SAが語る、日本のパンクロックシーンで独自の進化を遂げた自負

SAが語る、日本のパンクロックシーンで独自の進化を遂げた自負

  • RollingStone
  • 更新日:2016/10/19
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SAが語る、日本のパンクロックシーンで独自の進化を遂げた自負

日本のパンク界の宝・SAがメジャー移籍後初のオリジナル・フルアルバム『WAO!!!!』を10月19日にリリースする。このアルバムが、とにかくSAらしく骨太、赤裸々でありながら、サウンドバリエーションが豊富且つハッピーで兎に角素晴らしい。アルバムに込めた想いをTAISEIとNAOKIに聞いた。

-今作は、去年7月の野音の大成功の後、メジャー移籍があり、ベスト盤『ハロー・グッドバイ』が今年1月にリリースされ、2月からは野音のドキュメンタリー映画『劇場版SA サンキューコムレイズ』が上映、春に行われたツアーも大成功を収め・・・と、SA史上最も充実した時間を過ごした後の、満を持してのメジャー移籍後初のオリジナルアルバムとなったわけですが。

TAISEI:どうだった?

―その出来、テンション共に予想を越えた内容でしたし、曲も従来のパンクというものを超えた内容で、それでいてSAらしいっていう。正直、SAを甘くみてました。傑作ですし、本当に御見それしました! という感じです。

TAISEI:甘くみてたか(笑)。正直だなぁ。でも気に入って貰えて嬉しいよ。で、メジャーだからこういうアルバムを作ったわけじゃなくて、インディーだろうがこのレコードを作ったと思うよ。このアルバムの感想として、"音楽性が広がった"っていう意見を聞くんだけども、俺ら、本当にもともとが広いのよ(笑)。それをちゃんと明確に見してやろうかなっていう。ライヴで、よく"ざまあみやがれ!"って言うんだけど、"ざまあみやがれ!"なアルバムをちょっと作ったろうかなと。

NAOKI:レコーディングスタッフが一新されてるのもデカいんだけどね。それによって音の広がりが出てるとは思う。セルフプロデュースやったら、もしかしたら前作が限界だったのかな。今回は、半ば共犯者の知恵もあるから(笑)。

TAISEI:メジャーに行って、レコード会社のスタッフも含めて仲間が増えたなかで、SAの音を少し客観的に見てくれる人が増えたっていう面ではよかったよね。

―作り出す前はバンド内でそういうアルバムにしようと?

NAOKI:いや、特になく。いつもこんな感じで会ってる時に、何気なく出る会話のなかに、この先向かうヒントが転がってるからね。

TAISEI:でさ、お酒飲みながら馬鹿話をしてる中で持ち上がるのが、歌謡曲だったり、子供の頃よく聴いた日本のロックだったりっていう話で。そういう音楽を、自分らのDNAの中に流れてるものだし俺らは否定してはいけないだろう、と。そこを出したいよねっていうのが強くなったのが今作かな。

―音楽スタイルじゃなくて、身体に入ってるものを素直に出すのがSA流パンクというか?

TAISEI:そう思っていて。そういう意味では、今パンクロックっていうシーンがあるとするなら、僕らだけで進化を遂げたものだという自負はあってね。それは俺ら"ガラパゴス・パンク"って呼んでるんだけど。

―略すとガラパン(笑)。

TAISEI:(笑)。そういう意味でこの作品で、"どうだ参ったか! 俺らはパンクだぜ!"って、ちゃんと言いたいし。マイノリティであることがパンクであるのだったら、僕らまっぴらゴメンだしね。そういう意味では自分らの持っている、キャッチーな部分とかポップスの部分、それとさっき言った歌謡曲であったり、昔のロックンロール=オールディーズといった自分たちのDNAに流れているものをちゃんと自分たちの中で表現できた。そしてそれが俺らのパンクだっていうことを胸張って言いたい。

―その胸張ってる感が音に出てますよね。アルバムの最後の曲『CLUNKER A GO-GO』なんて、音がライヴレコーディングというよりライヴ会場なんですよ。どうやったらこんな空気感出るのかなぁって。

NAOKI:レコーディングの時、俺ら6〜7割、笑ってますよ。それがデカいような気がする。目と目を合わさずに、パーテーション張って演奏してたら、こんな音は出ないでしょ。

