スコットランド政府がすべての妊婦に配布する「育児パッケージ」が話題

スコットランド政府がすべての妊婦に配布する「育児パッケージ」が話題

  • コスモポリタン
  • 更新日:2023/09/21
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出産を控える家庭は、新生児を迎える前から準備に大忙し。初産の場合には、そもそも何が必要なのかも分からないという悩みを抱えている人も。そんな時期をサポートするため、必要なものが揃った「育児パッケージ」を新生児を迎えるすべての妊婦に対して配布する国があることがTikTokをはじめSNSで話題を呼んでいる。

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北欧が牽引する「育児パッケージ」システム

フィンランドでは、80年以上前の1938年から配布が始まった育児パッケージ。当初は低所得者のみが対象だったものの、開始から数年後には所得制限なく「すべての家庭」に配布されるようになったそう。

これらの制度は少子高齢化に悩む多くの国で注目されるようになり、日本アメリカでも“一部の自治体”で育児パッケージやベビーグッズを配布しているところも。ただし自治体が限られていたり所得制限があるなど、すべての妊婦が等しく享受できるサービスとはなっていないのが現状だ。

妊婦健診を条件に、フィンランドの赤ちゃんを迎える家族に送られる育児パッケージ。85年の歴史がありますが、過去30年だけでも利用者の声や時代を反映して、柄や中身が少しづつ変わっています。最近は品数よりも質や耐久性を重視したサステナブルなものに。男女兼用です pic.twitter.com/TZA3pE5tn3
— 駐日フィンランド大使館 (@FinEmbTokyo)
December 29, 2022
from Twitter

2017年からは、スコットランドで出産を控える“すべての家庭”に同様の育児パッケージが配られるように。そして今、同パッケージの中身を紹介する動画がアメリカなどで注目されている。

話題になっている動画は、TikTokで3万人ほどのフォロワーを持つスコットランド女性レイチェル・クレナハンさんが投稿したもので、その動画とデュエットする形でアメリカ人女性が羨ましいというばかりに反応している。

現地メディア<Insider>によると、開始から5年で24万箱以上配布されているこのベビーボックスの中身は、赤ちゃんに必要なものだけでなく母親やパートナーと共に利用するものなども含まれているという手厚さ。受け取る方法も簡単で、助産師に妊婦健診で書類を記入してもらうだけで、出産の4週間前には送られるのだそう。

箱が「ベビーベッド」に変身!

育児パッケージに含まれているのは、プレイマット、絵本、おもちゃ、おしゃぶり、体温計、温度計、スポンジ、歯ブラシ、爪やすり、ブランケット、おむつ替えマット、抱っこ紐のように使うベビーラップ、生後6ヶ月まで使えるあらゆるサイズと種類の洋服、ビブや靴下などの小物、など。

また、母親のためのお産用パッドと母乳パッド、コンドームも同封。授乳や手で搾乳する方法や乳児にとっての“安全な睡眠”に関するパンフレットも入れられている。さらに箱はベビーベッドとしても使えるんだとか。そのため、箱にピッタリ合うマットレスとシーツも同封されている。

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育児に関する情報を発信しているメディア<Nursery World>によると、90%以上の人が育児パッケージの申請をしており、そのうち多くの利用者が「とても良かった」「よかった」と回答し、さらに「乳幼児にとっての安全な睡眠」について正しい知識を身につけることができて助かったという回答も。また、37%の家庭が実際に箱をベビーベッドとして利用したという。

今年の3月までスコットランドの「子供と若者(Children and Young People)」担当大臣を務めていたクレア・ホーヒー氏は、ベビーボックスの持つ意味をこのように語っていた。

「どの子どもも、家庭環境に関わらず最高な人生のスタートを切れるよう、その取り組みの一つとして始めたものです」

育児パッケージについて紹介している動画のコメント欄には「スコットランドって素晴らしい国だね」、「私がアメリカで出産した時は政府から“もらう”どころか、高額な出産費用を払ったのに…」や「子どもはいないし今後も産む予定はないけど、税金はこういうところに使ってほしい」などの意見が寄せられている。

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