新型コロナの本当の感染率と有効な対策について、みえてきたこと

新型コロナの本当の感染率と有効な対策について、みえてきたこと

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/08/03
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新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて以来、どれだけの人がこのウイルスに感染したのかという疑問に答えを出すことは、依然として難しい問題になっている。公式の感染者数は、実際に感染した人の数の氷山の一角にすぎないだろう。

スペインでは調査の結果、人口のおよそ5%にあたる約230万人が感染していたとみられることが分かった。有病率は職業と年齢によって異なり、医療従事者では10%、子供で3〜4%と推計されている。この結果が示すのは、実際の感染者は公式に発表されている数(約25万人)の10倍に近い可能性があるということだ。

米国医師会雑誌(JAMA)に7月中に掲載された2本の論文もまた、スペインでの調査と同様の結果を報告している。米国内の10カ所で行われた調査によれば、血清有病率は平均およそ10%。人口が約3億3000万人であることから、感染者は3300万人近いと推定できる。

本稿事執筆の時点での米国内の感染者は、400万を少し下回る数だった。つまり、この時点ではスペインと同じように、実際の感染者は確認されている人数の10倍に近かったとみることができる。

警戒心が足りない?
それほど多くの人が感染し、さらにほかの人にも感染を広げているとすれば、その影響は甚大だ。幼い子供でも80歳以上の高齢者でも、年齢にかかわらず無症状の感染者たちが、私たちが思う以上に急速に、重症化リスクや死亡リスクが高い人にまで感染を拡大させている可能性が高いということになる。

私たちは自分がいる”バブル”(同一世帯で暮らす人など特定の人たちを包む”泡”)の外にいる人はすべて感染しているものとみなし、それに応じた行動を取る必要があるということだ。

当然ながらこのことは、引き続きソーシャルディスタンスを取ること、社会的活動・仕事に関連した行動を幅広く制限することが妥当だとする見解を正当化するものとなる。

また、10%という感染率は、集団免疫の獲得にいまだに希望を抱いている人たちに大きな問題を突き付けるものでもある。

集団免疫ができるには、人口の60~70%が免疫を持たなければならないということだとされる。JAMAで発表されたもう一つの論文は、スペインと米国で推定される10%の感染率では、それを大幅に下回ることになると指摘している。

重視すべき対策とは
これらの論文に示される調査結果によれば、新型コロナウイルスの有病率には都市間だけでなく、一都市の内部においてもばらつきがある。おそらく驚くべきことではないが、それは一つの都市のなかでも地域によって、平均所得や住民が従事する職業の違いがあるためだと考えられる。

社会的不平等と新型コロナウイルスへの感染リスクの程度については、すでにいくつかのデータが発表されており、所得水準が低いほど感染率が高いことが分かっている。それは、低収入のサービス業に従事する人は多くの場合、高収入の人たちには避けることが可能なリスクを冒し、働き続けなければならないためだ。

このパンデミック(世界的な大流行)を食い止めるためには、こうした低所得の人たちの間における感染拡大の抑制に一層力を入れる必要がある。当初は感染を抑え込むことに成功していたシンガポールでは、外国人労働者が暮らしていた寮での対策を怠った結果、感染する居住者が急増。国全体に感染が広がった。

コミュニティーに新型コロナウイルスが存在する限り、あらゆる人に感染のリスクがある。実際にどれだけの感染者数がいるかにかかわらず、感染すれば最も深刻な打撃を受ける低所得層や周縁化された人たちを対象に、対策を強化することが重要だ。

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