コロナ感染者利用で店名公表「目的は正当」 ラーメン店側の請求棄却

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2023/01/25

新型コロナウイルスの感染者が立ち寄ったラーメン店の名前を徳島県が公表したことの是非が争われた訴訟の判決が25日、徳島地裁であった。島戸真裁判長は、2020年7月当時、全国で感染者が急増していた状況などを踏まえ「公表の目的は正当で、必要性や緊急性もあった」とし、県に損害賠償を求めたラーメン店側の請求を棄却した。

県は20年7月、ラーメン店「王王軒(わんわんけん)本店」(徳島県藍住町)で飲食した客1人の感染が判明したとして、感染症法に基づいて店名を公表した。同店などの運営会社2社は「店名を公表され、店の信用が侵害された」などとして21年2月、県に計1100万円の損害賠償を求めて提訴した。

判決は、感染者はほぼ満席の店内でマスクをせずに会話をしていたとし、居合わせた不特定多数の客に注意を喚起するために店名を公表したことは、感染症法の趣旨に沿うと指摘。当時、県内での感染の連鎖を止め、収束を図ることが急務だったとし、公表の方法も相当だったとした。

判決後、運営会社の近藤純社長(50)は「田舎の小さな飲食店にとって店名公表は残酷だ」と話し、控訴を検討するとした。

県側は「これまでの主張が認められたものと考えている。引き続き関係法令に基づき、感染症対策にしっかりと取り組む」とコメントした。

王王軒本店は1998年5月に創業。甘辛く煮た豚バラ肉などを添えたご当地ラーメン「徳島ラーメン」の人気店として知られる。(吉田博行)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加