見た目じゃ勝てない女が見つけた、婚活必勝法。だが、気づけば婚活モンスターに成り下がっていた理由

見た目じゃ勝てない女が見つけた、婚活必勝法。だが、気づけば婚活モンスターに成り下がっていた理由

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  • 更新日:2018/08/16

東京の至るところで目撃される、婚活モンスター。

他をも圧倒するほどのこだわり。

時としてそれは、人をモンスターに仕立て上げる。

結婚へのこだわりが強いばかりに、モンスターと化してしまう、婚活中の女たち。

あなたのまわりにも、こんなモンスターがいないだろうか…?

前回は、這ってでも食事会に行くモンスターを紹介した。さて、今週は?

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「ねえ絵美子、また食事会開いてくれない?」

朝、会社で顔を合わせるなり花奈から満面の笑みを向けられて、絵美子はおもわず言葉に詰まった。

「あれ?彼氏できたって言ってなかったっけ?」

2ヶ月ほど前、花奈と二人でランチに行った時にそんな報告を受けていたはずだ。

「うん、それがね先週別れちゃったの。別れたっていうか…フラれたんだけど」

—また…?

悲しそうな顔をする花奈を前に、絵美子は心の中でそう思わずにはいられなかった。

絵美子と花奈は大手通信会社の同期で、絵美子は人事部、花奈は広報部に在籍している。

入社当初から花奈は結婚願望が強く、同期の中でも一番に結婚するのではないかと皆で囁いていた。ところがなぜか、未だに彼女は安定した恋愛さえできていない。

「もう私たち28歳じゃない?今度こそ結婚かなと思ってたんだけど…。いいなあ、絵美子は。あんな素敵な人を捕まえて」

花奈が口が尖らせて、絵美子の顔を覗き込んできた。

絵美子には、結婚を控えた彼がいる。それを花奈は、事あるごとにこうして「羨ましい」と口にするのだ。

「あ、そういえば今月、大学時代の男友達が大人数でバーベキューするとか言ってたから、それに行ってみる?」

「え、本当に?行く!」

絵美子が軽い気持ちで言うと、花奈は前のめりで誘いに乗ってきた。

そして絵美子は、花奈の婚活モンスターとしての一面を垣間見ることになるのだった。

バーベキューで早速チャンス到来!花奈に早速オファーが舞い込む…!?

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「みなさん、どんどん焼くので、沢山食べてくださいね♡」

もくもくと煙が上がる中、花奈が満面の笑みで声を張り上げていた。

金曜20時。豊洲のバーベキュー場で、花奈が率先して焼き係となり、せっせと肉や野菜を焼いているのだ。

男女合わせて約20人が集まったこの会で、花奈が誰よりあくせくと動き回っていた。

「花奈ちゃん、俺たちが焼くからゆっくり食べててよ」

男性の幹事であり、絵美子を誘ってきた男友達が度々そう言ってきたが、花奈が焼き係の座を譲ることはなく、「大丈夫です〜、ゆっくりしてください♡」とひたすら笑顔で焼いているのだ。

しばらく経って、花奈がようやくその座を男性に譲ったかと思うと、今度はテーブルに放置されている空き缶をそそくさと集め始める。

「花奈、とりあえず食べようよ」

見かねた絵美子がそう言うと、花奈は一通りテーブルの上を片付けた後に、ようやく椅子に座るのだった。

花奈の額には大粒の汗が光り、前髪はじっとりと濡れている。だがそれに反して、化粧に大きな崩れはなく、むしろ汗の光りで肌ツヤが3倍増しに見える。

花奈はとびきりの美人ではないが、小柄で愛嬌があるため、男女問わず可愛がられるタイプ。

顔の造作には華やかさが欠けるが、逆に言うとメイクが映える顔立ちで、そのことを本人もよく自覚しているフシがある。

今日のような、ともすると「気が利くアピール」と取られそうな行動も、花奈自身は無理してそうしているわけではない。

花奈は大人になったある日、「花奈ちゃんて、細かいとこまで気がきくよね」と好きな男から褒められたのをきっかけに、自分は人よりも少しだけ細かいことにも気がつく女だと気付いた。

