
優勝へのマジックを「2」とし、東(中央)はナインと笑顔でタッチを交わす
「オリックス・バファローズ3-2千葉ロッテマリーンズ」(19日、京セラドーム大阪)
七回を危なげなく投げ切ると、ポンッとグラブをたたいた。オリックス・東晃平投手(23)が7回5安打1失点で今季6勝目。昨季のデビューから無傷の7連勝となり、球団新記録を樹立した。「そういったところに名前が載るというのはうれしいです」。もう陰の立役者ではない。3連覇へ、堂々と主役級の快投を披露した。
初回1死から藤岡を自己最速の155キロで見逃し三振。三回に1点こそ失ったが、五回2死満塁では山口を左飛。大きな飛球だったが「バットの音もおかしかったですし、打球もフワフワって感じやったんで」。確かな手応えでアウトにした。
七回にも154キロを計測。入団時の球速は140キロ台前半だった。「こんなに出るとは思わなかったです」。1日6食の食事やウエートトレーニングなどで、体重も70キロから90キロまで増量。課題だった体力も備わり、見違える投手になった。
1957年から58年の阪急・西田を抜き、球団史上初のデビューから7連勝。全て先発での白星は1942年の巨人・藤本以来、81年ぶりで3人目の大記録にもなった。
昨季のリーグ優勝は寮にいた。育成から支配下となったが、悔しさが込み上げてきた。今季は実力を示して、1軍にいる。「すごくうれしいです。うん、うれしいです」。かみしめるように、2度も喜びの声を上げた。
ついに優勝マジックは2。中嶋監督が初めて本拠地のファンの前で宙に舞う瞬間が訪れる。20日のチケットはすでに完売。「本当にここまで来た。しっかり勝って決めたい」と指揮官も誓った。歓喜の胴上げから、ビールかけへ。最高の一日が始まろうとしている。
◆東 晃平(あずま・こうへい)1999年12月14日生まれ、23歳。兵庫県小野市出身。178センチ、90キロ。右投げ右打ち。投手。神戸弘陵から2017年度育成ドラフト2位で入団。22年7月に支配下選手登録。同年7月30日・ロッテ戦(ゾゾ)でプロ初登板初先発を果たした。