【木村和久連載】ゴルフレッスンも「オレ流」時代へ。それでいいのだ

【木村和久連載】ゴルフレッスンも「オレ流」時代へ。それでいいのだ

  • Sportiva
  • 更新日:2017/12/07

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第133回

最近、プロやトップアマの方々とラウンドして指摘されるのが、自分の一風変わったスイングです。

ここ1年間は五十肩だったこともあって、トップが浅く、フォローが取れません。ボールを打つのはなんとかなっているんですが、とりわけ問題なのはフォローですね。右手を伸ばしてクラブを返すことができないのです。

その結果、どういうことが起きるかというと、ボールを打ったあと、クラブの遠心力につられて、右足が地面から離れて左足より前に出るという、超へんてこなフォローになるのです。そうして、右足が前を向けば、顔は左といった感じで、フィニッシュ時には顔が左を向いてしまい、ボールの行方をなかなか追えません。

先日、このスイングで某ツアープロとラウンドしたのですが、「フォローがすごいね。まったく形になっていないもの。なんでボールが当たっているのか、理解不能です」と褒められているのか、けなされているのか、よくわからないコメントをいただきました。

いやぁ~、これは恥ずかしいですよ。どれぐらい恥ずかしい打ち方をしているか、おぼろげにはわかっていますから。

でも、その姿をはっきりとは認識したくはないのです。先日、友だちのカメラマンとたまたま一緒に仕事をすることになって、そのときにラウンド写真を撮ってくれたのですが、「動画も撮ってあるけど、見てみる?」と言われて、丁重にお断りさせていただきました。

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変なスイングでも、結果がよければいいと思うんですけどね...

なぜかって、己の姿の醜さに油汗たら~り……って、それは「ガマの油売り」の口上じゃないですか!? そうじゃなくて、というか、そういうことでもあるんですが、自らのへんてこなスイングを見てショックを受けて、今後ゴルフができなくなる恐れがあるから遠慮しておきました。

なんでこんな話をするかというと、最近は人それぞれの個性に合わせたレッスンや指導法が意外と人気を博していて、どんなスイングであっても、その人の個性を認める動きになっているからです。

きっかけは、NHK Eテレの『趣味どきっ!』という番組でしょうか。この番組では、現代人の幅広い趣味の中からひとつをピックアップし、その道の第一人者を講師に迎えて、濃密なレッスンなどを行なうのですが、ゴルフもその題材として取り上げられたのです。

ゴルフはシリーズ化されていて、ズブの素人にゴルフを教える企画でした。そして、3回目の放送は「美しい俺流を身につける」。そのタイトルにびっくりさせられました。

先生は、片山晋呉プロを賞金王に導いたことなどで知られる谷将貴プロ。教わる男性陣の生徒は、俳優の勝野洋さん、タレントのモト冬樹さんといった面々でした。

勝野さんは、刑事もののアクションドラマなどでも大活躍した方ですから、おそらくゴルフもこなせるでしょうが、問題は文化系タレントのモト冬樹さん。ゴルフがとても苦手そうに見えたので、俄然注目して見ていました。

実際、なんでこの人がゴルフ番組に出ているのだろう? といった違和感が画面を通してもひしひしと伝わってきていましたしね。ショットを打つことになると、もうおっかなびっくりといった感じで、おどおどしながらなんとかボールを打っていました。

でも、ゴルフの苦手な視聴者から見れば、モト冬樹さんになんぼ勇気づけられたことか。そして谷プロも、モト冬樹さんには自分の個性を生かして、好きに打ちなさいと指導。それこそ、多くの人たちに希望を与えたと思います。

以来、ゴルフという言葉に「自己流」や「個性を伸ばす」という言葉を加えて検索すると、結構な数のレッスン記事や動画がアップされていることに気づきました。実は今や、個性を伸ばす教えは、レッスンの主流に近いものになっているのではないでしょうか。

少し前では、考えられないことです。各コーチや指導者によって、クラブの握り方から、アドレス、トップ、フォロー……までの基本があって、その理論どおり、コーチの教えどおりに実践することを求められてきましたからね。

以前、ゴルフ留学をしてきたという一流のレッスンプロにバンカーの打ち方を教わったときもそうでした。「サンドウェッジのフェースを開いて、バンスを利用して打つ」と、超正統派の理論しか教えてくれませんでした。

でも個人的には、サンドウェッジを開いて打つとシャンクばかり。バンカーを脱出する以前に、ゴルフになりません。ゆえに、そのときも自分はサンドウェッジを開いて打つのは苦手なんですが……的な話をチラッとしたのですが、「ゴルフはそうなっているから」と、そのレッスンプロはまったく取り合ってくれませんでした。

心の中では「だからぁ~、フェースを開いて打つと、そもそもボールが当たらないって言っているでしょ」「そんな下手なやつには教えることができないですかね」と毒づいていましたけど。

ちなみに、私はバンカーショットでは、サンドウェッジでそのままボールを打ちます。しかも、柔らかい砂用と硬い砂用の2タイプのウェッジを用意して使い分けています。

バンカーに足を踏み入れて、シューズが埋まるようだったら、それは柔らかい砂。そのときは、ウェッジの後ろ側にある錘(おもり)みたいな塊、すなわちバンスのデカいウェッジを使います。

現在使用しているのは、バンス角14度で、かなり分厚い構造になっています。それを、ただ振り下ろせばいいんです。それで、バンカーからは十分に脱出できます。

逆に、雨上がりなどで砂が硬くなっている場合は、バンスの小さいウェッジでそのまま打ちます。硬い砂の場合、バンスがありすぎると、跳ね返ってホームランになることが多いからです。

あと、グリーンまで50ヤードぐらいの中途半端なバンカーショットは、ピッチングで打ちます。普通にハーフショットすれば、そこそこうまく出せます。

これが、私の自己流バンカーショットで、みなさんに公開したら、結構喜ばれました。

1920年代から1930年代に活躍したアメリカのプロゴルファー、ジーン・サラゼンが生み出したとされるバンカー専用のクラブが、サンドウェッジと呼ばれています。でも、バンカー専用ならば専用らしく、そのまま打って出せるように作ってほしかったですね。「フェースを開け」というなら、開いた状態で売り出せばいいのに……って、まあそれはそれで、打ちづらいような気もしますが……。

要は、基本や各コーチの理論がすべて正しいとは限りません。自己流であれ、それで結果がよければいいのです。

だいたい、素人が楽しくゴルフを覚えていかないと、新しくゴルフを始めようとする人なんていませんよ。どうにも馴染まない打ち方を強要され、それでうまくいかなければ、嫌になるのも当然です。

ゴルフには、決まり事やルール、マナーなど、やらなければいけないことが多すぎます。スイングぐらい、のびのび打たせてほしいですよね。そんなふうに思う、今日この頃です。

かつて、世界でも活躍した青木功プロはとても個性あふれる選手でした。青木プロのパターは「神パター」と称され、全米オープンでは”帝王”ジャック・ニクラウスとも死闘を演じています。

でも、その打ち方は独特なもので、パターのトゥを浮かせて斜めにして打ちます。3年ほど前、青木プロのラウンドについて回る機会があって、パットの際はじ~と見ていたのですが、そのときもばかすか入っていました。個性も捨てたものじゃないんですよ。

基本、ゴルフを楽しめるなら、なんだっていいのです。昔は裸足で打っていた人がいました……って、それは『プロゴルファー猿』だってば。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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