Douk Audioの真空管アンプ『Mini Tube Audio PowerAmp』で球ころがし!

Douk Audioの真空管アンプ『Mini Tube Audio PowerAmp』で球ころがし!

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/13

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

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前編はこちら

■6V6ファミリーが大集合!

真空管アンプが入手できたので、いよいよ真空管を交換してみたい。真空管は同じモノでも生産国やメーカーによって呼び名が違っている。つまり型番が違うだけで完全互換性がある球があり、差し替えるだけで音色の変化が楽しめる。6P6Pは6V6GTと互換性ありとスペック表にあるのでこれは問題ない。電圧増幅管である6N9Pも交換したい、こちらは6H9Cと6SL7などと互換性ありだ。1本で済むのでお手軽だ。今回は6V6のST管である6V6Gも迫力があるので用意した。さらに完全互換性はないが、6L6族と6L6GC、KT66も差し替えてみた。

■6N9Pをロシア製の6H9Cと差し替える

中国製6N9Pと互換性がある真空管で激安だったのが、ロシアの6N9Sだ。日本のAmazonでも2本セット1215円で販売されている。しまった、これは送料を入れてもebayより、日本の方が安いではないか。とにかく1本でいいのだが、ペアでしか売っていない。中国製6N9Pは新品なのか中古なのか分からないぐらい外見が汚くて金属製のハカマには錆も浮いているので音以前に気分が悪い。問答無用で差し替えるとYuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)の低域の解像度が向上、ベースの音程がハッキリした。女性ボーカルの解像度も上がってリップノイズが聞こえるようになった。これはハイコスパなので速攻で交換することをオススメする。

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最初から付いている中国製の真空管がコレ。センターの球は中古品のように古びた外観だった。

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ロシアの軍事用高信頼管という触れ込みの6H9Cはebayにてペア936円だった。しかし送料が高い。

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交換するとデザインにも統一感が出て、音の解像度も上がった。

■6V6はクリアガラス球の方がレアだった!

6V6は6L6の弟分として1937年に登場。シングルで2.5W以上の出力が得られることから、モニターアンプやギターアンプに多用された。まずメタル管が発売され、G管、GT管となり、1945年にはMT管が登場した。現行ではロシアと中国とチェコで生産されている。6V6GTは過熱対策のためのカーボンスートが施されて、ガラス管内部が真っ黒のモデルが多い。性能はこちらの方がいいのかもしれないが、見た目は真空管らしくなくガッカリである。クリアガラス球は現行では、エレハモの『6V6-EH Type2』のみ、以前はSylvania、GE、マツダ、東芝などにクリアガラス管が存在した。その音は中低域に量感があって高域はなめらかなものが多い。

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ロシア製『6P6S』NOSマッチドペア管、eBayでペア864円。S/N感がいい。ボーカルに奥行きが出て来た。全ての音がクリアーになり、一皮むけた感じだ。中低域の量感は増える。低域の解像度は低くボンボンとかたまりで音が出る。

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JAN CRC『6V6GTY』参考価格ペア4000円。ハカマが茶色のレアモデルらしい。セットで購入したので単価は不明。『6P6S』よりも中低域の量感は減る。ドライブ感はいい。ボーカルが前に出る。高域の響きも減少して、今っぽい音になった。

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ロシア製STANDARD BRAND『6V6GT』NOS1987年製。eBayでペア2480円。解像度が向上してボーカルはやや艶っぽい。ボーカルは前に出る。全体的にスッキリした感じ。低域のドライブ感がいい。低域が出過ぎずにほどよいバランス。

■1936年にデビューした6L6には兄弟が沢山いた!

5極管の改良版として注目のデビューを果たしたビーム管が6L6である。特にST管の6L6G(T-16)が大きくて迫力がある。やや小振りの6L6GA(T-14)も魅力的な形をしている。さらに円筒形になった6L6GB(T-12)があり、業務用の5881がある。6L6をST型バルブに組み込んだ6550の原型、6550Aもある。ウエスタンが独自仕様で改良した350Bも見逃せない。KT66も6L6とは兄弟モデルになる。見た目と違って中低域の量感は6V6族の方があった。6L6はどちらもクッキリ系の音だった。注意事項として『Mini Tube Audio PowerAmp』のスペック表の互換球に6L6の表記はない。また一般的にも6V6と6L6は互換性なしなので、6L6族と差し替えたまま使い続けることはNG。私はアンプが壊れたら分解して直せばいいと思いつつ差し替えている。

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6L6のクリアガラス管はヒーターが大きいのでオレンジ色の点灯も派手。デザインもクラシカルでデスクトップに置くとほっこり気分になれる。

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左がT-16で右がT-14、並べるとサイズだけでなくハカマの高さも違うことが分かる。

