大人の男の余裕を漂わす「ジャケット」

大人の男の余裕を漂わす「ジャケット」

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/11/17
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持ち物にはその人の品格が出る。よい物には理由があるのだ。

ファッションディレクターの森岡 弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る連載。今回は、日本のスーツブランドの代表「ダーバン」のジャケットとベストをピックアップ。

森岡 弘(以下、森岡):一般的にはあまり知られていないことですが、ここ10年くらいでしょうか、ファッションでは日本製の服が注目を浴びています。スーツでも状況は同じです。

小暮昌弘(以下、小暮):世界的に見ても、既製品としてスーツを仕立てられるのは、イタリア、中国、そして日本など数カ国しかありません。なかでも職人的なスーツをつくれるのはイタリアと日本くらいです。

森岡:そうなんです。そこで今回は日本のスーツブランドの代表「ダーバン」です。正統派ビジネスマンに圧倒的な人気を誇るブランドではないでしょうか。

小暮:創業は1970年。私たちの世代で言えば、「ダーバン」というとフランスの名優アラン・ドロンのコマーシャル。フランス語で都会的な(De+urban)ということから命名されたブランドです。

森岡:「Durban, cest lélégance de lhomme moderne.(ダーバン、それは現代の男のエレガンスだ)」でしょう。覚えています。外国のスーツブランドだと思っていた方もいらっしゃるんじゃないですか。

小暮:そうですね。あのコマーシャル、あまりにもカッコよかったですからね。そう言えば、九州の宮崎の自社工場にも以前行きました。素晴らしい施設で驚きました。

森岡:日本製で、とにかく品質は折り紙つき。しかし雰囲気はまさに海外、いやグローバル感覚。世界中、どこに出て行っても着映えするような佇まいをもっています。素材はイタリア製などの極上の生地を積極的に取り入れています。

小暮:世界的に有名なメーカー、イタリアのロロ・ピアーナ社との取り組みは、今年で20年を迎えるそうですよ。

森岡:スーツの生地は多くがオリジナル素材だそうです。スーツは生地が重要。それをよく知っている。今年の新機軸が「リレーション」シリーズです。同クオリティの素材を異なるアイテムで表現しています。でも小暮さん、生地をよく見てください。

小暮:ジャケットに使われているのが、いわゆる「グレンチェック」の柄。ベストに使われているのが「千鳥格子」なんですね。

森岡:そうなんです。同系色の糸を使い、別の柄に織っていますが、見事にマッチしています。まさにエレガント。ちょっと洒落ていますでしょう。

小暮:本当ですね。一緒に組み合わせてもいいし、それぞれ別々でもいい。スリーピースのスーツもここ数年、人気ですが、ジャケットとベストを組み合わせているところがとても新鮮です。

森岡:ベストはね、ジャケットを脱いだとき、洒落て見えます。シャツ1枚でいるよりも絶対にいいです。それに今シーズンはレイヤード=重ね着することも流行っています。買うときに、セットで購入しておけば、いろいろな着こなしが楽しめます。ベストの柄は小さめなので、ほかのアイテムとも相性がいい。茶系でも、グレイッシュなので品があるのです。

小暮:仕事着として着ると、このコーディネイション、洒落ていますね。女性ウケはいい。

森岡:ビジネススタイルもカジュアル化していますので、週末とか、出張とか、プライベートの旅行とか、応用範囲も広い。小暮さんの言うように別々で着用すれば、仕事着としても十分通用するだけの雰囲気をもっています。それぞれの柄自体は英国風ですが、ただのクラシックになっていない表現力は流石です。

小暮:そうですね。スーツ全体の傾向としては、ここ数シーズン、”英国調”になっていますから、ファッションのトレンドもきちんと押さえたモデルというわけですね。

森岡:もちろんそうです。素材や仕立てはイタリア調、柄やディテールは英国。それが今です。

小暮:ちなみに先ほど、ブランド名の由来の話をしましたが、ブランド名はもうひとつ意味がありまして、有名なウィンザー公の御召艦レナウン号の供奉艦としてやってきたダーバン号にも由来しているとも言われています。

森岡:そうでしたね。つまりブランドを立ち上げた当初からグローバルな戦略を組んで命名したわけですね。そのコンセプトが素材にも、デザイン、仕立てにも表れているわけです。

森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

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