【サッカー日本代表ワールドカップ最終予選】「田中碧のシュートは『パス』であり『技術』」「ゴールの伏線はブンデス2部の試合にあった」【オーストラリア戦の激論】(1)

【サッカー日本代表ワールドカップ最終予選】「田中碧のシュートは『パス』であり『技術』」「ゴールの伏線はブンデス2部の試合にあった」【オーストラリア戦の激論】(1)

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  • 更新日:2021/10/15
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田中碧のシュートには、見事な要素がいくつも詰まっていた 写真:中地拓也

サッカー日本代表は10月12日、埼玉スタジアムでオーストラリア代表とワールドカップ最終予選を戦い、2-1で勝利した。
すでに監督交代の可能性もささやかれる窮地にいただけに、大きな1勝だった。このゲームの意味、そして今後の展望を、取材歴50年を超える大住良之、後藤健生という2人のベテランサッカージャーナリストが深夜に、深く熱く、語り合った。

――厳しい状況でのエキサイティングな試合でした。

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大住「だんだん良くなってきましたね。森保JAPANの一番良い頃の80%くらいまで来たかな」

後藤「大住さんが指す一番良い時って、いつですか?」

大住「アジアカップのイラン戦かな。アジアカップは全体的には良くなかったけど、イラン戦だけはすごく良かった。2018年の秋の時期も良かったし、あの頃のスピード感が少し戻ってきた感じがした」

後藤「久々にちゃんとした相手と試合をして、久しぶりに面白い試合になりましたね。相手が弱いと、いくら勝っても面白くないし、親善試合はしょせん親善試合だし。ただ、つまらなくてもいいから、もっと楽に勝ってほしかったというのが本音かな」

大住「前半のうちに2点目を取らないといけない試合だったよね。チャンスはあったんだから。特に大きかったのは…」

後藤「大迫勇也は2試合続けて決定機を逃しちゃったね」

大住「今日はGKのタイミングを外して蹴ったと思ったら、タイミングじゃなくて枠を外していたね。まあ、シュートって難しいんだよ」

■柴崎とは違う田中のパス

後藤「サッカーにおけるシュートというのは特別な技術ですからね」

大住「ただの技術じゃないからね。でも、田中碧のシュートは“技術”だったね」

後藤「本当に落ち着いて、あのコースに乗せたよね。(2018年ワールドカップ)ベルギー戦の原口元気のゴールのように」

大住「あれよりも『技術』だったと思うよ。というのは、田中って中盤から縦にスパッと入れるパスが得意でしょう。まさに同じような蹴り方だったんだよね。正確にあそこに『送り込んだ』という感じで。縦パスは、ああいう強いインサイドのキックで蹴るからね。田中は小さい振りで、すごく速いボールを正確に足元に入れるんだよね」

後藤「柴崎岳のパスは、ためておいて、本当に正確に転がすようなパスだけど、田中のパスはピッと入るんだよね。その技術をシュートにも使えるようになっている」

大住「あれは本当にシュートじゃなくてパスだった。シュートを打つ時はGKもDFも寄せてくるし、後ろから来る足音も聞こえて、力が入って硬くなるけど、あそこでパスと同じプレーができるというのは、田中のすごい才能だよね」

後藤「これだけチームが批判されて、監督交代も取りざたされている状況で、代表経験のない選手が落ち着いて蹴ったというのは大したものです」

■1点目の基をつくった伊東

大住「運もあったとは思う。南野拓実が左からボールを入れた時に、オーストラリアの22番(ジャクソン・アーバイン)が出した足が少し触って、コースが微妙に変わったんだよ。それでオーストラリアの16番(アジズ・ベヒッチ)が取り切れず、田中に渡った」

後藤「ベヒッチがあそこで足を出さずに田中の前でコースをふさぐという選択をしたら、ああはならなかった。ゴールには運も必要だね」

大住「田中については、あそこでボールを止められても、決められないことがほとんどですよ」

後藤「この間のブンデスリーガ2部のパーダーボルン戦で、今回と同じあたりのポジションに飛び込んでいった場面があったんですよ。フリーで、ヘディングもできそうだったのでどうしようかと迷ってしまい、結局蹴ったらゴールに飛ばなかった。地面叩いて悔しがっていましたよ。あの時の悔しさが効いたのかもね」

大住「あの1点目の基をつくったのは、伊東純也だと思うんだよね。相手がGKにバックパスしたら、かなり遠くからものすごいダッシュをしてGKにプレッシャーをかけた。GKがここしかないというところに蹴ったところに、2、3人がかりで奪ったところからプレーがつながった」

後藤「奪いに行ったのが遠藤航守田英正だよね。あの2人が行けば良いプレッシャーがかかる」

大住「守田が流れたところに遠藤からパスが出て、守田のパスもすごく良かった。内側の南野へのパス。最初のプレスには南野も絡んでいた」

後藤「パスを出した南野も、あそこでよくタメをつくったし。そういう良いプレーがいくつも重なった上に、オーストラリアのDFに少しボールが当たるという幸運も重なっての、田中のゴールでした」

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