韓国ではじまった5Gサービス!ソウルで現地3キャリアの速度をテスト

韓国ではじまった5Gサービス!ソウルで現地3キャリアの速度をテスト

  • RBB TODAY
  • 更新日:2019/05/17
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韓国ではじまった5Gサービス!ソウルで現地3キャリアの速度をテスト

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2019年4月3日から韓国で5Gサービスが始まった。SKテレコム(SKT)、KT、LG U+という韓国3つのMNOが同時にサービスインした5G、その実力はどれほどなのか。3社の端末を使って韓国の首都、ソウルでテストを行った。なお3社のスマートフォンはいずれもサムスン製の「Galaxy S10 5G」を利用した。

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韓国・ソウルで5Gの速度テストを行った(写真はLG U+)

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3社ともGalaxy S10 5Gを販売している。左からSKテレコム版、KT版、LG U+版

今回は日本でWi-Fiルーターのレンタル事業「グローバルWiFi」を展開しているビジョンの協力をいただき、同社のソウル事務所で3キャリアの端末をお借りしてテストを行った。また速度テストには日本でも定評のある「RBB SPEED TEST」と「Speedtest」、韓国でメジャーな「BENCHBEE」、そしてWEBベースの「Fast.com」の4つを使用した。

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ビジョンモバイルコリア事務所で3社の5G端末をお借りした(同社ユク・チャンギル氏)

韓国の5Gサービスは5G NR方式を採用し、周波数帯は3.5GHzを採用している。またネットワークは5G単独のSA(スタンドアロン)方式ではなく、コアネットワークを4G(LTE)と共用するNSA(ノンスタンドアロン)方式を採用している。5Gサービスを開始したとはいえ、5Gの3.5GHzを単独で利用するのではなく、各キャリアはLTEの既存の周波数とのキャリアアグリゲーションを行って「5G」という名称のサービスを展開しているのだ。

Galaxy S10 5Gのアンテナ表示横のネットワーク種別を見ると、5Gのエリアでは「白抜き文字の5G」「白文字の5G」の2種類の表示が頻繁に入れ替わる。このうち白抜き文字は5G NRとLTEをキャリアアグリゲーションして接続した状態、白文字の5GはLTEのみに接続した状態となる。アンテナマーク横を見て「5Gをつかんだ!」と喜んだものの速度があまり出ないときは、この白文字の5G表示の時だった。

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手前が白抜き5Gで、5G NR+LTE接続。奥の白文字の5GはLTE接続

サービスコマンドを入力しネットワークの接続状況を見ると、確かに白抜き文字5Gの時はNRに関する情報が表示されるが、白文字5GではNRの欄は空欄だった。なおこの表示は消費者にとってわかりにくく、韓国政府はこの「LTEなのに5G」の表示に関して改善を求めている。今後の5G端末では、5G NRに接続していないときには5Gという文字の表示がされなくなる可能性がある。

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サービスコマンドで接続をチェック。左は5G NR+LTE(白抜き5G表示)、右がLTE(白文字5G)

ソウル市内では、以下11か所でテストを行った。

・KT本社前

・弘大(広場)

・弘大(カフェベランダ)

・江南駅11番出口

・江南駅10番出口

・COEX入り口

・江辺テクノマート前

・江辺テクノマート6F

・東大門LOTTE FITIN3番口

・SKテレコム本社前

・明洞芸術劇場前

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繁華街を中心に3端末を並べて速度テストを行った

まず4つのアプリで同じ場所で測定したにも関わらず、速度が大きく(10倍以上)異なることもあった。また3キャリアの差に同じ傾向がみられない場合もあった。これは接続先サーバーがアプリによって韓国、日本、アメリカと異なることや、通信環境が安定しないことも一因だったと考えられる。以下の4つのアプリの画面は同じ場所での測定結果だ。

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「BENCHBEE」(左)と「RBB SPEED TEST」(右)

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「Speedtest」(左)と「Fast.com」(右)

そのため今回は地元韓国のBENCHBEEのテスト結果を見て、3キャリアの5Gサービスを比較することにした。なお11か所、3キャリア、4アプリのデータは記事の最後に表を掲載する。BENCHBEEのデータと各スピードテストの結果から、ソウル市内の5Gサービスの品質の傾向をつかむことができるだろう。

■江南エリア 10:00頃

SKT:下り98.6/上り34.1/Ping32.1(10番出口)