TAISEI:そうかもね。

NAOKI:それ、絶対大きいですよ。俺、レコーディングの時、ものすごいメンバーを見つめてるからね(笑)。うりゃーーーーー!って。それが、伝わるんだと思うし。生き物だから。しかも4人でしか化学反応を起こせないんだから、自ずといいぞ!って感じが出てくるし、そこから躍動感も生まれるし。だからミスしても笑っちゃってる、"こけたこけた"言うて(笑)。"いーよいーよ、もう一回いこう!"みたいな。もし "・・・"って空気になったらビートが止まるからね。

TAISEI:本当に、ロックって、もっと言えば音楽ってそうやってメンバーみんなでやるもんだと思う。それがいつの間にかパートごとに録って、それを重ねていくようになってるでしょ? でもロックは積み重ねじゃねぇよ。ロックは塊ですよ。

―確かに。そして詞に本当に嘘がない。

TAISEI:本当に無理なんだよね、嘘を歌うの。"お前、嘘ついてんじゃない?"ってことは歌いたくないよね。

―なるほど。

TAISEI:歌詞だけで言ったら、自分の恥ずかしいところや見せたくないところを出して、いわば人生を切り売ってるわけですよ。それは、切り売ってまでやらなきゃいけないことだと気づいたから。自分が表現者として、そうやるしかないっていうのが俺のなかのロックなんだよね。だから何に悲しかったかって考えた時に、思い浮かべたことをぶつけてるよね。

NAOKI:TAISEIとはこれだけ一緒にいてさ、プライベートから何から何まで知り尽くしてて、しかもどことなく似たような環境にいるから。だから、歌詞を見ると"そのままのことを書きよったな!"と思うんだけども、必ずいくつかは自分の中にあるものなんだよね。実際、俺もバンドやってて、ファンタジーなこと歌いたくねぇから(笑)。ありもしねぇ想像物をあげて歌うのは嫌だから。そういう想像物で固めた歌詞でメッセージを作る人らもいるのかもしれないけど、俺らは、ストリートに立ってる俺たちがそのままある詞の方が好きだからね。そのほうが感情が入りやすいから、俺ら赤裸々バンドとしては(笑)。

TAISEI:赤裸々になっちゃうと理論武装する必要性もないし。面倒くさくなっちゃったし、理論武装の時はもう終わったんだよね。

―だからリスナーはやられるんだと思います。普通は理論武装しちゃいますもん、傷つくのが怖いから。

TAISEI:傷つくのは怖いよ。怖いんだけど、理論武装がバレた時もまた怖いのよ(笑)。

―そうかも(笑)。

NAOKI:それを補う経験を俺らはしてきたんだと思う。バンドとしての歩みとか、人間としても、もう50(歳)前後の男だし。そりゃ散々ド痛い思いもしてるし、不安だし、5年後10年後のことまともに考えたら怖くてしょうがない。だけど、今本気でやるしかねえだろっていうかね。自分らで、ここで地に足を付けるしかないっていうか。頼りない足取りだったかもしれないSAの4人が、ここまでガッツリと土俵入りして踏んばってる、みたいなところあると思いますよ。だから武装の必要がなくなったのかもしれない。たぶん、それよりも自信のほうが前に来たっていうような気がしますけどね(笑)。

―SAの歌って、そういう仲間を増やそうとしてる歌なんだと思うんです。お前らも理論武装やめてみたら? っていう。

TAISEI:それはすごくあると思う。でも、同業者を見てると、壁作っちゃって大変だろうなぁって思うし。歌詞の世界も、一生懸命に辞書を引いたんだろうなあとか。本を読んできて、いろんなところからそのまま持ってきてるんだろうなとかさ。

NAOKI:バレるよね。

TAISEI:うん。

NAOKI:この前のライヴ後、楽屋に挨拶にきた若いパンクバンドのヤツらが"感動しました! こんなに開いているパンクをありがとうございます!"って言っていて(笑)。でも、それがやっぱり俺らなんやろうなって。"SAはパンクバンドとして見てるけど、他のパンクバンドとは違う"って言ってたから。"開き方が半端ない。アッパレでした!"って。俺らのダイレクトなメッセージが、そこでそいつらに響いたんやろうなぁ。

―そうだと思います。今回のアルバムの中で僕の中でのクライマックスは、3曲目の『誰が為の人生だ』で。この曲はサウンドもキーボードが入っていて新鮮ですが、"それでもやっぱり勝ちてぇなぁ"っていう歌詞がとてつもなく力強かったし、今のSAを表していると思ったんです。

TAISEI:俺はここまで"勝ちてえ"って思って来たんだよね。それはずっと変わらない気がする。よくステージで言うんだけど、"人生、勝ち負けがあるなら勝たなきゃいけない"っていうのが俺の持論だし。それが今の時代だと暑苦しいのかもしれないけど。"勝ち負けなんかじゃなく、みんな平等で、世界にひとつだけの花でいいじゃない?"って言われても"いやいや俺はぜったい勝ちたい!"っていうのが心の声として出るしね。