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U.S.A.GENUINE PARTS『6L6G』参考価格ペア7700円。カーボンスートが施され中が見えないのが残念。低域はタイトでボーカルは響きが少なくスッキリした。全体的に響きが減ってナローレンジでカマボコ型の特性。女性ボーカルは寂しい音になった。

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中国製Shuguang(曙光電子)『6P3P』NOS、eBayでペア2224円。『6L6G』に比べると中低域の量感が増える。解像度は低く力強い音。ボーカルは少しザラザラした質感になる。個性的な音だ。

■真打ち登場! Westinghouse vs JJ Electronic

数ある6V6の中で高音質が期待できるは、Marconi、Electro Harmonix(選別会社)通称エレハモ、JJ Electronic通称チェコ管、Westinghouse、SYLVANIAなど。今回、入手できたのはバリバリ新品のJJとNOS(新品の長期在庫)のWestinghouseである。試聴の結果は、Westinghouseの方が好みの音だった。女性ボーカルに乗った真空管らしい甘い響きが魅力的だ。JJは解像度が高く透明感があってスッキリした音になった。低域の量感はJJの方が出た。

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Westinghouse『6V6GT』NOSペア管、eBayでペア4950円。元箱付きで文字のかすれも少なく状態のいい球だった。

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中低域はややタイトで解像度が上がった。低域はややタイトでボン付かない。ボーカルは解像度が高く真空管らしい響きが乗る。ギターの響きも心地よい。

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JJ Electronic『6V6S』新品ペア管、eBayでペア4287円。JJ Electronicはロシア、中国と共に最新設計の真空管を製造するスロバキア共和国のメーカー。チェコスロバキア時代のTeslaの設備を受け継いだと言われている。ガラス工芸技術を使い制振性の高い厚手のガラスを採用。さらに電気特性も定格以上に設定されたオーディオ専用管なのだ。

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アンプの設計がいい加減なので真空管のロゴがどちらも正面を向かない。エレキットならこんなことにはならないのだが。クッキリした音で透明感がある。高域はやや硬質、低域は下まで伸びる。中低域は量感があってややブーミー。

■番外編、実験的に6L6GCとKT66の音を聴いてみた

6L6GCは6L6の最終進化系である。本機は6L6GC用の設計ではないため、設計通りのスペックは望めないが、どんな音色なのかを聴いてみた。そしてアメリカ発の6L6に対抗してイギリスGECが開発したKT66の存在がある。互換球ではないが、どんな音がするか興味があったので差し替えてみた。真空管が太すぎて出力トランスケースにやや干渉したが、大迫力の真空管アンプに変身した。

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Electro Harmonix『6L6GC EH』新品マッチドペア管、ペア5400円。有名なRCA『6L6GC』BlackPlateをモデルに製作された。振動低減のためスプリングでマイカを固定している。

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背が高い真空管なので差し替える迫力があるフォルムになる。落ち着いた音。低域はタイトで高域はなめらか。情報量が多い音で、女性ボーカルは響きが少なく、ちょっとギスギスすることがある。透明度が高くハイファイ調の音だ。

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Gold Lion『KT66』新品マッチドペア管、ペア1万200円。ロシア製のブランドでGECが別ブランドで販売していたGenalex Gold Lionの復刻版。中国製のGolden Lionとは別のメーカーである。右側の6V6GTと比較すると巨大サイズであることが分かる。

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迫力の外見とは裏腹に穏やかな音。透明感があってクリアー、ボーカルは前に出る。中低域の量感があるが、低域はボン付かない。真空管目立ち過ぎである。

■真空管はバラツキがあるから面白い!

やや強引に10種類の真空管で球ころがしをやってみた。好印象だったのは、Westinghouse『6V6GT』とSTANDARD BRAND『6V6GT』である。真空管にはバラツキがあるので、同じメーカーの同じ型番の球でも同じ音がするとは限らない。また、アンプによっても音は違うので、今回の結果が読者の球ころがしの参考になるかどうかは分からない。まあ、とにかく音は確実に変化するので、楽しくなってついつい真空管を大人買いしてしまう。そして置き場所に困るのだ。ビンテージ管には高額な球もあるが真空管は消耗品と考え、私はペア1万円以下を目安に探している。ebayで送ってもらって割れていたり不良品だったことは一度もないが、他の製品より送料が高いのが悩み所である。解決策はまとめ買いか? NOSといっても古い球なのでいつ壊れるか分からない。この試聴が終わったら、突然、6N9Sのヒーターが点灯しなくなった。ペア管必要ないと思っていたが、もう1本と差し替えて無事、音が出た。JJやエレハモは送料を考えると日本で購入した方が安いこともあるので、衝動買いしないように。私はKT88のBlueGlassペア管が$37だったのに落札できずに悔しい思いをした。話を戻すと真空管は多少の無理も利くが、突然死することもあり、その音はみな個性的でオペアンプ交換よりもずっと楽しめた。

写真・文/ゴン川野

オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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