
"NHK杯テレビ将棋トーナメントで優勝した藤井聡太竜王=NHK提供"
将棋の藤井聡太竜王(20)=王位・叡王・王将・棋聖と合わせ五冠=が19日午前に放送された第72回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝戦で佐々木勇気八段(28)に勝って初優勝を飾り、史上初の一般4棋戦独占制覇を達成した。
公式戦には全八冠のタイトル戦、四つの一般棋戦、三つの若手棋戦(四~六段などが対象)の計15棋戦がある。今期の藤井竜王は、一般棋戦の朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)、銀河戦、将棋日本シリーズを既に制しており、NHK杯優勝により年度内4棋戦の全てで頂点に立った。
2011年度に羽生善治九段(52)が一般3棋戦で優勝した例はあるが、同じ年度に全4棋戦を制するのは07年に現行の4棋戦体制になってからは初の快挙となる。
一般棋戦の特徴は、持ち時間の短い「早指し」であること。タイトル戦では名人戦七番勝負の各9時間を筆頭に長い持ち時間が設定されているが、一般棋戦では各10~40分しかない。長考を好む藤井竜王はデビュー以降、八タイトル戦と比べて一般棋戦で勝率を落とす傾向があり、特にNHK杯は昨期まで通算4勝5敗と苦戦してきた。