テクノロジーの社会実装から学ぶDXのヒント、NECが語る「未来の共感」とは?

テクノロジーの社会実装から学ぶDXのヒント、NECが語る「未来の共感」とは?

  • マイナビニュース
  • 更新日:2021/09/15
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NECは9月13日、オンラインイベント「NEC Visionary Week 2021」のオープニングセッションを開催した。

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同イベントは 9月13日から17日にかけて、「『未来の共感』を創る」をテーマに開催されるNECグループ最大のイベント。世界から各界の第一人者が基調講演やパネルディスカッションなどのセッションに登壇し、これからの社会のあり方、取り組むべきビジネスの課題とその解決方法について意見を交わす。なお、各セッションはLIVE配信された後、 9月30日までオンデマンド配信される。

イベントの全体テーマでもある、「『未来の共感』を創る」をタイトルに掲げたオープニングセッションでは、まず、NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏が、2025中期経営計画で掲げた「Purpose」と「NEC 2030VISION」の実現に向けてNECが取り組む3テーマ、「コラボレーション」「オープン」「ベクトル」についての事例を紹介した。

「コラボレーション」については、スターアライアンスグループ・SITAとの協業による生体認証を活用したタッチレス空港の事例を紹介しつつ、Amazon Web ServicesやMicrosoftとのパートナー協業、KMDやavaloqのM&Aを通じて、NECが今後提供していく価値について触れた。

「オープン」については、通信とデータのオープン化について言及。NECは国内外の事業者と連携して、Open RAN、大規模商用Open RAN、5G、ビヨンド5G・6Gなどの実証実験、実用化を目指した取り組みを進める。森田氏は「今後もグローバル市場を見据えた通信のオープン化をリードしていきたい」と意気込む。また、豪州シドニーや北海道更別町のスーパーシティ・スマートシティ、森ビルと共同で取り組むコンパクトシティにおけるデータ利活用例も紹介した。

「ベクトル」についえは、環境・社会・暮らしのより良い方向づけのためにNECがアカデミア、シンクタンク、有識者と取り組む、Thonght Leadership活動やNEC未来創造会議の目的を説明した。「未来の実現に向けて、環境・社会・暮らしを脅かす困難に立ち向かうには、経済成長とサステナビリティの軸を考え、社会全体がベネフィットを享受できるようにベクトルを定めていく必要がある」と森田氏は語った。

続いて、東京大学の東京大学 FoundX ディレクターの馬田隆明氏が自身の著書『未来を実装する』を引用しつつ、現在の社会におけるテクノロジーの社会実装の要点を示した。

馬田氏は、「テクノロジーの社会実装は、現在進んでいるDX(デジタルトランスフォーメーション)の前の変化、つまりEX(Electric Transformation)から示唆を得られるのではないか?」と前置きをして、電気の社会実装の歴史をひも解いた。

動力が蒸気から電気へと変わり始めた1900年前後、モーターという技術導入だけでは生産性向上にはつながらず、工場のレイアウトや教育をともなう人材供給、制度や仕組みなど社会の在り方の変化があったことで、技術のポテンシャルが生かせるようになったという。そのうえで馬田氏は、「デマンド」「インパクト」「リスクと管理」「ガバナンス」「センスメイキング」の5つの要素が、テクノロジーを生かす社会をつくるためには必要と結論づけた。

一方、技術の普及には5つの要素の基盤ともなる「デマンド」(需要・ニーズ)が重要だ。しかし、課題がなければデマンドは喚起されず、新しい技術も受け入れられない。成熟社会となりつつある日本では相対的に課題が少なくなりつつあり、課題を探す必要がある。馬田氏は課題を見つけるうえで、「理想」に着目する。

「理想と現状のギャップの中に課題があり、理想の未来を描いて問題を提起することが次のビジネスを生み出す。そして、理想の未来を描くうえで大事になるのが共感と理性だ。共感だけでは合理性を担保できず、共感できないものを排除しかねない。理性だけで人は動かないし、共感できない答えが出るときもある。だからこそ、技術を使える理想の未来を描くうえでも共感と理性の両方が必要になる」(馬田氏)

セッションの後半では、シンクタンク・ソフィアバンク 代表の藤沢久美氏がモデレーターを務め、森田氏と馬田氏と3人でパネルディスカッションを行い、共感を軸にテクノロジーの社会実装やDXの実現に向けた課題やポイントについて意見を交わした。

「日本のDXは今どの段階にあるか?」や「ルールをアップデートするために必要なこと」に始まり、スタートアップと大企業の役割やステークホルダーとの関わり方、信頼を獲得するうえで大事なこと、社会価値と経済価値の両立など、ディスカッションの話題は多岐にわたった。

「共感を得られるような信頼をどうやったら得られるか?」という藤沢氏の問いかけに対して、馬田氏は共感を得るために求められる3つの要素として、「能力」「善良な意図があること」「高潔さ」を挙げ、小さな成功体験を積み重ねることの重要性を指摘した。

時に発信される情報やコミュニケーションにバイアスがかかってしまう。そうした中で、いかにNECは信頼関係を醸成していくのか。藤沢氏は森田氏に投げかけた。

森田氏は、自社そのものや事業目的、その先のビジョンの発信と、あらゆるステークホルダーに対する共感とコミュニケーションを重視していると答えた。

「元々、技術はニュートラルで透明性のあるもので、使う人によって変わる。NECが正しい使い方をする会社であると伝えること、そして、技術によって今まで解けなかった問題・社会問題が解決できると、小さくてもいいので示し、それを一つずつ発信していくことが未来の共感を得ることにつながると考える」(森田氏)

田鍋隼

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