“羅生門”視点で撮った新感覚の官能映画が登場!  『やりたいふたり』ほか新作ピンク15本を上映

“羅生門”視点で撮った新感覚の官能映画が登場! 『やりたいふたり』ほか新作ピンク15本を上映

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2019/08/23
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最新ピンク映画の話題作&人気作をセレクトした「OP PICTURES+フェス2019」がテアトル新宿で開催される。R18からR15へとレイティングを下げ、よりドラマ性重視で制作された新作ピンク映画を2週間にわたって特集上映する夏の恒例イベントだ。人気女優や監督たちも舞台あいさつに来場し、ふだん成人映画館に足を運ぶ機会のない人たちに気軽に楽しんでもらおうという企画となっている。

5年目を迎えた今年の「OP+フェス」のイチオシ作品は、第2回新人監督発掘プロジェクトで優秀賞に選ばれた谷口恒平監督の『やりたいふたり』。川瀬陽太主演作『おっさんのケーフェイ』(19)で長編デビューしたばかりの新鋭・谷口監督が、世間一般とは異なる価値観を持つカップルのユニークな愛の形を描き出している。

漫画家の卵の小崎愛(霧島さくら)は、念願の雑誌デビューを編集者から持ち掛けられる。胸がはち切れんばかりに喜ぶ愛だが、そのデビュー作とは実話系のエロ漫画。“寝とられ妻”をテーマにしろというオーダーだった。処女の愛には難儀な課題で、実在の元カップルを取材することになる。AV業界でカメラマンとして働くタモツ(関幸治)と、ヤリマンだった元妻・カオリ(横山夏希)をそれぞれ個別にインタビューする愛。妻はヤリマンということを知った上での結婚生活はそれなりに幸せだったものの、2人が別れることになった決定的な原因は両者の間で大きく食い違っていた。

タモツとカオリは言い分が異なるが、いったいどちらが正しいのか。愛が悩んでいるところに、第3の人物が現われる。ギャル系のAV女優・ミキ(永瀬愛菜)はタモツとカオリの双方を知っており、彼女の言い分もまた違うものだった。タモツとカオリの関係性は、3者の間でそれぞれ異なる。まるで黒澤明監督の名作ミステリー『羅生門』(50)のようだ。性体験のない漫画家・愛は、取材すればするほど愛という名の迷宮の中に迷い込んでゆく。

谷口監督が脚本も兼任した『やりたいふたり』のユニークさは、ヤリマン妻のカオリとその夫・タモツは本気で愛し合っているものの、セックスができないという特殊な関係性を描いている点にある。愛するカオリがほかの男に抱かれているのを見てタモツは興奮するが、肝心のカオリを前にするとタモツの男性器は沈黙してしまう。大して好きじゃない相手とは気軽にSEXできるのに、いちばん好きな相手とはSEXができない。何という不条理な世界だろうか。

SEXできない夫婦という設定は、2017年に衝撃的なタイトルでベストセラーとなった私小説『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)とかぶるものがあるが、『夫のちんぽ』の場合は男性器・女性器がサイズ違いだったために起きた悲劇だったのに対し、『やりたいふたり』は心理的なものが障壁となっている。妻はヤリマン、夫は変態というアブノーマルさを夫婦が共にきちんと受け入れていれば問題はなかったはずだが、SEXにおいてイクこと、イカせることが重要だという世間的な価値観が愛し合う夫婦を引き裂いてしまう。快楽を伴う性生活と社会性を帯びる結婚生活は、必ずしも一致するとは限らないことが浮かび上がってくる。

上野オークラ劇場では『悶絶劇場 あえぎの群れ』のタイトルで上映されたR18版と「OP+フェス」で上映されるR15版『やりたいふたり』はエンディングが異なっているが、夫婦愛の深遠さをより感じさせる今回RR15版をおススメしたい。1988年生まれ、平成世代の谷口監督の新しい男女観は、ピンク映画界に新しい波を起こすかもしれない。

バスト100センチの豊乳を誇る元グラビアアイドルの松本菜奈実が主演した『たわわな気持ち』も、メジャーシーンで活躍する古澤健監督が撮った初めてのピンク映画だ。美少女感のハンパなかった橋本愛が眼帯ヒロインを演じた『Another アナザー』(12)や武井咲主演のヒット作『今日、恋をはじめます』(12)などを手掛けてきた古澤監督だが、どちらの作品にも「こんなキラキラした学生時代だったら、楽しかっただろうなぁ」という男子校育ちの古澤監督の妄想が炸裂していた。『たわわな気持ち』にも同じことが言える。

