小学校受験で親に求められる「文章力」と、決めておきたい「教育方針」

小学校受験で親に求められる「文章力」と、決めておきたい「教育方針」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/11/25
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2021年度の小学校入試で、いわゆる難関校といわれる早慶合格者を100名以上出し、注目を集めている『スイング幼児教室』。受験をしない家庭にも参考になる「小学校受験から学べる子育ての極意」を教えていただく連載です。

今回は、小学校受験で必須の「願書」で問われる「親の文章力」、そして「教育方針」について。受験する・しないにかかわらず大事な教育方針は、日々、勉強や運動を頑張る子どものためにも、夫婦が同じ方向を向いていることが大事だといいます。

小学校受験に必須の「願書」

小学校受験では、家庭を判断する材料として「願書」が重視されます。学校側は願書を通じて、6年間方向性を合わせていける家庭かどうかを審査します。どのような教育方針で、どのような理由で学校を志望したのか、そこに書かれた文章を読むことによって、学校との相性を判断する。このように受験では、「文章力」を通して親の知性や品格が見られているといっていいでしょう。

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しかし、みなさん案外この文章力を軽視しがちです。「てにをは」をうまく使えているか、主語と述語があっているか、敬語の使い方が正しいかどうかといった、文章を練り上げる推敲を怠る人が少なくありません。また尋ねられていることをきちんと考えず、なんとなくごまかして、表面的に取り繕って書いているように感じられる場合もしばしば見られます。

学校によっては教育方針や志望動機だけでなく、テーマを決めて親に作文を書いてもらうところもありますが、書かれた文章がテーマと外れていたり、問いに対する答えになっていないものも目につきます。おそらくあまり深く考えないまま、なんと答えたら良いかよくわからず曖昧に濁してしまっているのだと思われますが、これは親としてあまり望ましい姿勢とは言えません。

子どもは勉強に運動に、日々努力しています。こなすべき課題や目標を与えられ、それらをクリアすべく全力で取り組んでいます。向き合い方に個々の差はあれ、このことは多くの子どもたちに言えることです。にもかかわらず、親がいい加減に手を抜いてしまう、わからないことを曖昧に済ましてしまうというのはとても残念なことです。

これは受験するかしないかにかかわらず、子どもを教育するすべての親にとって重要なことではないでしょうか。

すべてのカギとなる「教育方針」

小学校受験では、教育方針や志望動機などを面接でも聞かれますが、文章として書けないと、説得力を持って答えることはできません。自分の考えを整理し文章にまとめることは、わが子の将来や人生に対する思いを確認し、自分の言葉として語ることにもつながります。文章力を鍛えることは、親御さんご自身を磨き上げることでもあるのです。

とは言え、教育方針を明確に言える親は決して多くはありません。「将来こういう人になってほしい」と漠然と思っていても、なかなかうまく言葉に表せないというのが普通です。「そもそも教育方針ってなんだろう?」と首を捻ってしまう人も少なくないと思います。

教育方針というと難しく聞こえますが、一言で言えば「教育において何を大事にしたいか」ということです。例えば、「外でたくさん遊んで、元気で活発に体を動かしてほしい」と思ったとしたら、さらに一歩進めて「そこから具体的に何を学んでほしいか」「そのためにどう行動に移せばいいか」などを考えてみるといいでしょう。

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縄跳びやかけっこが好きなら「目標を持ってチャレンジすることが大事」だと伝えたり、失敗しても手を出さずそこからどう行動するかを一緒に考えたり。

また、「自然に目を向けること」「好奇心旺盛であること」が大事だと思うなら、散歩しながらお天気や季節の移り変わりについて話したり、公園遊びの中で草花や木々の変化に目を向けさせてみる。

そうやって日々の暮らしの中から深掘りしていくと、単に「元気な子になってもらいたい」「好奇心旺盛な子になってほしい」だけではない、「教育で大事にしたいこと」や「こういう人になってほしい」というわが家ならではの教育方針が見えてくるのではないでしょうか。

中には親が大事にしたいと思っているものと、子どもの個性が異なる場合もあるでしょう。例えば親としては外で活発に遊んでほしいのに、子どもはお家で本を読んでいるのが好き。そんなふうに親の思いと子どもの個性がかけ離れていると、残念に感じたり心配になることもあるかもしれませんが、そういう場合はやはり子どもの個性を第一に考えて、「それなら本から興味関心を広げるように」など、その子にあった切り口で教育方針に沿った取り組みを考えてみるといいと思います。

夫婦で教育方針や子どもの将来像を話し合う

教育方針のヒントは、「お子さんの名前の由来」や「親御さんの仕事」にもあります。例えば、「自分の力でまっすぐに道を切り拓く人になってほしい」と願って名前をつけたなら、「間違ってもいいから自分の考えを進んで言ってみる」といったことが教育方針になりそうですし、親御さんが仕事において「一致協力する姿勢」や「誠実に打ち込むこと」などを大事にされているなら、図らずもそれが教育方針に反映されるということも少なくありません。

「特別な教育方針などなくとも、毎日元気で楽しく過ごせればそれで十分」という考え方もあるかもしれませんが、そこから何を経験し、どう成長してほしいのかということを親自身が持っておくと、同じ経験が宝物に変わります。教育方針は本来願書を書くためではなく、子どもの豊かな成長のために考えておくものなのです。

教育方針や子どもの将来像は、夫婦どちらかだけが考えるのではなく、二人で話し合うということも大事です。一人で悶々と考えるより、二人で話し合うほうがアイディアも出ますし、考えも明確になります。何かきっかけを見つけて、「こういう人になってほしいね」「教育ではこういうことを大事にしたいね」というお互いの思いをぜひ話し合っていただきたいと思います。

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二人の考え方が全然違う場合もあるかもしれませんが、そこは違いを認め受け入れ合うなどして、ある程度共通項を見出しておくようにしましょう。二人の思いがある程度一致していないと、子どもに対して全然違うメッセージを出すことになり、子どもを戸惑わせてしまいかねません。意見や内容の違いはあるにしろ、「大事なものは何か」という点だけは両親の間でしっかりと共有するのがおすすめです。

また願書や作文を書く際も、人が読んでわかるかどうか、他人に伝わる文章になっているかどうか、二人で協力して確認しましょう。小学校受験の願書はよく「親のラブレター」などと言われますが、愛情をこめればよいというものではありません。「親の論文試験」くらいの気合で取り組んでもらいたいもの。一方的な熱意や思いだけでなく、自分たちの考えや価値観をわかりやすく相手に伝えるのが大事だということを、忘れないでいただきたいと思います。

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