北朝鮮の対話路線転換で観光業も明るい兆し!? 新たな目玉は「ロシアへの国際列車ツアー」

北朝鮮の対話路線転換で観光業も明るい兆し!? 新たな目玉は「ロシアへの国際列車ツアー」

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2018/04/17
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20世紀最大の巨大廃墟と揶揄された平壌の柳京ホテルが一部先行開業との情報も

「8日の平壌マラソンの参加者は激減したけど今年は明るい年になりそうだ」と北朝鮮観光関係者は期待を口にする。

2月以降、北朝鮮が一転して対話路線を表明し、今月末に南北首脳会談、5月末には史上初の米朝首脳会談が行われる見込みなど北朝鮮情勢が専門家も驚嘆するほど一変しているのがその理由のひとつだ。

先月末の中朝首脳会談によって中朝の緊張が一気に緩み中国メディア上は北朝鮮に対して好意的な記事が激増するなど実に分かりやすい変化を見せている。その影響もあり北朝鮮の観光面でのポジティブな情報が次々と入ってきている。

外国人による北朝鮮観光は、昨年、9月1日の年間500人規模とされたアメリカ人の訪朝禁止に加え11月上旬からは中国人の訪朝制限の影響が大きく、特に中国人は、全訪朝外国人の9割以上を占めると見られているので北朝鮮の観光業は、確実に大きなダメージを受けたようだ。

その規制されていた中国人も2月末には全面解禁されて再び中国人が北朝鮮を訪れるようになり3月末の金正恩委員長と習近平国家主席の会談でさらに大きくプラスに作用している。

◆平壌マラソンは外国人ランナー半減

北朝鮮は、1月に今年の年間イベントスケジュールを発表している。イベントや催し物自体は昨年と代わり映えしないものでプロアマ合わせて6回のボウリング大会、2回の卓球大会、春秋のマラソン大会、8月末には釣り大会など参加型のスポーツイベントに、春秋の貿易商品展示会、料理フェイスティバル、民族服展示会など展示会イベントなどで主に構成されている。

一昨年第1回目が行われ、昨年は中止になった8月の大同江ビール祭りと9月の元山航空ショーは、年初の発表スケジュールには含まれておらず旅行会社へ確認するとまだ決定していないとの回答だった。

そんな中、4月8日開催で、ここ数年の大型イベント筆頭だった春の平壌マラソンは昨年の外国人ランナー約1100人から今年は500人ほどと半減している(日本人ランナーは6人)。しかも、当日は、極寒の悪条件に加え、フルマラソン4時間30分とされた制限時間はなぜか10分早まり4時間20分で締め切られるなど相変わらずの北朝鮮らしい不可思議な対応を見せている。それでもメインスタジアムの金日成競技場には8万人の北朝鮮人が動員されて大歓声を響かせた。

もっとも参加者の大幅減の要因は、特にマラソンの場合は最低でも3か月間。会社員などの市民ランナーは有給調整も含めると半年上の期間が必要なため北朝鮮情勢が大きく好転した2月末だともう準備が間に合わなかったとの声が聞かれるなど時間不足も原因と言えそうだ。

◆新たな「観光の目玉」になりそうな鉄道ツアー

その一方でマラソンや各種イベントよりもにわかに北の観光情報として注目されているのが鉄道ツアーである。

平壌から北朝鮮北東の羅先、豆満江を経由してロシアのモスクワへの国際列車ツアーが今春から本格的に始まったのだ。これまで外国人が乗車できる北朝鮮からの国際列車は中国しかなかったが、これにロシアも加わり、モスクワから乗り換えればパリやベルリンまで平壌から鉄道旅行できるようになったのである。

北朝鮮とロシアは元々線路で連結されているも線路規格が異なっているため台車を交換して走行するなど不便だった。しかし、2013年にロシア支援でハサン駅(ロシア)から港がある羅先駅(北朝鮮)まで両国の線路規格に対応する連結工事(4線軌条)が完成するなど、現在、ロシアは鉄道整備に力を入れている。それもあり、一部のロシアの旅行会社ではすでに北朝鮮-ロシア鉄道ツアーを実施していたのだが、今年からその他のツアー会社でもロシアへの鉄道ツアーが解禁されているのだ。

さらに平壌から羅先までの国内列車乗車もできるようになり、鉄道マニアから熱い視線を集めているのだ。

◆不便な旅にはなりそうだが……

旅行会社のサイトを見るとトンデモなく不自由な旅のようで、平壌発7時50分、羅先着が翌日午後2時30分。翌日である。グーグルマップで両駅の距離を見ると約822kmと表示されるので、ちょうど東京から札幌くらいまでの距離を実に18時間以上をかけて移動するまるで昭和の鉄道移動のような旅となりそうだ。

さらに旅行会社のサイトには、注意事項として、「国内列車のため食堂車や車内販売などはなく3食分の食事を自分たちで用意すること。同行するガイド2人分の往復チケット代と2泊分の宿泊費を負担すること」と書かれている。おまけに車内での撮影は厳禁と今どき体験できない苦行鉄道ツアーだ。

そんな秘境探検のような鉄道ツアーであるが、鉄道ファンからの熱い問い合わせが入っているそうで注目されている。

2018年4月に更新された最新北朝鮮ツアー料金を見ると、スタンダードな3泊4日の中国丹東からの鉄道往復ツアーを1人で参加すると約16万円だが、2人になると一気に3万円ほど安くなるなどこのあたりの料金体系も北朝鮮独特のスタイルといえる。

<取材・文/中野鷹(TwitterID=@you_nakano2017)>

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