【復刻】死闘すぎる「10・2」...ホークス松田と秋山監督の抱擁 2014年

【復刻】死闘すぎる「10・2」...ホークス松田と秋山監督の抱擁 2014年

  • 西日本スポーツ
  • 更新日:2017/09/15
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涙の秋山監督はナインから胴上げされる=ヤフオクドーム

ついにソフトバンクの優勝マジックが「1」となった。目前に迫ったリーグV奪回の前に、ホークスファンに優勝紙面プレーバックをお届け!

【復刻ソフトバンクV】

終盤戦の大失速で優勝マジックを点灯させられないまま、首位ソフトバンクは2014年10月2日、本拠地に2位オリックスを迎え「勝てば優勝」のレギュラーシーズン最終戦に臨んでいた。先発は国指定の難病・黄色靱帯(じんたい)骨化症を乗り越え、夏場に復帰していた大隣。6回無失点の好投も、降板後の7回に1点差を追いつかれ、試合は延長に突入する。10回、選手会長・松田が左中間へサヨナラ打を放つと、秋山監督は人目をはばからず号泣した。

(2014年10月3日の西日本スポーツから)

最後の最後まで苦しんで、最後の最後に頂点に立った。ゲーム差なしに迫られて迎えた2位オリックスとのレギュラーシーズン最終戦。延長10回1死満塁、選手会長の松田宣浩内野手(31)が正真正銘のサヨナラ打を放ち、3年ぶりのリーグ優勝を決めた。マジック点灯に王手をかけてから1勝9敗の大失速。かつてない危機を味わった秋山幸二監督(52)は号泣しながら選手たちと抱き合い、リーグ優勝3度目にして初めて本拠地のファンの前で宙を舞った。

もがき、苦しみ、最後は倒れ込むようにしてゴールへたどり着いた。延長10回。優勝決定打を放った松田が歓喜の渦に包まれる。その光景を見ながら、秋山監督は顔をぐしゃぐしゃにして歩を進めた。あふれ出る涙など気にならない。駆け寄ってきた松田を強く抱きしめると、さらに瞳が潤んだ。「幸せです。ただ一言です」。苦楽をともにした選手たちの手で7度、宙を舞った。今季最終144戦目。秋山ホークスが頂点に立った。

勝負の9月に大失速した。優勝マジック初点灯の可能性があった同17日から10戦9敗と見るに堪えない状況に陥り、残り3試合となった時点では自力Vの可能性すら消滅した。その間、選手が自分たちだけでミーティング。うみを出し合った。今年こそ勝つ‐。チームの思いは一致していた。

昨季終了後の全体ミーティング。秋山監督は全員を前に訓示した。「これがいまの実力。この悔しさを一年間持ち続けろ。そして、その思いを来年必ず晴らそう」。チーム5年ぶりBクラス。秋山政権初の屈辱に誰もが背を向けようとしたが、指揮官は許さなかった。しっかり現実と向き合わせ、退路を断った。

今季は自身2度目の3年契約最終年。オフの総額約30億円といわれた大型補強に批判的な声もあったが、秋山監督は意に介さなかった。「関係ない人は好き勝手に言える。それは責任がないから。俺はチームを勝たせなければいけない責任があるんだ」。3年連続V逸なら辞任‐。胸に刻んだ覚悟は揺るぎなかった。

シーズン折り返し直後の7月7日。王会長に契約更新の意向を伝えられた。チームは首位に立ったばかり。両者にとって最高のタイミングだったが、返答を保留した。まだ、V奪回の青写真が描き切れてなかった。

それでも、交流戦から手は打っていた。昨季V逸の要因となった先発不足解消のため、軸を摂津、中田、スタンリッジの3人に絞り込み。それ以外は帆足、飯田、武田らを登板間隔にこだわらず埋めていった。勝ちに徹するため、超大型補強の成果をフル活用した。

「プロは他を蹴落としてでもやるって気持ちがないと、生き残れない」

◇       ◇

7月以降は国指定の難病を克服した大隣も加え、他球団がうらやむローテ陣を形成。6、7、8月で計14個の貯金を蓄え、首位の座を固めた。並行して救援陣も再整備。新人の森を「勝利の方程式」に組み込み、接戦を次々とものにした。森は球宴明けだけで3勝16ホールド。昨季17勝26敗の1点差試合は、今季27勝21敗に改善された。

ホークスでは前監督の王会長と並ぶ3度目のリーグ制覇。就任から6年間、秋山監督は「力のある選手を使う」との方針を徹底してきた。根底にあるのは、6度の日本一を経験した西武での現役時代。それは、自身が思い描く理想のチーム像ともシンクロする。

「ベンチが指示しなくても、選手が考え、こちらの思う動きをしてくれるのが一番。プレーしているのは選手だから」

摂津、内川ら脂の乗りきった中堅に、柳田、中村、今宮ら若い力が融合。精神的弱さという課題は抱えるが、チーム作りは着実に進んだ。突き進んだ頂点への道中、指揮官は2度目の契約更新を打診された。2年契約の正式要請。今度は内諾した。「まだひと山、ふた山ありますが、少しずつ、一歩ずつ前進して、最後まで日本一を目指して頑張ります」。その目にははっきりと、常勝ホークスの未来図が描かれている。(石田泰隆)

【ソフトバンクの最終成績】

78勝60敗6分 勝率.565

【タイトル獲得者】

最多安打 中村晃 176

【チームスローガン】

俺がやる。(○囲みの「俺」)

【2014年のスポーツ界】

プロ野球は日本ハムの大谷翔平が11勝、10本塁打で同一シーズン初の2桁勝利、2桁本塁打を達成。楽天から米大リーグ、ヤンキースに移籍した田中将大は13勝5敗だった。テニスの四大大会、全米オープン男子シングルスで錦織圭が準優勝。準決勝で世界ランキング1位のジョコビッチを破り、日本選手で初めて四大大会男女シングルスで決勝に進んだ。ソチ冬季五輪で羽生結弦がフィギュア日本男子初の金メダル。大相撲の横綱白鵬が九州場所で4場所連続32度目の優勝を決め、大鵬の史上最多優勝記録に並ぶ。

=2017/09/15 西日本スポーツ=

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