BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の中国3社が自動車金融市場の支配目指す

BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の中国3社が自動車金融市場の支配目指す

  • ZUU online
  • 更新日:2017/08/10

百度(バイドゥ)の創業者・李彦宏は7月、無人運転車に乗って北京第五環状道路に進入し、法令違反として交通警察の捜査を受けた。これが物議をかもしたもう一つの理由は、百度のAIと自動車分野への大いなる野心を、改めて明らかにしたことである。このところBATは、金の動きそうなあらゆる場所でその影がちらつく。自動車金融市場も例外ではない。経済ニュースサイト「界面」が伝えた。

■中国の従来型自動車ローン5種

中国には次のような従来型ローン形態がある。

1 銀行の自動車ローン

戸籍の提示、不動産担保または担保会社の保証が必要。保証金と手続費用で車両価格の10%必要、頭金は30%、期限は一般に3年。

2 自動車金融会社ローン

担保不要、一定の住所、安定収入と返済能力、良好な信用状況が必要。頭金20%、期限は5年、利率は銀行より高い。

上汽通用汽車金融(GM系)大衆金融(VW系)豊田金融(トヨタ系)などが代表的。

3 生産工場(の金融子会社)ローン

購入する車が担保、一定の住所、安定収入と返済能力、良好な信用状況が必要。頭金20%、期限は5年。利率は銀行と自動車金融会社の中間。

4 信用カード分割払い

カード所有者に2~20万元の自動車用融資限度額を設定。期限は12か月、24カ月、36カ月の3種。

5 自動車融資租賃

リース方式で、担保不要、外地戸籍でも可など借りやすい。頭金は車両価格+取得税+保険の20%、期限は最長5年。

■BATの影

不完全な統計だが2017年の上半期、上記の2に当たる自動車ローン13社の融資総額は128億元(約2100億円)に達した。これには少なからぬBATの影があるという。

2013年以来、中国のネット金融は爆発的に成長した。自動車金融のネットへのシフトも加速する。バイドゥ、アリババ、テンセントのネット企業3巨頭もさまざまな金融関連サイトを立ち上げた。P2P金融、自動車のネット販売、自動車ローンもその1つである。これらのデータ蓄積によって、上述した5つの形態を刷新し、より多元的な自動車金融市場を新設する段階に至っている。

ネット+自動車販売業の融合により、ネットはすでに最大のバイヤーズガイドとなった。BATはさらに中古車ネットサイト、自動車金融サイトとの融合、自動車担保ローンや車検まで含めたプラットフォームを構築しつつある。こうした後押しにより、2017年の総自動車金融総額は、1278億元(約2兆1000億円)になると見積もられている。

■BATの戦略

アリババは2015年3月にネット自動車基金を、7月には自動車事業部を発足させた。同事業部は顧客に対し「見て、選んで、買って、使って、売る。」までのトータルネットサービスを提供する。また自動車用小口金融の「車秒貸」も設定した。これはスマホ申請が可能で、30分以内に結果が通知されるすぐれものだ。

テンセントは2013年から自動車金融に投資を開始している。同年には合弁でB2Bサイトの「優信拍」を立ち上げた。その後2015年8月にはC2Cサイトの「人人車」を、同年9月には合弁でC2Bサイトの「天天拍車」を開始した。テンセントは新車、中古車のネット販売で、今やすべての領域、あらゆる方向をカバーしている。ただしすべてうまくいっているわけではない。

バイドゥは検索エンジン運営のアクセス機会の多さを生かして、自動車サイトの紹介、中古車探しサイトなどを提供し、車の売却、自動車ローン、車検等の総合情報サービスを行っている。同時にかつての優歩(Uber)を始め、配車アプリ、中古車アプリなどに出資している。

業界アナリストは、自動車金融業界は不透明で健全な信用体系を欠くと述べている。それこそネット3巨頭の自動車金融への情熱が空前の高まりを見せている原因だ。偽サイトや詐欺事例など問題は多くても、BATは今後も従来型自動車金融市場を刷新していくと思われる。

BATが中国金融革新の原動力となっているのは間違いない。今や経済ニュースの中心である。共産党の動向以上に注目すべき存在だろう。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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