V・ファーレン長崎 J1初昇格 設立13年目苦難の航海乗り越えた ホーム最終戦クラブ史上最多2万2407人歓喜

V・ファーレン長崎 J1初昇格 設立13年目苦難の航海乗り越えた ホーム最終戦クラブ史上最多2万2407人歓喜

  • 西日本スポーツ
  • 更新日:2017/11/12
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後半、勝ち越しゴールを決め喜ぶ前田(右から2人目)

V・ファーレン長崎がJ1初昇格をホーム最終戦で決めた。自動昇格を争ってきた福岡が引き分け、名古屋が大敗し、勝てば2位が確定する大一番で讃岐に3-1で勝利。2005年の設立から13年目で悲願を達成した。就任5年目の高木琢也監督(49)は、過去2度もJ1昇格プレーオフで涙をのんだだけに感無量の面持ち。クラブ史上最多の2万2407人(立ち見席など含む)の大観衆とともに“三度目の正直”の喜びに酔った。

■最古参の前田決勝弾

J1昇格を告げる試合終了の笛が、長崎の夜空に響いた。ホーム最終戦で迎えた歓喜の瞬間。「荷が下りた感じ。選手が最後までやってくれた。言葉で言い表せないぐらい感動した」。胴上げで3度宙に舞った高木監督は感極まっていた。

午後2時に試合開始だった名古屋の大敗と福岡の引き分けは、選手たちの耳に入っていた。同7時キックオフの試合前、高木監督は選手一人一人との出会いを振り返り「これも何かの縁。いい試合をして勝とうじゃないか」と呼びかけた。

昇格決定は勝利が条件だったが、高木監督は「選手にかける言葉が見つからないぐらい、信頼していた」という。期待に応えたのがチーム最古参の在籍6年目となる前田だ。1-1の後半28分に勝ち越し弾。ペナルティーエリア外にこぼれてきた球に右足で合わせた。

「こぼれ球を拾い、攻撃をつなげるのが役割だった。試合に出られない人の分も代表して決められた」。32歳の853日ぶりのJ2通算2点目が決勝点。試合後はピッチの上で人目をはばからず涙を流した。

高木監督が故郷のクラブを率いて5季目。J1昇格プレーオフ準決勝で2度阻まれ、昨季は就任後ワーストの15位に沈んだ。今季、指揮官は選手とスタッフにこうお願いした。「見えない力を見せてほしい。それが陰の努力なのか団結力なのか答えは分からない。みんなで示してほしい」

監督自身は「見えない力」を感じたことがある。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に約3カ月間留学した1991年。ロッカールームで元イングランド代表主将のロブソンのスパイクを熱心に磨く青年がいた。「ベッカムだった。今思えば、こういう人が結果を出すのかなと」。今季の長崎にも陰の努力や団結力を期待した。

■「見えない力」働いた

3月に表面化した経営危機も「見えない力」を引き出した。給与遅配の可能性があると知ると、高木監督は「会社のことはおれが何とかする」とかばった。選手の誕生日はケーキを用意して祝福。一方で戦術は「自分がすべて教えるより、選手同士で話す方が理解しやすい」と在籍期間の長い前田や高杉に託した。

堅守速攻のチーム戦術も浸透した。失点は優勝した湘南、3位福岡に次いで少ない40失点。昨季FW頼みで39点にとどまった攻撃はサイドの選手も絡むようになり、16選手で55点。次々と生まれる日替わりヒーローが快進撃を加速させた。

強敵が待ち受けるJ1での戦いを見据え、高木監督は言い切った。「長崎の人に最高のカテゴリーを見てもらえるのは意義がある。いろんなものを感じてもらいたい」。結束の力が開いたJ1への航路。その先へと進む力をつけていく。 (末継智章)

◆V・ファーレン長崎

1985年に創立された「有明SC」と国見高OBを中心とする「国見FC」が2004年3月に合併した新生「有明SC」が前身で、05年の九州リーグ昇格を機にV・ファーレン長崎としてスタート。チーム名のVは「ヴィ」と発音し、ポルトガル語のVITORIA(ヴィトーリア=勝利)とオランダ語のVREDE(ブレーダ=平和)の頭文字から取ったもので、オランダ語のVAREN(ファーレン=航海)と合わせた。J2参入1年目の13年と15年にJ1昇格プレーオフに進出し、いずれも準決勝で涙をのんだ。チームカラーはオレンジと青。ホームスタジアムは長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎(収容人員2万258人)。

=2017/11/12付 西日本スポーツ=

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