霊峰・富士山を眺めるとき、日本人は両手を合わせて拝んでしまうが、松本のたわわな胸があらわになる瞬間も思わず手を合わせたくなる。それほどに見事なバストなのだ。昨年の「OP+フェス」で上映された城定秀夫監督の傑作コメディ『恋の豚』(18)のヒロイン(百合華)ほどのぽっちゃり感ではないものの、松本の豊かな胸の谷間に、“やすらぎの郷”を見いだす観客は多いのではないだろうか。

そんな松本演じる主人公・綾はエロ雑誌の駆け出しライターであり、綾がアパートで同棲している年上の彼に扮しているのが古澤監督。洗濯中の綾の胸を後ろから揉むわ、吸い付くわのやりたい放題。「こんなに胸の大きな女の子が彼女だったら、毎日楽しいだろうなぁ」という男の願望があふれ出している。しかも、物語後半には綾とはタイプがまったく違う美少女系のカレン(あけみ みう)との絡みまで用意している。今回のフェス、いちばんノリノリだったのは初参加の古澤監督であることに間違いないだろう。

ほかにも平成31年の歴史をエロ目線で振り返った竹洞哲也監督の『平成風俗史』、Netflix配信ドラマ『全裸監督』の第4話で大熱演を見せている川上奈々美が主演した『言えない気持ちに蓋をして』、人気女優・きみと歩実が主演した山内大輔監督の異色作『まりかマリカまりか』など全15本がラインアップされている。裸の美女たちが競演する「OP+フェス」、夏休みを取りそびれた大人たちにとって恰好の納涼イベントになるだろう。

(文=長野辰次)

「OP PICTURES+フェス2019」

テアトル新宿/8月23日(金)〜9月5日(木) R15+

https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/topics/2019/06221530_7741.html

●『いつか…』

監督/髙原秀和 脚本/宍戸英紀、髙原秀和

出演/小倉由菜、並木塔子、涼南佳奈

●『言えない気持ちに蓋をして』

監督/竹洞哲也 脚本/深澤浩子

出演/川上奈々美、相澤ゆりな、川崎紀里恵

●『セックスの季節』

監督・脚本/佐々木浩久

出演/栄川乃亜、川菜美鈴、高梨りの、長谷川千紗、しじみ、金剛地武志、小坂ほたる

●『やりたいふたり』

監督・脚本/谷口恒平

出演/横山夏希、永瀬愛菜、霧島さくら、関幸治

●『アノコノシタタリ』

監督・脚本/角田恭弥

出演/なつめ愛莉、加藤絵莉、瀬乃ひなた、川瀬陽太、榊英雄

●『長崎家の崩壊』

監督/竹洞哲也 脚本/当方ボーカル

出演/白木優子、南涼、横山みれい

●『たわわな気持ち』

監督・脚本・出演/古澤健

出演/松本菜奈実、あけみみう、加藤ツバキ、川瀬陽太

●『スナックあけみ』

監督・脚本/山内大輔

出演/霧島さくら、佐倉絆、黒木歩、里見瑤子、満利江、しじみ、川瀬陽太

●『平成風俗史』

監督/竹洞哲也 脚本/当方ボーカル

出演/友田彩也香、なつめ愛莉、卯水咲流、若月まりあ、東凛、辰巳ゆい

●『ちゃのまつかのま』

監督/竹洞哲也 脚本/当方ボーカル

出演/辰巳ゆい、東凛、なつめ愛莉、友田彩也香、卯水咲流、若月まりあ

●『まりかマリカまりか』

監督・脚本/山内大輔

出演/きみと歩実、桜木優希音、真木今日子、森羅万象

●『まん・なか You’re My Rock』

監督/髙原秀和 脚本/うかみ綾乃、髙原秀和

出演/榎本美咲、栗林里莉、涼南佳奈、G.D.FLICKERS

●『劇場版・悦楽クリニック! 凛子の淫らな冒険』

原作/滝川杏奴 監督・脚本/佐々木浩久

出演/早川瑞希、西村ニーナ、しじみ、さくらみゆき、吉行由実

●『死にたくなるよと夜泣くタニシ』

監督・脚本/後藤大輔

出演/和田光希、新村あかり、相澤ゆりな、月夜野卍

●『大人の同級生』

監督/竹洞哲也 脚本/深澤浩子

出演/なつめ愛莉、香山亜衣、加藤ツバキ

(c)OP PICTURES

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