長友のインテルが首位決戦。ダメダメだった名門に名将が魔法をかけた

長友のインテルが首位決戦。ダメダメだった名門に名将が魔法をかけた

  • Sportiva
  • 更新日:2017/10/21

その日、サンシーロスタジアムを後にする長友佑都は笑顔だった。日曜の夜(10月15日)に行なわれたミラノダービーは、マウロ・イカルディのハットトリックもあって、インテルが3-2で勝利した。これでインテルは単独2位。首位のナポリにも2ポイント差と迫る。ここ数年のシーズンと比べものにならないほどの好調な滑り出しだ。

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ミラン戦でハットトリックを決めたマウロ・イカルディと長友佑都 photo by Insidefoto/ AFLO

インテル復活の最大のキーワード、それは”スパレッティ”だ。

ルチアーノ・スパレッティ監督はインテルに就任したその日から、チームを以前の”本物の”ビッグクラブに返り咲かせることに全身全霊を注いできた。そのために彼がまず目指したのは、メンタリティのリセットだった。

ここ数年、負け続けてきたことによる”負のメンタリティ”をリセットし、自信を取り戻させ、ロッカールームに楽観的な空気をもたらす。それが第一ステップだ。選手ひとりひとりの気持ちを切り替えさせることが復活の基礎であると彼は見抜いたのである。サマーキャンプの間には、選手たちと話し合いをする監督の姿が頻繁に見られた。

土台を整えたところで次に着手したのがシステムだ。スパレッティはインテルの選手たちのテクニックに見合った4-2-3-1を採ることにした。

今のインテルに真のトレクアルティスタ(トップ下)は存在しない。強いていえばマルセロ・ブラゾヴィッチがそれに近いが、現在はふくらはぎの筋肉を痛めて欠場している。テクニックだけでいえばジョアン・マリオやボルハ・バレロもトップ下でプレーすることができるだろうが、ボルハには、DFラインの前で秩序を保つ、というより重要な役割がある。

もうひとつ、シーズン当初はマイナスと思われていたが、実際にはプラス要素だったのが、チームの選手数の少なさだ。今シーズンのインテルにはチャンピオンズリーグ(CL)もヨーロッパリーグもない。出場機会の少ない選手のメンタル面でのケアは非常に難しく、もし大所帯であったなら悩みの種となっていただろう。

その点23人という人数は今のインテルにはちょうどいい。ローテーションはうまく回っていて、不満を持つ選手も少ない。ジーニョ・ファンフースデンがケガをしているので、センターバックがあとひとり、ほしいところではあるが……。

スパレッティは百戦錬磨の監督で、強力なパーソナリティを持っている。重いプレッシャーにも耐えることができるプロフェッショナルだ。それはローマ監督時代、彼がフランチェスコ・トッティにとった一貫した態度からもうかがえる。

また、ネガティブな状態のチームをどう率いたらいいかを熟知している。今季のインテルはまだ幸運にも不調とは無縁だが、どんなチームにもいつか必ずそういうときが訪れる。そんなときこそスパレッティの強さは発揮されるはずである。

スパレッティ・インテルは今後どこまで上昇することができるのか。それはまだ予想し難い。2カ月間の好調ぶりを見ればスクデットも期待したくなるが、ユベントス、そしてナポリが、インテルよりもはるかに武装できたチームであることは明らかだ。論理的に考えるなら、CL出場圏内である4位以内入りを狙う、というのが妥当な線だろう。それ以上を目指すには、まずCLに出場して資金を潤沢にし、世界レベルの選手を手に入れることが必須であるというのが大方の見方だ。

ただ、サポーターはもちろんそれ以上の結果を夢見ているし、それだけの夢を持つにふさわしい応援をしている。この日曜もサンシーロはサポーターで埋め尽くされていた。ダービーという特別な試合であったからでもあるが、それだけではない。

今季これまでミラノで行なわれたダービーよりマイナーな試合(フィオレンティーナ戦、スパル戦、ジェノア戦)でも、観客数が5万を割ることはなかった。これは昨今のイタリアでは珍しいことである。「今年こそは!」というインテリスタの熱い気持ちが表れている。

今週の土曜日は首位のナポリとの直接対決がある。インテルにとっての幸運は、この重要な一戦の前にCLがあったことだ。ナポリはマンチェスター・シティという強敵とアウェーで戦わねばならなかった(2-1で敗れている)のに対し、インテルはこの1週間、みっちりと頂上決戦に向けて準備することができたのだ。

インテルにとって、そして今シーズンのセリエAの行方を占うという意味でも、ビッグマッチになることだろう。

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