将棋・藤井聡太六段だけじゃない!? 「9割近くが怪しいシロモノ」有名人サイン“ネット売買”の闇

将棋・藤井聡太六段だけじゃない!? 「9割近くが怪しいシロモノ」有名人サイン“ネット売買”の闇

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2018/04/17
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将棋の高校生棋士、藤井聡太六段の偽造サイン色紙を売ったとして、愛知県警が、都内在住の派遣社員、富岡恵美子容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。

富岡容疑者は、偽造サインをフリーマーケットアプリ上で大阪府の男性に5,670円で販売。購入した男性がネットオークションで転売したところ、警察に偽物を指摘する情報提供があって、藤井六段本人に確認の上、偽造が判明した。富岡容疑者は容疑を認めているというが、偽造サイン販売の常習者だったようで、ほかにも将棋の加藤一二三九段やスポーツ選手の偽造サインも売っていたと見られている。

長年、ヤフオク!などネット上の売買サイトは、偽造と見られるサイングッズが延々と販売されてきたことで知られる。偽造サインはタレントら当人への確認が不可欠で、鑑定力のあるファンらが「偽物」と指摘しても、取引は成立してしまっているのが実情だ。

「中には本物のサインの画像をネット上で見つけ、本物そっくりに偽造する“贋作師”もいて、目に見えて取引されたものを計算しただけでも、年1,000万円以上を稼ぐツワモノもいる」とサインコレクターの女性。

「特にグニャグニャした文字だけのサインは真似しやすく、偽造サインはかなり出回るので、本物の価値も落ちてしまうことさえあります。漫画家の色紙では、本人しか描けないようなイラスト付きもありますが、それでも腕のいい贋作師が偽造するので、世界に1枚しかないはずのものでも、ヤフオクで何度も売り出されているんです。買った人は気づかず本物だと信じているのでしょうけど……」

3月下旬、ある有名漫画家のイラスト入りサイン色紙が、ネットオークションで30万円以上で落札されたが、この女性は出品時の画像で「明らかに偽物」と判断した。その色紙は漫画家がチャリティイベントに出た際、その場で描いたもので、購入者がフェイスブックに色紙の画像を載せていたのだという。

「2つの画像と出品を比べたら、一見そっくりですが、よく見るとネットで売られたものは細部が慎重にまねして描いた感じがあって、イベント中にさっと描いた本物とは違うのがわかります」

ほとんどサインをしないことで知られるジャニーズタレントやアイドル、俳優、芸人、スポーツ選手、声優など、さまざまな有名人のサインがネット上で売買されてしまっているが、女性は「取引サイトの出品物では、おおよそ7割ぐらいが偽物だという印象ですが、出所不明で信用性の低いものまで入れると、9割近くが怪しいシロモノ」という。

売られているサインの中には、サインした当時の写真が添えられていたり、鑑定書付きというものもあるが、「写真はいくらでも複製できますし、鑑定書もサイン業者をまねただけのもので、本物の証明にはならない」という。

事実、鑑定書付きだったハリウッド俳優のサインが偽物と判断された例もある。映画『ロード・オブ・ザ・リング』に出演した俳優のサインについては、ジャーナリストの片岡亮氏が過去、俳優の来日インタビュー時にマネジメントに確認して「本人はこんなものを書いていない」との返答をもらったこともあるのだ。ただ、片岡氏はそれを根拠に「偽造の可能性が高い」と記事にしたところ、出品者の男性がそれに反論することなく、片岡氏にストーカー行為を始め、片岡氏の自宅写真をネット上に掲載し「ヤフオク詐欺師だ」と虚偽の中傷をするサイトを立ち上げた。結局、男性は名誉棄損で警察に起訴され有罪判決を受けているが、「あくまで名誉棄損でしかなく、偽造サイン自体は何も問われず、その後も販売が続行されていた様子だった」と片岡氏。

「もちろん、中には本物もあるのでしょうが、よほど確かな裏付けが示されてない限り、疑ってかかった方がいいのかもしれません」

藤井六段のように、多忙であるはずの旬の著名人のサインがここぞとばかりにやたらと出回ること自体、不自然ではある。
(文=和田修二)

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