KT:下り152.0/上り7.44/Ping22.7(10番出口)

LGU+:下り559.0/上り46.8/Ping56.8(11番出口)

新都心の江南(カンナム)は地下鉄駅の出口10、11番で測定し最高値を比較する。LG U+がダントツに速い一方、KTが150Mpbis、SKTもほぼ100Mbsと2社はやや物足りない結果。一方上りはKTがかなり遅く、KTは他の場所でも上りが遅いことが多かった。

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江南エリアではLG U+が強い。奥からSKT、KT、LG U+(10番出口。画面の5G表記はテスト終了直後に反転)

■COEX 10:50頃

SKT:下り444.0/上り25.1/Ping32.7

KT:下り418.0/上り38.9/Ping23.3

LGU+:下り172.0/上り51.5/Ping27.3

サムスンがGalaxy S10 5Gのイベントスペースを設置し、建屋内には5Gの電波を拾う端末も展示してあるだけに期待した場所だった。SKテレコムとKTが400Mbps以上をマークし、5Gの実力を垣間見ることができた。蛇足ながらサムスンのイベントスペースのKTの端末は700Mbps以上をマーク。LG U+は200Mbpsを切るが3社とも良好な結果だった。

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Galaxy S10 5GのイベントスペースもあるCOEXでのテスト

■弘益大学 16:30頃

SKT:下り334.0/上り61.0/Ping25.0(カフェ)

KT:下り525.0/上り24.2/Ping22.5(広場)

LGU+:下り257.0/上り8.71/Ping146.0(広場)

大学が多く集まる弘大(ホンデ)エリア。若者であふれかえっており誰もがスマートフォンを片手に道を歩いている姿が目立つ。KTが最速の525Mbpsを記録、SKテレコムとLGも速い。やはりスマートフォンユーザーの多いエリアは重点的にネットワークを充実されているものと考えられる。なおカフェは窓際でテストを行っており、室内ではなく屋外からの電波をつかんでテストした。

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大きい窓のある弘大のカフェ

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窓際では5Gの電波の入りが良かった

■明洞芸術劇場前 15:10頃

SKT:下り205.0/上り28.4/Ping27.0

KT:下り294.0/上り9.08/Ping22.5

LGU+:下り247.0/上り64.6/Ping26.1

観光客が多い明洞(ミョンドン)。路上には屋台が立ち並び、人混みにあふれかえる様は原宿の竹下通りや渋谷のセンター街に通じる。ここでは3社が200~300Mbpsをマーク。弘大より若干速度は落ちるものの、弘大同様に5Gを体感できるエリアと言えるだろう。日本人観光客も多く、日本からの5G体験にも適した場所だ。

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観光客でにぎわう明洞。人が多くとも安定した速度結果を記録した

■東大門LOTTE FITIN3番口 13:50頃

SKT:下り426.0/上り36.0/Ping23.9

KT:下り300.0/上り52.2(LTE)/Ping23.4

LGU+:下り126.0/上り52.2/Ping23.4

問屋街でもある眠らない街、東大門(トンデムン)のショッピングモールの裏口でテスト。韓国3キャリアのシェア順位をそのまま表すように、SKテレコムが426、KTが300、LG U+が126という結果になった。

■江辺テクノマート6F 12:20頃

SKT:下り220.0(LTE)/上り22.9(LTE)/Ping32.9(LTE)

KT:下り126.0/上り6.99/Ping24.5

LGU+:下り499.0/上り17.8/Ping19.8

江辺(カンビョン)にあるテクノマートは古くからあるITショッピングセンターで、地下フロアから上階までが家電やPC、携帯電話販売店で埋め尽くされていた。今はブティックやアクセサリショップ、結婚式場が入るなど業務形態は変わりつつあるが、6階には携帯電話の代理店が数百件軒を並べる「ケータイフロア」になっている。今回初の室内テストは、LG U+が約500Mbpsを出し、KTも126Mpbsをマーク。一方SKテレコムは5Gの電波は飛んでいないようでLTE接続だったが、それでも220Mbpsと高速。韓国シェア約5割を誇るネットワークの強さが感じられた。

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携帯電話代理店が数百軒以上はいるテクノマート。室内でも5Gの電波が飛んでいた(LG U+。5G表記はテスト後に反転したもの)

