
リニューアルオープンし、大勢の人でにぎわう第一牧志公設市場=那覇市で2023年3月19日午前11時9分、喜屋武真之介撮影
沖縄特有の食材をそろえ、観光名所になっている那覇市の「第一牧志公設市場」が19日、老朽化に伴う建て替え工事を終え、リニューアルオープンした。1階で買った食材を2階の飲食店街で調理してもらう「持ち上げ」が旧市場から受け継がれ、観光客にも地元の人にも愛され続ける市場を目指す。
新市場は敷地面積約1747平方メートルで地上3階建て。1階に精肉や鮮魚、生鮮食品を取り扱う小売店72店が並ぶ。周辺の「マチグヮー(商店街)」と一体感を生むため、通りに面した店舗も設けた。2階は12店が軒を連ねる飲食店街で、3階には調理体験室が新設された。建て替えに伴い廃業した店もあったが、公募で新たに9店が加わる。
公設市場は戦後の闇市を起源とし、1950年に開設されたが、近くのガーブ川の氾濫で度々水浸しに。69年の大火災を経て、72年に旧市場が完成し、約100店がひしめく「沖縄の台所」としてにぎわった。今回の建て替え工事に伴い、旧市場での営業は2019年6月で終了し、約100メートル離れた仮設市場に一時移転。新市場は当初22年4月に開業する予定だったが、軟弱地盤への対策が必要となり、1年遅れとなった。
新市場にはさっそくヤギ肉やチラガー(豚の顔の皮)、アバサー(ハリセンボン)、島らっきょうなどが並び、各店が営業を始めた。旧市場ができる前から上原山羊(やぎ)肉店を営む上原政子さん(79)は「にぎわいがいつまでも続くように、地元の人に来てもらえるように頑張りたい」と語った。この日はオープニングセレモニーがあり、知念覚那覇市長や玉城デニー沖縄県知事、菅義偉前首相らが完成を祝った。【比嘉洋】
毎日新聞