―あと"ファンと一緒に"勝つっていうことに拘ってますよね。『CLUNKER A GO-GO』はそういう歌だし。

NAOKI:あいつらは何もない時から、俺らのことを見つけてくれてたからね。媒体にもほとんど出ない時から、足繁く来て俺たちのライヴを応援してくれて。

TAISEI:"SAは絶対いいんだ"って、ずっとライヴに来てくれてたからさ。そういうヤツらを裏切れない。そういう仲間意識というか、"俺たちは一緒に行くんだ"みたいなところは、絶対にSAにはある。俺らとお前らで野音には行ったし、"今度はもっとでかいとこ見ようぜ!"っていう。

―ええ。そしてツアーが始まりますね。

TAISEI:いつも通りやるけど、内容的には今回のアルバムの作品が中心になるんだけれども、いろんな表現の曲があるから。それをどういう風にライヴで表現しようかなって今リハでやってるところなんだけど、そういう意味ではちょっと広がったというか、自ずとバラエティに富んだライブにはなるんじゃないかな。

NAOKI:あと、アルバムの1曲目で"ピーハツグンバツWACKY NIGHT"って言い切っちゃってるからね。ピーハツ感がやっぱり核になってくるでしょ。

TAISEI:でもやっと"ピーハツ"って言えるまで来れたなって。前だったらハッピーって言ってたんじゃない? 今は"ピーハツ、いいじゃん!"みたいな(笑)。それぐらい笑えてステージをやれるようになってきたし、いい意味の余裕が出てきたね。そう、今、余裕はありますよ。誰にも負ける気しないもん。

NAOKI:くくくくくくくく(笑)!

TAISEI:実験したいんだよね、音楽で。オールディーズとハードコアを合わせたらどうなんの? とか、歌謡曲とパンク合わせたら・・・とか。そういう音楽の実験がずっとやりたかったんだよね。SAってナリがパンクバンドだからそういうイメージにとらわれがちだけど、今やっと、今までのパンクムラ村だけじゃないヤツらに見せられるようになった時に、"SAってけっこうグローバルじゃん"っていうところをずっと前から見せたかった。そういう場所ができたのはすごくよかったなと思ってて。しかもこれでパンクバンドの連中と一緒にもしやったとしても、負ける気しないし。やることはもうゴリゴリ行くからね。

SA

エスエー ◯ 1984年、当時高校生だったTAISEI(ヴォーカル)を中心に結成。3年足らずで解散するも、99年にTAISEIのソロ・プロジェクトとして復活。2002年に、NAOKI(ギター)、KEN(ベース)、SHOHEI(ドラム)が加入して現メンバーとなり、『GREAT OPERATION』をリリース。05年にはイギリスのパンクレレーベルANAGRAMよりベストアルバム『SAMURAI ATTACK』をリリースしてヨーロッパでデビュー。09年には全米横断ツアーを敢行し、11年には台湾でCDデビューを果たすなど、国外でも活動している。15年7月に初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライヴを成功させ、同年にテイチクエンタテインメント・インペリアルレコードよりメジャーデビューを発表。10月19日にニューアルバム『WAO!!!!』を発売する。

http://sa-web.jp/index.html

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WAO!!!!

インペリアルレコード

10月19日

LOVENROLL TOUR

2016年

11月3日(木・祝)千葉LOOK

11月5日(土) 宇都宮HEAVEN'S ROCK VJ-2

11月6日(日) 水戸LIGHT HOUSE

11月12日(土) 盛岡the five

11月13日(日) 郡山♯9

11月19日(土) 静岡UMBER

11月20日(日) 岡山ペパーランド

11月22日(火) 熊本django

11月23日(水・祝) 広島Cave-Be

11月25日(金) 奈良NEVER LAND

11月26日(土) 松坂M'AXA

12月3日(土) 金沢VAN VAN V4

12月4日(日) 新潟RIVERST

12月8日(木) 神戸 太陽と虎

12月10日(土) 高知Xーpt.

12月11日(日) 高松DIME

2017年

1月13日(金)札幌BESSIE HALL

1月15日(日)仙台MACANA

1月18日(水)福岡graf

1月20日(金)大阪ShangriーLa

1月22日(日)名古屋CLUB QUATTRO

1月29日(日)赤坂BLITZ

http://sa-web.jp/top.html

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