政府支援で加速の中国のAI開発、バイドゥは米国で人材獲得開始

政府支援で加速の中国のAI開発、バイドゥは米国で人材獲得開始

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2017/11/15
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人工知能(AI)領域において、中国は米国の先を行く存在になりつつある。中国のAI企業らは民間企業だけでなく、政府の支援を受けて拡大を遂げつつある。

中国政府はAIを国家のセキュリティ面や犯罪の防止、都市交通の整備に活用しようとしている。中国はAI分野で世界をリードするポジションを目指し、2030年までにAI産業を1500億ドル規模に成長させようとしている。

北京本拠の顔認証分野のスタートアップ企業「Megvii」は先日、政府系VCから4億6000万ドル(約522億円)を調達し、同じく中国の顔認証企業のセンスタイム(SenseTime)が7月に調達した4億1000万ドルの記録を突破した。センスタイムの調達額は7月時点では、AI企業が一度の調達ラウンドで取得した調達額の最高額だったが、Megviiはこの記録を塗り替えた。

中国政府はAI分野への投資を今後も活発化させる構えで、年内に10億ドルをAI関連に注ぐと宣言している。

北京大学でマシンラーニングの教授を務めるZha Hongbinは「中国科学省は数百億人民元を、AI関連に出資する用意がある」と述べる。浙江大学のコンピュータサイエンス教授のWu Feiも、「中国政府はAIだけでなく独自の半導体開発に向けて、150億ドル以上の資金を2020年までに注ぐ構えだ」と述べた。

Wuによると「中国はAI分野での投資に本腰になっている。ここ数年でテクノロジー分野への政府の支出額は大幅に増加し、海外諸国を上回っている」という。

一方でアリババやバイドゥ、テンセントらの民間企業も近年、グーグルやフェイスブックをライバルに見据え、盛んに海外投資を行っている。10月にバイドゥはシリコンバレーに研究拠点を開設し、2020年の中国での自動運転導入を視野に人材獲得に乗り出した。アリババもまた、今後3年間で150億ドルを注ぎ、AI関連の人材獲得を行うと宣言した。

AI分野での中国企業の強みは、西側よりも穏やかなプライバシー保護意識にある。中国企業らは7億5000万人に及ぶインターネット利用者のデータを、アルゴリズムのトレーニングに役立てることが可能だ。その一方で、米国政府はAI分野での中国の躍進への警戒の目を強めている。

米国はAIの軍事利用を警戒

AI分野での中国のテクノロジーは主に平和的利用に主眼が置かれているものの、トランプ政権は中国政府がAIを軍事目的で利用することを警戒している。中国人民解放軍はAIを用いた無人探査機やドローン、潜水艦の開発を進めている。

中国企業がAI分野でシリコンバレー企業への投資を活発化させるなかで、米国は監視の目を強化しようとしている。その一例と言えるのが中国の政府系ファンド「Haiyin Capital」が米ボストン本拠のAIスタートアップ「Neurala」に対して行った昨年の120万ドルの投資だ。NeuralaはNASAや米空軍にもナビゲーションソフトを納入しており、同社は「中国の出資元には技術のコア部分であるソースコードを開示しない」と宣言した。

また、中国では活発な政府による投資が、「AI分野でバブル状態を引き起こしつつある」との見方を北京大学のZhaは提示している。

AI分野での人材のクオリティ面では米国が依然として中国を上回っている。AI領域に限らず、人工知能を実用レベルに引き上げる、認知科学領域の人材で中国はまだ米国に追いつけていない。

「政府の支援や大手の民間企業の活発な投資意欲があるとは言え、中国はAI分野で依然として米国になんとか追いつこうというポジションにある。ただし、ここから先には大きな飛躍が期待できる」と、北京大学のZhaは述べた。

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