そのささやかな成功体験を機に、「気遣いができる」という長所をすすんでアピールすることにしたのだと、花奈から打ち明けられたことがある。

「花奈ちゃん、だっけ?お疲れさま〜」

絵美子と花奈が座っていると、男性幹事と一緒に一人の男が近づいてきた。週末にはフットサルでもやっていそうな、なかなかの爽やな男だ。

そのとき、幹事の「こいつ雄太っていうんだけど、こう見えても弁護士なんだよ」という一言に、花奈の目の色が変わったのを絵美子は見逃さなかった。

まずは4人で乾杯し、簡単な自己紹介を済ませて雑談をしていると、雄太が急に「痛っ」と顔を歪ませた。

「雄太くん、どうしたの?」

花奈がすかさず、雄太の顔を覗き込む。

「いやなんかさ、割り箸のトゲが刺さっちゃったみたいで」

そう言って、人差し指の先の方を花奈に見せた。それを見て花奈は「痛そ〜」と高い声を出す。

「私、絆創膏持ってるから使う?あ、それよりも裁縫セットに入ってる針でトゲを取っちゃった方がいいかも」

そう言いながら花奈は、ポーチの中から細々したものを取り出してきた。

「花奈ちゃんって、準備いいんだね」

関心する雄太に、花奈は「そんなことないよー、心配性なだけ」と満面の笑顔を向ける。

これで一気に距離を近づけた二人は、無事にトゲを取り終わると、花奈のインスタグラムの話で盛り上がり始めた。

「私、お料理が趣味でぇ…」

花奈は得意げにスマホを雄太に見せる。二人はすでに恋人同士のような雰囲気を出しており、その様子を絵美子は微笑ましく見ていた。

それから約2週間後、「雄太くんと付き合い始めました♡」という連絡が、花奈から来た。

だがまたしても花奈の恋は、あっけなく終わることになるのだった。

花奈の恋愛が長続きしない、残念な理由。あなたは大丈夫!?

絵美子は、花奈の短い恋の終わりを、バーベキューの時に幹事をしていた男・良平から知らされることになった。

「雄太のやつ、花奈ちゃんと別れるつもりらしいんだよ」

残念そうに話す良平から聞いた話はこうだった。

18歳から一人暮らしをしている雄太は、一人暮らし歴10年以上。いくら男とはいえ一通りの家事はできるし、料理だって好きだ。

それなのに、結婚を焦り家事が得意なことをアピールしたい花奈は、雄太の家事に難癖をつけるようなことばかりをしたのだ。

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雄太が綺麗に畳んでいた洗濯物は、「これじゃシワになっちゃうよ」と言いながらいちいちたたみ直した。

料理だって「今日は俺が作るから」と雄太がキッチンに立っても、花奈は横から「調味料を入れる順番が違うよ」とか「包丁の入れ方はこうだよ」などと細かい指示を入れては雄太を苛立たせた。

さらに、雄太が洗った食器を「洗い方が甘い」と言って洗い直したことも、一度や二度ではない。

他にも、雄太が愚痴をこぼしていたことがあるらしい。それは、花奈が料理を作ってくれるのはいいが、どれもインスタ映えを意識したおしゃれすぎるものばかりだということ。

雄太がこってりしたものが食べたくて、「たまには、ホットプレートでお好み焼きでも作ろうよ」と言っても、「もっとおしゃれなもの作ってあげるから」と言って、雄太の希望は聞き入れられなかった。

その料理は、自分のために作ってくれているのか、あるいはインスタにアップするついでに自分も食べさせてもらっているのか、わからなくなってしまったという。

「雄太も家庭的な女性は嫌いじゃないと思うけど、花奈ちゃんの場合は度を越してて、お節介なんだよね」

良平がポツリと呟いた。その言葉に、絵美子はなんだかとても複雑な気持ちを抱えてしまう。

"人よりも気がつくこと"を武器に、婚活で差をつけようとする花奈。だが度を越した気遣いは、ただのお節介となり相手の心象をこうも悪くしてしまう。

結婚を急ぐあまり、良かれと思ってやっている数々の「お節介」。

一度染み付いた成功体験は、周りがなんと言おうとそう簡単には捨てられない。特に、花奈のように華やかさに欠ける容姿の女は、中身で勝負しようと躍起になるあまりドツボにはまる。

今後、結婚への焦りをさらに募らせるであろう花奈が、自分の中のモンスターに気づく日が来ることを、絵美子はただ願うことしかできなかった。

▶NEXT:8月17日 金曜更新予定
地の果てまで男を追いかけるモンスター。

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