
◆大相撲 ▽夏場所13日目(26日、東京・両国国技館)
関脇・霧馬山(陸奥)が11勝目で大関昇進へまた一歩前進した。6連勝でトップと1差の2敗を守った。東前頭11枚目の北青鵬(宮城野)との立ち合いから右四つ、左前まわしをとって、優位な体勢を作った。関取最長身204センチの相手にのしかかられ、攻めあぐねたが「長い相撲になると思っていた」と想定済みだった。機をみた外掛けで転がした。「我慢してやらせないようにした」と笑み。幕内2場所目の新鋭との初顔合わせで三役の意地をみせた。
前日12日目に関脇・豊昇龍(立浪)が低い位置から攻めて、北青鵬を送り出した。同じ番付のライバルの戦いは規格外の男を倒す秘訣が詰まっていた。師匠の陸奥親方(元大関・霧島)からも進言され、「朝、動画をみた」。実際組んでみたところ、「思ったよりちょっと重かった」と苦笑したが、三役の力をみせつけた。
14日目は1敗で単独トップの横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)と直接対決する。負ければ目の前で優勝をさらわれる。過去9戦全敗と相性は悪いが「準備して自分の相撲で攻めていきたい」と引くつもりはない。先月の春巡業では何度も指導を受け、手さばきなどを学んだ。昨年秋場所以来の対戦での“恩返し”に燃えていた。
大関昇進の目安とされる「三役で直近3場所合計33勝」に加えまた1つ白星を重ねた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「前半は左に変化するなどあったが、よくなってきている」と強さを認めた。胸に秘めるは先場所に続く逆転優勝の再現。賜杯を抱き、昇進に花を添える。