科学写真コンテストで最優秀賞に選ばれた作品は「磁場に閉じ込められた1個の原子」の写真

科学写真コンテストで最優秀賞に選ばれた作品は「磁場に閉じ込められた1個の原子」の写真

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  • 更新日:2018/02/13
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イギリスの工学・物理科学研究評議会(Engineering and Physical Sciences Research Council:EPSRC)が主催する科学写真コンテストの「Equipment & Facilities」部門で1位に輝いたのは、なんと目に見えないはずの原子を目に見える形で写真に収めた「Single Atom in an Ion Trap」(イオントラップに捉えられた1つの原子)という作品でした。

Single Trapped Atom Captures Science Photography Competition's top prize - EPSRC website

https://www.epsrc.ac.uk/newsevents/news/single-trapped-atom-captures-science-photography-competitions-top-prize/

Picture of a Single Atom Wins Science Photo Contest

https://petapixel.com/2018/02/12/picture-single-atom-wins-science-photo-contest/

この作品を撮影したのは、オックスフォード大学に在籍するDavid Nadlinger氏です。作品では、電場や磁場を組み合わせて荷電粒子を捕捉するイオントラップと呼ばれる装置の中でストロンチウムの原子がごく小さく光っている様子が収められています。

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ストロンチウムの原子は、正電荷を帯びた状態でレーザー冷却によって絶対零度に近い状態にまで冷却され、隙間わずか2mmという2本の針の隙間に作られたイオントラップの磁場の中に閉じ込められています。そこに青紫色のレーザー光を照射すると原子がエネルギーを吸収し、光として再放出します。その瞬間を、デジタル一眼レフカメラ「Canon 5D Mark II」と「Canon EF 50mm f/1.8」を使って長時間露光で撮影したのが、この写真です。

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つまり、本来は原子は小さすぎて肉眼や通常のカメラで見ることができませんが、特殊な方法で原子を固定して光を放出させることで、目に見える形でその存在を証明したのがこの作品であるというわけです。原子を固定する技術は、今後の実現が期待されている「量子コンピューター」の大きな課題であるノイズの問題を解消するために、原子を積み重ねて「壁」を作るための方法として活用が期待されるとのことです。

この作品は、写真コンテストのうち「Equipment & Facilities」(機器および施設)部門のものでしたが、これ以外にも「Eureka & Discovery」「People & Skills」「Innovation」「Weird & Wonderful」の合計4つの部門で受賞作品が発表されています。それぞれの作品の最優秀賞は以下のとおりです。

◆Eureka & Discovery(エウレカおよび発見)部門:「In a kitchen far far away...」(はるかかなたのキッチンで……)

キッチンシンクの中にできた球状の石けんの泡の上に生じたパターンを撮影したもの。写真に写る2つ色の部分は、潤滑剤および飲料のような物質の中で泡がどのように形成され、挙動するかの物理現象が示されています。なお、作品名は映画「スター・ウォーズ」シリーズの冒頭に出てくる「a long time ago in a galaxy far, far away...(遠い昔、はるかかなたの銀河系で……)」をひねっています。

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◆Innovation(イノベーション)部門:「Microbubble for drug delivery」(薬剤を輸送するための微小気泡)

薬物を含むナノサイズのリポソームでコーティングされたミクロンサイズの気泡。 治療用途のための微小気泡の活用を探索し、腫瘍などの疾患標的への薬剤の送達を改善するもの。

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◆People & Skills(人々および技能)部門:「Spiderman on George IV Bridge: EEG testing with an older volunteer on a busy Edinburgh street」(ジョージ IV橋でのスパイダーマン:エジンバラ通りでEEGのテストを行う年配のボランティア)

スコットランドの首都エジンバラ市街地にあるジョージIV橋で、脳活動を記録する脳波記録(EEG)ヘッドセットを着用して歩くボランティア男性。 研究者は、忙しい道路から静かな公園まで、さまざまな屋外の都市環境への高齢者の神経反応を測定するためにEEGを使用しています。

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◆Weird & Wonderful(風変わりおよび素晴らしいもの)部門:「Natures Nanosized Net for Capturing Colour」(色を生み出すために自然が作ったナノサイズの網)

蝶の羽にある、太陽の光線を捕らえて眩しい色の配列を生み出すナノサイズの構造物。

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