「世界基準の才能」と絶賛! 日本代表「ベネズエラ戦出場15選手」を金田喜稔が査定

「世界基準の才能」と絶賛! 日本代表「ベネズエラ戦出場15選手」を金田喜稔が査定

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  • 更新日:2018/11/18
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日本代表「ベネズエラ戦出場15選手」を金田喜稔が査定【写真:Getty Images】

解説者が“プロ目線”で5段階評価 南野は「常に得点の匂いがする選手になった」

日本代表は16日に国際親善試合ベネズエラ戦に臨み、1-1の引き分けに終わった。新体制4試合目となった一戦で、森保一監督は10月のウルグアイ戦(4-3)から3選手を入れ替え、GKにA代表デビューとなるシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、最終ラインに東京五輪世代のDF冨安健洋(シント=トロイデン)、“森保チルドレン”の一人であるDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)を起用した。

そのなかで日本は、前半に酒井宏樹(マルセイユ)が先制点を決めるも終盤にPKで失点し1-1のドロー。新体制発足からの無敗は継続も、連勝は「3」でストップした。

この一戦を、エキスパートはどのように見たのか。1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」としてその名を轟かせ、日本代表としても活躍した金田喜稔氏が、ベネズエラ戦に出場した全15選手を5段階で評価(Aが最高、Eが最低)。PKで1失点を喫したものの、守備陣の新星には称賛の言葉を並べた。

◇    ◇    ◇

<FW>
■大迫勇也(ブレーメン/→後半23分OUT)=B

周囲の選手の能力を引き出す動きや巧みなボールキープは、この試合でも安定していた。前線からの守備もしっかりこなすなど、パフォーマンス自体は悪くなかった。だがブレーメンでいろいろなポジションで起用される影響もあるのかもしれないが、シュート0本は物足りない。日本のセンターフォワードとして、やはりゴールは求めたい。

<MF>
■南野拓実(ザルツブルク/→後半32分OUT)=B

4試合連続ゴールこそ奪えなかったが、シュートに対する意識、チームとしてシュートを生み出すための走り込みはできていた。現代表チームのゲームメーカーは両サイドハーフで、トップ下の南野はセカンドストライカーとして、大迫と連動しながらいかにシュートシーンを生み出せるかがポイントになるが、その部分はベネズエラ戦でも十分やれていた。クラブでもゴールを決めている勢いは感じたし、常に得点の匂いがする選手になった。守備時にプレスをかけるタイミング、迫力も評価したい。

試合勘が欠如する柴崎だが「後半の修正力はさすが」

■中島翔哉(ポルティモネンセ/→後半23分OUT)=B

いつもどおりの中島だったという印象で、仕掛けた時のプレーの選択肢が多い。体からボールが離れない同じフォームのドリブルによって、対峙した守備者に的を絞らせず、自分の形になれば迷わずミドルシュートを狙っていた。どんな相手とやっても、自らのスタイルはブレないという強さを改めて示したが、決めなくてはいけない1対1の決定機で外したため「B」評価とした。

■堂安 律(フローニンゲン/→後半32分OUT)=B

右サイドで攻撃の起点になり、アタッキングサードでリスクを冒すプレーと、ハーフウェーライン付近でチームに安定感を生むプレーの使い分けはできていた。個人的には、少し周りを使いすぎている印象があり、もっと自らが主導権を握って仕掛けてもいい。前半26分にターンからGKと1対1になった場面は、ゴールに対して体が正面を向きすぎてしまい、利き足とは逆の右足で逆サイドへ転がすしかない状況となり外してしまった。ボールの置きどころを含め、本人にとっては悔やまれるシーンだろう。

■遠藤 航(シント=トロイデン)=B

後方に構えてコンビを組んだ柴崎をサポートした。ただ、個人的には青山敏弘(広島)と組んだ時のような、前に出て行く姿をもっと見たい。彼の能力を考えれば、最終ライン4人の前に張りつく選手ではない。より高い位置で攻撃のリズムを作り、ピンチの時は高い位置で相手の攻撃の芽を潰しインターセプトを狙っていく。そんなアグレッシブな持ち味を、より出せるような関係性を築いてもらいたい。

■柴崎 岳(ヘタフェ)=C

所属するヘタフェで試合に出られない以上、パフォーマンスは落ちる一方だ。ゲームの感性、チャレンジする勇気に欠け、消極的になることでミスを恐れて横パスばかりになる。まさに前半はそんなプレーに終始しており、体と頭のコンディションが落ちている印象が拭えなかった。裏返せば、そんな状態の柴崎を起用するところに、アジアカップを視野に入れた森保監督の信頼と、試合勘を少しでも取り戻させたいとの意図が垣間見える。後半、少しペースを取り戻し、チャレンジするプレーを増やした修正力はさすがと感じさせるもので、「D」ではなく「C」評価とした。

