国会延長 丁寧に審議を深めてこそ

  • 西日本新聞
  • 更新日:2016/12/01

きのうが会期末だった臨時国会は、今月14日まで延長されることになった。未消化だった国会審議を深め、国民が知りたいことを明らかにする丁寧な論戦を繰り広げてこそ、延長の意味はある。

政府、与党は、衆院を通過した年金制度改革法案と参院で審議中の環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案を成立させる方針だ。TPP承認案は参院で可決されなくても、憲法の衆院優越の規定で9日に自然承認される。

延長に当たって政府、与党と野党に改めて注文しておきたい。年金法案もTPPも、審議が深まったとは到底言えないからだ。その責任は双方にある。

今国会で特に目立つのは、野党の質問にまともに答えない安倍晋三首相や閣僚の姿勢だ。夏の参院選などを通して衆参両院で自民党が単独過半数を制したことによる「数の力」を過信していないか。

多分野に及ぶTPPは国民生活への影響も大きい。さまざまな疑問や懸念が当初から付きまとう。しかし、秘密交渉を盾に政府は内実を明らかにしようとしない。

加えて米国のトランプ次期大統領は来年1月の就任初日にTPPを離脱すると表明した。協定発効そのものが困難視される中で、なぜ承認案と関連法案の成立を急ぐのか。この点も判然としない。

年金法案を巡っても、これで高齢者の生活は守れるのか、制度は将来にわたって持続できるのか、社会保障や財政の全体像をどう描くのか-といった疑問に政府から明解な説明はないままだ。

これらを明らかにすることが延長国会の出発点になる。山本有二農相が繰り返した失言が審議全体を遅らせたことも政府は反省すべきだ。与党も会期の日程ばかりを気にして採決の強行を重ねたり、再延長をちらつかせて野党をけん制したりするのは、あまりに稚拙と言わざるを得ない。

民進党など野党も「反対のための反対」では困る。本格的な政策論議を通じて政府や与党の姿勢をただし、建設的な対案を含む論戦で存在感を発揮してほしい。

=2016/12/01付 西日本新聞朝刊=

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