
パンフレットを持つ村田邦子二宮町長
二宮町で高齢者に限らず、介護や子育ての困りごとなどを相談できる「ゆるやかな見守り」事業が始まっている。町では、5月25日からパンフレットを全戸配布するなどして町民への周知を進めている。
今回の見守りの対象者は困っているすべての人。町民同士で互いを気にかける雰囲気をつくることで、町民の孤立を防ぎ、町が開設する相談窓口等の活用を促して、早期支援につなげることがねらいだ。また、二宮町は町民同士で互いに顔の見える関係を築くことで、災害時に避難支援が必要な町民の早期発見・対応につなげられるのではと期待する。
2020年の国勢調査によると二宮町は65歳以上の割合が35・4%で、県平均の25・6%と比較して約10ポイント高くなっている。これまでも、町では高齢者への見守り事業に力を入れてきたが、働く世代や若い世代にも福祉の支援が必要なケースがあることから、より多様なかたちで町民を支援できるように「ゆるやかな見守り」を開始した。
町担当課は「高齢者とひとくくりにいっても、地域活動などに活発な元気な80代の方もいらっしゃる。困っている方に気づくためには介護や子育てなど福祉に関する悩み事の総合的な窓口を設ける必要がある」と話す。
「ゆるやかな見守り」として、見守られる対象者を広げたことで例えば、子育てと親の介護を担っている「ダブルケア」といったことも支援につなげたいとしている。困っている人に気づくためには、近所の人にあいさつしたり、ちょっとした会話を交わしたりする関係を互いに築くことが大事だと町担当課は呼びかける。また、プライバシーへの配慮も大切だといい、近所の人を見守るつもりでも、踏み込んだ内容を細かく聞くなど「監視されている」と感じさせないよう注意が必要。
「誰が困るかは分からないので、孤立して深刻なケースに陥らないためにも、この事業を続けていきたい。町民にとって住みやすい地域になれば」と町担当課は話していた。
高齢者の相談窓口は地域包括支援センターなのはな【電話】0463・71・7085。福祉全般については「ことわらない相談窓口」【電話】0463・75・9542。
タウンニュース大磯・二宮・中井版