・KT本社前 14:00頃

SKT:下り19.4/上り62.5/Ping55.9

KT:下り48.4/上り28.5/Ping25.3

LGU+:下り104.0/上り22.7/Ping34.7

・SKテレコム本社前 15:00頃

SKT:下り189.0/上り290.0/Ping22

KT:下り290.0/上り52.0/Ping23.5

LGU+:下り188.0/上り49.7/Ping41.4

2つの通信キャリアの本社前でテストを行った。KT本社前はアンテナの向きが悪いのか各社速度はあまり出ず、皮肉にもLG U+がKTより倍以上速い結果となった。SKテレコム本社前はSKテレコムとLG U+が約200Mpbsとがんばるも、KTが290Mbpsと両者を上回った。

このようにソウル市内各所でテストを行った結果から、各キャリアは人の多いエリアを優先して5Gネットワークを充実させているように感じられた。SKテレコムとKTの本社前はオフィスエリアだが他の繁華街ほど人は多くなく、自社の「顔」である本社ビル前より繁華街で使えることを重視しているのだろう。

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5GをアピールするKT本社前だが、3キャリアとも速度はそれほど速くはなかった

実際に5Gサービスを使ってみて感じたことをまとめよう。まず待ち受け時は白抜きの5G(5G NR+LTE)と白地の5G(LTE)表示が頻繁に変わることもあり、データが大量に流れていないときはおそらくLTEで待機している状態のようだ。スピードテストを行ったり、動画ストリーミングサービスを視聴すると5G NR+LTE接続に変わるケースも多かった。LTEのキャリアアグリゲーション同様に、ネットワークの状況を監視しており、5G回線が必要になったときに5G NR+LTEとなるようだ。

またテクノマート6階は電波が入ったものの、他のショッピングビルや地下街、地下鉄駅や車内は5Gのアンテナまだ設置されておらず、屋外からの電波も届かないためアンテナマーク横に「5G」の表示が現れることはなかった。今後は屋内カバレッジをどう広げていくかが課題になりそうだ。

次に3キャリアの5Gの性能差はどれくらいだろうか。まずはやや強引だが、今回テストしたエリアの5G(LTEを除く)の下り速度の平均値を出してみた。

SKT:213.8Mbps

KT:228.6Mbps

LG U+:308.0Mpbs

韓国では10年以上もSKテレコムが加入者シェア過半数以上を確保しており、ネットワークのカバレッジも充実している。それにKTが続き、LG U+はそれに次ぐ。LG U+は4Gでかなり巻き返しを図っているが、3社の加入者の割合はほぼ5:3:2という状況で変わっていない。

ところがソウル市内に限っては、今回のテストではLG U+が最高速度を出すことが多かった。たとえば江辺テクノマート前ではLG U+が559Mbpsをマークしている。これまで万年3位だったLG U+が5Gでは挽回を狙って積極的なインフラ拡充を行っていると考えられる。

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所々のテストで良好な結果を示したLG U+(5G表記はテスト後に反転したもの)

一方SKテレコムはLTEでも200Mbps台を記録する場所があるなど、4Gでも十分高速なネットワークを構築しているようだ。SKテレコムの加入者なら5Gの接続が切れても体感的な速度低下は感じないかもしれない。

KTはSKテレコムとほぼ同等の速度を出している印象を受けたが、上りが10Mbpsを切る遅いエリアが多かった。ストリーミングサービスなどデータのダウンロードは快適だろうが、逆にスマートフォンからの映像配信サービスやデータのアップロードではストレスを感じそうだ。

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KTは上りの遅さが目立った

鳴り物入りで始まった5Gサービスということで、今回のテストでは5Gの特性の一つであるギガビットの速度が出ることを期待した。だが1Gbpsの壁を破ることはできなかった。とはいえ実際に5G接続中にスマートフォンを使ってみると、100MB程度のファイルのダウロードは一瞬で終わり、YouTubeの動画をところどころ早送りしてもバッファされることなくすぐに再生が始まるなど、5Gの速さを十分体験することができた。韓国3キャリアは5Gのカバレッジを日々増強しているので、いずれソウル市内どこでもギガビット通信を体験できるようになることを期待したい。

スピードテスト結果表

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KTは上りの遅さが目立った

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KTは上りの遅さが目立った

※テスト中に5G NR+LTE接続からLTE接続に落ちてしまったものには「*」印をつけている。またアンテナマーク表示が5Gにならず、LTEの場合は「**」印をつけている。

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