冨安には「未来の最終ラインのリーダーになれる素質がある」

<DF>
■酒井宏樹(マルセイユ)=B

日本代表での初ゴールを決め、右サイドでどんな相手と対峙しても1対1のフィジカル勝負で負けない強さを見せていた。限りなく「A」評価に近いパフォーマンスだっただけに、終盤のPK献上は残念。疲れているなかでつい体が浮いてしまい、ジャンプしてしまった。その落下地点で相手に体を入れられ、相手が倒れた。跳んで地面から足が離れたら、人は自らの動きを十分にコントロールできない。2点をリードしていたわけではないし、ペナルティーエリア内では慎重に判断してほしかった。

■冨安健洋(シント=トロイデン)=B

序盤に失点を防ぐ間一髪のクリアからゲームに上手く入り、リズムに乗ることができた部分は大きかったが、冨安のフィジカル、高さ、フィード能力は試合に出れば出るほどさらに伸びていく印象だ。高さという部分は確実に計算ができ、安心感をもたらしてくれる。周りをしっかり首を振って見ていて、自分の前にいる選手へのコーチングも、ラインコントロールも気にしながらプレーできていた。未来の最終ラインのリーダーになれる素質を持った選手。昌子が復帰すれば当然ポジション争いが待っているが、このパフォーマンスなら吉田の控えにもなれる。そうした計算もできるくらい、楽しみな存在になった。

■吉田麻也(サウサンプトン)=B

クラブでなかなか試合に出場できていないが、パフォーマンスは悪くなかった。目を見張ったのは、中盤で柴崎と遠藤が相手にプレスをかけられてボールが収まらない時のフィードだ。左のセンターバックを務めるなか、利き足とは逆の左足でフィードをしたシーンが何本かあったが、その精度は低くなく、蹴る時のフォームもきれいで、さすがだなと感じさせた。左センターバックは、どうしても左足で蹴るべき場面が増えるが、難なくこなせるのは器用だし、吉田のCBとしての総合力が上がっている証なのだろう。

■佐々木翔(広島)=C

1対1の守備、176センチでもヘディングが強く、フィジカル能力も含めて森保監督は期待しているのだろう。ただ、Jリーグレベルではこなせても、まだ代表レベルではプレーの判断が少し遅い。追いつめられ、チームが苦しくなるようなパスを結果的に出してしまうシーンも散見された。ポテンシャルはあるだけに、頭の中の状況判断のレベルアップをもう少し求めたい。

シュミットが圧巻のA代表デビュー 「日本におけるGKの概念を確実に変える」

<GK>
■シュミット・ダニエル(仙台)=B

無失点なら「A」評価というパフォーマンスで、代表デビュー戦とは思えないほど非常に落ち着いていた。特筆すべきは最終ラインからのバックパスを受けてからのキック精度だ。GKは足もとが苦手だと、蹴る前の準備動作が必要になるため、体からボールを離して蹴ろうとする。その距離が長くなりすぎてプレスをかけにきた相手にかっさらわれたり、コースを切られるというピンチを迎えることがあるが、シュミットの場合、足もとにボールを置いた状態から淀みのないキックフォームで、ハーフウェーラインの約15メートル先まで蹴ることができていた。もちろん、197センチという身長も日本におけるGKの概念を確実に変えるだけの素質。ベネズエラ戦でも相手のクロスをジャンプしないでキャッチするシーンもあった。細かなステップワークやコーチングなど、トータルな部分で伸ばすべき点はあるのだろうが、絶対に育てなくてはいけない世界基準の才能を持った人材だ。

<途中出場>
■原口元気(ハノーファー/←後半23分IN)=B

短い時間の中でも自らの良さを左サイドで出してシュートまで持ち込むシーンを作った。中盤で相手に取られることなくキープし、アタッキングサードでクロスやシュートまで持ち込める。ゲームを壊さずに自身の“ブランド力”を示すあたり、さすがはワールドカップで活躍した選手だ。

■北川航也(清水/←後半23分IN)=C

Jリーグで日本人選手3位の13ゴールを決めているのは立派。だからこそ、良さはゴールに絡むプレーのはず。途中出場から1トップ、トップ下に入りチャンスを得たが、得点への意欲は少し物足りない。もっと貪欲な気持ちでやってほしい。

切り札として投入も、杉本は「プラスアルファをもたらせなかった」

■伊東純也(柏/←後半32分IN)=評価なし

出場時間が短く「評価なし」としたが、前を向いた時のスピードはこの試合でもしっかりとアピールすることができていた。現代表の中でジョーカーとしての魅力があるし、アジアカップに向けても必要な人材だろう。

■杉本健勇(C大阪/←後半32分IN)=評価なし

出場時間が短く採点は付けないが、この試合で唯一の「D」評価という印象だ。鈴木優磨(鹿島)の負傷により追加招集され、ピッチに立つチャンスを得たのに、相手最終ラインへのプレスという面でも大迫らに比べて貢献度が低かった。相手にとどめを刺すべき時間帯に投入されながら、チームにプラスアルファをもたらせなかった。

[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)

1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

(Football ZONE web編集部)

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