る額を借りると、あとで困ることは目に見えているのに。カードのショッピング枠なんかは、その人の収入に応じた限度額に設定されるものじゃないの?

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藤田…一応、総量規制といって、原則として年収等の3分の1までしか、お金を借りることができない仕組みがあります。だから、収入が低い人は、限度額もそこまで上げられない決まりになっていますが、それでもカード発行会社の審査はまだまだ甘いと感じます。除外、例外の項目も多く、規制が緩いと思います。職に就いていない高齢者に対しても、年金収入があれば貸し付け可能なところもザラ。カードローンやクレジットの落とし穴は、自分で返済できるライン以上の金額を借りることができる点にあります。

シズカ…それで自転車操業となっても、ローン業者にとっては18%の利息を払い続けている利用者が優良顧客になるのね。

藤田…その通りです。返済の見通しが立っていないにも関わらず、学生のうちから簡単に高額のお金を借りることができる「奨学金」も、ある意味似たような構造ですね。

シズカ…賃金の落ち込みや雇用制度の変化で生活のために借金をせざるを得ない人が増えていて、その上、貸付側も借金を重ねやすいシステムになっているのね。

トオル…トオル...なんだか足元を見られている気がするような…。

第三回:「自己責任論」は不寛容? 借金問題は社会全体で解決すべき〉に続く

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